ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003363928

感想・レビュー・書評

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  • 思想の本はやはり難しい。
    おそらく読み手が変わると解釈もかなり違ってくる本の典型例だと思う!
    特に『神は死んだ』がかなり名言だと思う。

  • 10年ほど前の大学時代に、千代田線の車内で読みふけったことを思い出しつつ読んだ。ほとんど全く理解できなかったが、とかく教養と箔をつけようと、むさぼるようにどんどん読み進めて行ったことを覚えている。

    そして今、再び上巻を読み終えた。
    …当時と比べると、少々理解や共感が持てるところが増えているように感じた。例えばタイトルが妙に印象に残っていた『毒ぐもタランテラ』の章などは、かなり露骨な共産主義の批判であり、「人間は不平等なものだ」と力強く説くツァラトゥストラことニーチェの考えに、納得を強制させられてしまった。

    タイトルに在るとおり、「誰にも読めない書物」なので、全ての理解はハナから諦めていたわけだが、それでも序論の『超人とおしまいの人間たち』の章などには、哲学書としてだけでなく、文学作品としての高い価値をも認めることが(個人的に)できた。巧みな比喩や表現力の豊かさには、たとえ言っていることがほとんどわからないとしても、次々と読み進めて行こうとさせられてしまうパワーがあった。

    一章一章が短い教説になっているので、軽く読もうと考える場合は、通勤時等の電車で読むのが向いているかも知れない。わからない表現にしばしの思考の時間を取られることもあるが、それでも遅くても20分に一章ぐらいは読めるだろう。ただし、通勤時に読むと仕事がバカバカしく思えてきたりもするが(笑)。

    深い理解と知識を求めてこの本を読む場合は、そのような読み方ではなく、重要と思われる個所に傍線を引くとか、ノートを取るとか言う勉強じみた読み方が必須と思われる。上のように電車内で読んでいる場合は、読後感以外に得られるものはむしろ少ないかもしれない。(尤も、読後感以外に得られるものの“ない”今の流行小説などよりはずっといいだろうが)

    理解できなかった個所が少なくないので星は4つ。しかし10年間の歳月を経て、理解できる個所が増えたことが嬉しい。歳を取るごとに得られるものが増えていくようなタイプの書物なのだろう。
    巻末解説がかなり充実しているので、そこから取り掛かったりそこと並行して読んでいったりするのもいいかもしれない。

    下巻も読んでみたいと思う。

  • 目次
     第一部
      ツァラトゥストラの序説―超人と「おしまいの人間」たち―
      ツァラトゥストラの教説
       三段の変化
       徳の講壇
       世界の背後を説く者
       身体の軽蔑者
       喜びの情熱と苦しみの情熱
       蒼白の犯罪者
       読むことと書くこと
       山上の木
       死の説教者
       戦争と戦士
       新しい偶像
       市場の蠅
       純潔
       友
       千の目標と1つの目標
       隣人への愛
       創造者の道
       老いた女と若い女
       蝮の咬み傷
       子どもと結婚
       自由な死
       贈り与える徳
     第二部
       鏡を持った幼な子
       至福の島々で
       同情者たち
       聖職者たち
       有徳者たち
       賤民
       毒ぐもタランテラ
       名声高い賢者たち
       夜の歌
       舞踏の歌
       墓の歌
       自己超克
       悲壮な者たち
       教養の国
       汚れなき認識
       学者
       詩人
       大いなる事件
       預言者
       救済
       処世の術
       最も静かな時

  • もっと早くに読んでおくんだった。どんなスピリチュアル本よりも、いいですね~。でも、いまだからこそわかるっていうのもあるかな。

  • 世間での評価も高い歴史に名を残している名作であるという認識もあったが、8年くらい積読にしていた。
    で、読んでみたが、なかなかおもしろい。
    「強者と弱者」「尊敬と軽蔑」「人間の上下」といった人間の「力」に関わる問題についてよく考える人には惹きつけられる記述が多いように思う。
    「弱者を救済する福祉」「平等」「大衆」といったものを軽く見ている記述もあるが、読んでいて嫌な気分にはならなかった。
    下巻では超人思想はあまり出てこなくて、永遠回帰に関する記述がよく出てくる。
    「ツァラトゥストラ」は新潮文庫のより、この岩波文庫の方が読みやすくてお薦めです。

  • 哲学書というより物語性の強い本だから読みやすい。ニーチェの思想と同様に文体も非常に力強くヒロイックに溢れている。
    もちろん哲学者のニーチェも優れているが小説家としての才能もピカイチなんだな。

  • 人間の「限界」を体現してくれている本。
    そのため「これ以上面白い本は存在しない」と思うことになる。

  •  上下巻。神は死んだ! で始まる、有名な書。超人、永遠回帰の思想が語られる。ニーチェの思想は現実に対する強烈な肯定があるのであって、中途半端な拒否ではない。

  • ニーチェの代表作。いまいち、入り込めない気分であった。再読が必要。

  • 私の人生観に最も大きな影響を与えた作品。

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著者プロフィール

フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche)
1844年10月15日 - 1900年8月25日
ドイツの哲学者、古典文献学者。近代がはらむ問題を一新に受け止め、古代以来の哲学との対決に挑み、実存主義の先駆者、生の哲学の哲学者として知られる。その思想は20世紀に続く様々な思想に衝撃と影響を与えた。
代表作に『悲劇の誕生』『道徳の系譜』『ツァラトゥストラはこう言った』『善悪の彼岸』など。

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