孟子 上 (岩波文庫 青 204-1)

  • 岩波書店
3.70
  • (18)
  • (17)
  • (31)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 468
感想 : 24
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003320419

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 中国の最古にして最大の教典である『四書』のうちの一冊である「孟子」。

    これは今から約2500年前に生きた聖人君子である孔子の教えを軸に展開した、今から約2300年前の孟子の言行録。

    国を治めるにあたっての心構えや倫理を、語り口調によって伝えている。

    国は人であり、
    この考え方は国の統治者のみでなく、
    一個人に置き換えても、今を生きる私たちにも応用でき、普遍的な真理が書かれてある。


    人間は本来、性善であり、
    そのことを自覚して自身の身の向上に励めば、
    天下をも治めることができる。

    このように考え勉学に励むことは、人生においては効果的な意義ある考え方だろう。

    現在では、遺伝学的見地からいえば、人間の全てが必ずしも平等かつ同等に性善的なパーソナリティを持っているとは言い難い。

    だが、性善説的な立場に立ち、身を修めていくことは確実に自身の向上につながるであろうし、他と同時に幸せを享受していく重要性もこの著書では強調されており、歴史のふるいにかけられ残った名に恥じぬ、素晴らしい本だ。

  • 正しい道について、古代中国の歴史を用いた具体例を出して分かりやすく解説しているのではあるが、論語や大学中庸を読んだ後に孟子を読むと内容がかなりくどく感じる。
    一つ一つの言葉に参考になる事柄が多くあり、素晴らしい名著と言い切れますが、私には苦手な著書とも言えます。


  • 開始:2023/1/16
    終了:2023/1/23

    感想
    他の四書に比べエピソードが豊富で分かりやすい。弟子のツッコミを屁理屈で回避する孟子に人間味を感じる。それでいて根本の議論は筋が通っている。

  • 孟子の言行録。原文を区切りのいいところで区切り、漢文・訓読文・現代語訳がある。注もあるが、読んでも分からない部分も正直多かった。
    書かれていることは現実的でない理想すぎる印象だったり、都合良い解釈をしているように感じられたり、もちろん時代錯誤的に感じる部分もあったりするが、確かになと思う部分もあったり、ぐさっとくるところもあったり、こういう考えもあるんだなという学びになったり、理想を掲げ続けるのも難しいが大切だよなと思ったりした。四書の他の3つを読んだ上での孟子だったが、他に比べて孟子はすごく人間らしく感じた(笑)

  • 2018/01/19 22:50:19

  • 下に同じ

  • 新書文庫

  • 2015.6.19儒教の四書の、大学、論語、孟子、中庸の三冊目、前半。孔子の亡き後に彼の道を継ぐとして様々な活動をし、言葉を残した孟子の言行録。趣旨は孔子の論語と変わらず、修己治人である。論語がこのうち修己の部分に重きを置き、門人との対話が主で、やや抽象度が高い印象だったが、孟子は修己の部分にも触れつつ、様々な国の王との対話を通し、治人の部分をより具体的に述べている印象を受けた。議論好きではないが乱れた世においては議論せずには居られないとあるように、なかなか雄弁で、言い回しや例えもおもしろく、読んでいて痛快だった。現代の政治には応用は難しいが、リーダーシップ精神として読みかえると学ぶところは多いのではないか。憐れみ、悪を憎み、相手に譲り、正誤を知るという、仁義礼智の四端の思想や、義を以って勇を発揮し不動心に至ること、性善説など、孔子の思想を押し広げた独自の思想を説いている。また仁徳による政治がなぜ必要でそれが如何に効果的で天下を治めることに繋がるのか何度も何度も王に説明してる。にもかかわらず様々な王も中々に小人だなーなんて思いつつ、現代の政治家はどうなのだろうか、また人を思う前に自分はどうなのかと思わされる。前に貞観政要を読んだことがあるが、孟子含め儒学から多大な影響を受けているように思う。しかし仁といっても、自らが満たされてなければ人を愛することは難しい。仁がいいことだからやれ、でなく、仁をなすことができる自分になる方法も書かれているとありがたかった。かくあるべし、ばかりで、如何にかくあるべきか、は書かれてない気がする。また各徳目は相互作用的であり、自らにおいては義を以って勇を、他者においては仁智を以って礼を成すことが大事なのではないか。リーダーに必要な素養が説かれている一冊である。

  • 再読、小林訳は校訂・語釈などが詳細であるが、訓読はルビが多量で少し読みづらい。梁恵王は孟子と魏・斉・魯などの王との対話であり、基本的には仁義の政治をし、民と楽しみを共にすることである。公孫丑は弟子との対話が多く、「不動心」、「浩然之気」、「不忍人之心」、「四端」などの概念がでてくる。滕文公は許行・墨子などの弟子との対話である。また、陳仲子や張儀などの人物評もある。

  • 人の道についてズバっと説く本書は、小気味よく、何度でも味わいたい名著。

全24件中 1 - 10件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×