- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003274521
作品紹介・あらすじ
鍛冶のイルマリネンは、婚礼の儀式を全て終えて花嫁を伴って帰還した。一方、婚礼の宴に招かれなかったむら気のレンミンカイネンは憤り、復讐を決意し、死の危険が待つポホヨラへと向かう。イルマリネンの妻の死を契機に、カレワラは、クライマックスのサンポ(ポホヨラの秘宝、天の柱の象徴)奪回へと一気に展開する。
感想・レビュー・書評
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引き続いて下巻。こちらは巻末に固有名詞の小事典が掲載
されている。こういう作りの本は手元に置いておきたく
なるね(笑)。
元々様々に伝承されてきたバラバラの詩歌を集めてひとつの
物語に編集補作した作品であるためか、下巻となると少ない
キャラクターを使い回している感が強くなるのが難点か。
だが、フィンランドの神話世界、十分堪能いたしました。
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原書名:Kalevala
編者:エリアス・リョンロート(Lönnrot, Elias, 1802-1884、フィンランド、著作家)
訳者:小泉保(1926-2009、静岡県、言語学者) -
フィンランドの歴史を考えると、よくここまで古い伝承が残っていたものだと感心します。この叙事詩がロシアから独立するその気運が高まった時期にまとめられ、人々の支えになったという経緯は、アジアの一国として独り立ちすべく記紀を編纂した日本にやや近いものを感じます。やはり独自の歴史や文化は、民族の心の拠り所なのでしょう。神話的ですが、カレワラにおいて明確に神と呼べる存在はウッコくらいで、人間のようであり、妖精にも思える不思議なキャラクター達が行き交う世界観。フィンランドという国の空気に、少しだけ触れた気がします。
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最初読んでいても難解も慣れてくるとフィンランドの情景や人が浮かぶようだ。
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読みやすくて面白い。文章も、日本語化のむずかしい言い回しだけれどなかなか軽快で。登場人物のキャラクターが非常におもしろい伝説集。