- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003257814
感想・レビュー・書評
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プログレバンド「夢幻」のアルバム『レダと白鳥』で、
タイトルそのままモチーフにされた「死都ブリュージュ」
を聴いて以来、気になっていた本をやっと読んでみた。
そして、バレンタインデーであり
同時に「ふんどしの日」でもある今日、読了。
それはさておき(笑)
愛妻に先立たれて悲嘆にくれ、喪に服す男が、
ベルギーはブリュージュの街角で妻に瓜二つの女を見出す――
という、
19世紀末の作家ローデンバックによる小説。
敬虔なカトリック信者としてのメンタリティが言動を抑制し、
そこから生じるストレスが暴発して……といったところでしょうか。
ともあれ、「男」と「女」と「古い街」の
三角関係とでも呼びたくなる様相。
挿絵代わりに鏤められた、
運河を初めとする当時のブリュージュの風景写真が
寒々とした雰囲気を一層盛り立てている。
尚、20世紀に入って
E.W.コルンゴルトによって翻案され、オペラとして上演されたそうな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
226夜
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2008.3.22
一度失ったものは、そのまま思い出として胸にしまっておくべきですね。欲張ってはいけない。それはすべて虚構だから。 -
亡き伴侶の象徴として死都として描かれるブリュージュの哀愁の情景が、とてもよいです。
ただ、なんといいますか・・・この終わり方は私にはあわなかったかな。これは好みの問題でしょう。