侏儒の言葉 文芸的な、余りに文芸的な (岩波文庫 緑 70-11)
- 岩波書店 (2003年2月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003600139
感想・レビュー・書評
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「危険思想とは常識を実行に移そうとする思想である」
真珠にような結晶としての言葉。
芥川は現代の皮肉者として代表者であろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
痛烈かつ破滅的。成程と納得すれども、そのあまりにも冷笑的・悲観的なのに苦しくも思う。
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結婚は性欲を調節することには有効である。が、恋愛を調節することには有効ではない。
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芥川龍之介の金言集。
この本を読むと、芥川龍之介の感性の鋭さに驚くと共に、彼だからこそ『河童』や『蜘蛛の糸』などの作品を書くことができたということが分かる。 -
「侏儒の言葉」の序
侏儒の言葉
侏儒の言葉(遺稿)
文芸的な、余りに文芸的な
続文芸的な、余りに文芸的な
注
解説(平出隆)
人名索引
(目次より) -
収録:「侏儒の言葉」「侏儒の言葉(遺稿)」「文芸的な、余りに文芸的な」「続文芸的な、余りに文芸的な」
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緑70-9
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ほとんど小説しか読んだことがなかったので、かたい印象しかなかったのだけれど、まあ、やはり真面目なんだなあと。あと、皮肉っぽいなあとも。そして、「小説とは」ということについてみんなちゃんと考えていたのだなあと。漱石や谷崎、佐藤春夫、正宗白鳥なんかに関する言及もあって、そうかそういう感じかと思ったりした。あとはやはり、フランス文学に通暁しているなあと、メリメとかアナトール・フランスとか。しかし、発音そのままというか、ベル・アミ(ベラミ)とか、ダスタエフスキ(ドストエフスキー)とかいう表記で出てくるのがおもしろい。
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重たい。でも、軽んじてはいけない。
そんな言葉がいっぱい詰まった本。
現代に生きても、芥川龍之介の時代でも、
苦痛を覚えることは一緒だったのかもしれない。
心に残っているのは、
『人生の悲劇の第一幕は親子になつたことからはじまつている』
少しうろ覚えだが、この言葉は呼んだ当時悩んでいた私に
深く突き刺さった。
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これだから芥川龍之介って面白い、と思った