ブッダのことば: スッタニパータ (岩波文庫 青 301-1)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003330111

作品紹介・あらすじ

数多い仏教書のうちで最も古い聖典。後世の仏典に見られる煩瑣な教理は少しもなく、人間として正しく生きる道が対話の中で具体的に語られる。初訳より26年、訳文はいっそう読み易くなり、積年の研究成果が訳注に盛られ、読解の助となるとともに、他仏典との関連、さらには比較文化論にも筆が及び興味は尽きない。

感想・レビュー・書評

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  • 私は無宗教と自認していますが、最も影響を受けた宗教と言えば仏教だと思います。恐らく、多くの日本人も同じではないでしょうか。
    特に、哲学的な観点からの仏教には、壮年になるにつれて関心が高まり、本書を手に取りました。様々な会話の中で、お釈迦様が発したとされる言葉が収められています。

    真理に辿り着くということは、妄想や執着から自由になることと同義であり、私のような、市井の俗物からみると、かなりストイックな姿勢が求められるのだと改めて感じました。その中でも、特に印象に残った言葉としては、

    ---
    人が「これはわがものである」と考える物、ーそれは(その人の)死によって失われる。われに従う人は、賢明にこの理を知って、わがものという観念に屈してはならない。
    ---

    という言葉です。私の座右の書の一つである、エーリッヒ•フロムの「生きるということ」は、正にこの考えに焦点を当てたものですが、自身の体でさえ、結局は土に還さなければならない借物であり、所有という考えは全て錯覚であるということは、非常に大切な考えであると改めて思いました。全ての妄想や執着を払い、真理に辿り着くなど、私には望むべくもないですが、少なくとも、「わがものという観念に屈しない」ように生きていきたいものです。

  • 正直なところ、自分には文章が難しかった。
    全体の1/3も理解できただろうか、とも思うが(自分にとって)難解であるこの本を読み切ったという体験はとても掛け替えのないものになった。
    とにかく読みづらかった。

    この本を「わかりやすい内容」と紹介しているところもあるが、本当だろうか…わかりやすいと思って読んでる人は相当博識な人ではなかろうか…

    ただ、全てがわからないということではなく、「おそらくこういう事を言っているんだろうな」というのを頭ではなく心で感じながら読んだという体験だった。

    弟子たちからの質問にスイスイと答えを出す仏陀。
    自分にもこんな存在が欲しいと素直にそう感じた。

    なんとなくの雰囲気で全体像を感じ取ったので、岩波文庫版で挫折した人におすすめという下記の本へ避難することにする。

    今枝由郎 訳
    スッタニパータ ブッダの言葉
    光文社古典新訳文庫

    こちらも読み終えたらレビューを書き、再び岩波文庫版を読み返すなどしたい。

  • 執着と煩悩か
    後世の複雑な世界観は、誰が著したんだろ。
    お経は、日本語で詩ってほしいものだ。

  • ブッダのことば(スッタニパータ)
    つまり、仏教のもと。
    ひたすら、欲を捨てよと話している。
    金持ちになりたい、健康でいたい、あれも欲しい、これも欲しいと煩悩の塊の自分はバラモンになれそうもないなぁ。なまぐさだなぁ。

  • ・「犀の角のようにただ独り歩め」異国情緒と含蓄に溢れるとても良い言葉だ。
    ・今の日本の仏教のように「仏に縋り、仏に祈る」というのは随分と原型から離れたもののように感じた。
    ただ、インドにおける仏教の発生がインドの風土と風俗に沿ったものであるなら、日本の仏教の発展もまた日本の風土と風俗に沿ったものであるのか。

    ・「二度とこの世に生まれることがない」のが最良だど幾度と唱えているが、これは反出生主義とどう違うのか誰か教えて欲しい。

    ・「自分で自分のことを言いふらすのであるから、かれは「下劣な人」である」は、各種SNSヘビーユーザーに刺さる言葉だな。
    ・執着するから、愛着するから苦しみが生まれるのだ、という意見はよく分かる。
    それでも私は清濁併呑の人生もまた悪くないとも思う。

  • 最古の仏典のひとつとされるスッタニパータ。
    それゆえか実にシンプルな内容で、一部はもはや生活の知恵の延長にあるような身近ささえ感じる。
    バラモンとは生まれによってなるものではなくそのふるまいによってなるものだ、という教えはやはり大切なものだ。大切なのに人は看板に惑わされ、またそれに固執してしまうのはなぜなのだろう。

  • 私の好きな言葉です。

    周囲に惑わされず、自分の心に従いなさい

    心・体を健全に保ち
    どんな時も友だちに誠実に

    健康であるかどうかは、自分の「心」が決めている

    過去に囚われてはいけない
    未来を待つだけでもいけない
    ただ、この瞬間に集中すること

    自分を変えるのは自分だけ
    どんなに大きな変化も
    すべてあなたの一歩から

    大空に東も西もないように
    あなたの心も内側と外側で
    境界を設けてはいけません

    隠し続けることができない
    3つのものが存在します
    太陽、月、そして真実

    他人の過ちを指摘する前に
    自分の欠点に気づくことです

    心を強く保つには、
    体が元気でなければ

    心で思うことは実現します
    正しい心の持ち主には、
    幸運がついてくるものです

    他人にばかり頼らずに、
    道は、自ら切り開いてこそ

    感想

    私は無宗教ですが、人間の生き方としては、共感できます。
    1人でも多く共感できれば、争いが少ない世の中になるのだろうと思ってます。

  • とても良かったです。確かに初期の頃は教えが煩雑でなく、今の五戒や十二支縁起説のもとになっただろう言説が簡潔に書いてあります。でも、簡潔な分サラっと説明してすぐ次の話題に行くので追いつくのが大変でした。常に頭の中で整理しながら読むと読みやすいと思います。

  • ちょっと専門でない人があまり必要としない注釈が多すぎるような気がします。注釈は読み飛ばした方がいいかもしれません。

  • 読んだ。長かった・・・。

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著者プロフィール

新潟大学人文学部准教授
1977年、東京都八王子市生まれ。1999年、東京都立大学人文学部史学科卒業。2009年、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学、博士(史学)。
八王子市総合政策部市史編さん室専門員、獨協大学法学部特任助手を経て現職。
著書・論文に、『東京の制度地層』(公人社、2015年、共著)、『新八王子市史 通史編5近現代(上)』(八王子市、2016年、共著)、『新八王子市史 通史編5近現代(上)』(八王子市、2017年、共著)、「1930・40年代日本の露店商業界紙『関西俠商新聞』・『小商人』・『日本商人』について」(『資料学研究』12号、2015年)、「戦災の記憶の継承と歴史資料――長岡空襲の事例に即して」(『災害・復興と資料』8号、2016年)など。

「2018年 『近現代日本の都市形成と「デモクラシー」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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