- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003272176
感想・レビュー・書評
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『ドン・キホーテ』の登場人物たちと語り口を彷彿とさせる文章が並ぶ。1600年頃の文章がなぜこんなにも読み易いのか。セルバンテスの原文がすごいのか。訳者がすごいのか。いずれにしても先入観なしに楽しく読める。ただ4篇のうち、「ガラスの学士」の中盤に展開される、主人公の当意即妙とされる問答は言葉遊びが多くてわかりにくかった。
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天才セルバンテスの楽しすぎる短編集。
「賢明な狂気」とは上手い表現だが、間違いなくセルバンテスの作品群を貫く重要なテーマの一つ。
大衆性と娯楽性が表に浮かぶ普遍的な魅力はさることながら、その根底には人間存在に対する、冷ややかで批判的な視点が埋め込まれてる。
語りの旨味と手際の良さという点では、夏目漱石を読んでる感覚にも近い。 -
「やきもちやきのエストレマドゥーラ人」「愚かな物好きの話」「ガラスの学士」「麗しき皿洗い娘」
が読めます。
スペインとかの作家に興味が出たので読んでみました。
タイトルみるとちょっとわくわくしそうな感じがしましたが、高低差の激しいところを一気に駆け抜けるような感じのお話が多く、まさしく波瀾万丈。
意外に悲劇的に終わるものが多く、それが意外でした。
でも湿っぽくなく「可哀想」という気持ちを起こさせるものではありません。
あくまでも突き放した、からっとした爽快さがあります。
解説読むともとは「模範小説集」という短篇集におさめられていた物たちらしく、その名の通り悪く言えば「典型的」な話構成らしいですけど、最近のお話ってそういう意味では「典型的」じゃないところをみんなが狙ってくるので逆に新鮮でした。
私はハッピーエンドだった「麗しき皿洗い娘」が好きです。
みんな幸せになって良かったね。 -
古典だからなのか、これが西の人となりなのか、アホだなぁ!
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「ドン・キホーテ」の作者の短編集。確か「ドン・キホーテ」自体通読したかもあやしいのに、高校生くらいのときの私は暇だったんだなぁ…。
古き良き(悪趣味な)ロマンスと大仰な時代がかった(新鮮な)せりふまわしが好き。 -
小説というよりも物語とよぶほうが似つかわしい4つの短篇。どれもどことなく聞き覚えのあるような話で、スペインだけにアラビアン・ナイトの影響があるのか、イタリアの古い話に似ているのか、ある程度普遍的な物語なのか、といろいろ考えながら読んだが、この本そのものを以前に読んだことがある、というのも充分考えられることである。話にふさわしい語り口が気持ちよい。