- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004301042
感想・レビュー・書評
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面白かった。赤瀬川さんは芸術の人でもあるけど、言葉の人だと思った。利休は語らず形にした人だと思う。その利休の代わりにあれこれと語ってくれたようである。
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/705178 -
芸術と前衛。路上観察という視点。茶の湯が前衛であるということに気がつく筆者。何よりも路上観察との対比で語る部分に自分は反応するのだなと思った。(そして路上観察も茶の湯も前衛性を失い形式化していくことも)
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赤瀬川原平の小気味いい文章に完全ノックアウト!パンチラインがてんこ盛り。
基本的に日本史には全く興味はないですが、日本の美意識としての「わび・さび」がどんなものかを知りたいと思ってこの本を手に取りました。
でも千利休といえば日本史の教科書の中の人といったイメージが強かったので、もし千利休ヒストリーが長々と続いたなら、日本史に興味ゼロの私は飽きてしまうのではという不安がありました。または茶道の歴史や御作法など、これまた同様にお勉強チックであったとしても挫折するだろうと思っていました。しかしこの懸念は、読み始めからそれはもう気持ち良いくらいに一掃されます。
序盤にある、赤瀬川原平目線の前衛芸術論がシンプルかつ的を射ていて、読み進めるたびに嬉しさすら感じるのです。全文パンチラインと言ってもいいほど。最初の数十ページでもう幸福感でグロッキー。読み進めるワクワク感がありがた迷惑なことに流し読みを許さない。読んでいて楽しいのに全部逃さず平らげようとするから数ページ読んで満腹になり、胃もたれならぬ脳もたれ、食べ疲れがおきてしまったので少しずつ小分けに読んだ程でした。気に入った文の上にフセンを貼っていたら、おびただしい数になって本の上端だけ厚みが2倍くらいになってるかもしれないです。
もちろん利休と秀吉の関係などにも触れますが、歴史の勉強然としてでなく、いち人間関係の妙であったり、両人の価値観・美意識がぶつかり合う空中戦を見ているようで、とてもスリリングです。
古代より今日まで続いている芸術というムーブメント、それは人間にとってどういう作用があるのか。そういった動きが、実生活にどう現れているのかをあらためて知ることができます。
この本を読んだ後では、何万回と繰り返し歩いている帰り道ですら、何か新しい変化を感じ取ってやろうとするような気持ちのハリが生まれます。流行り廃りや常識、偏見など、うずたかく積み上がった情報の山に埋もれている「新しい価値」を発見したい気持ち、そして自分オリジナルの感性を身につけたい気持ちでいっぱいです。それは一種の挑戦ではあるけれども、今ワクワクしています。 -
下鴨神社の古本まつりで購入。赤瀬川原平さんの千利休像は、一般的な解釈からは離れた独特な解釈なのかもしれないけど、なんだか一理…どころか二理も三理もあるような、妙な説得力があった。お茶の中にある前衛的な世界観がトマソンに結びつくのは面白かった。とても楽しく読めた本だった。
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お茶人が書いたものではないので、内容がわかりやすくニュートラルな感じがしました。サクッと読めます。利休さんかっこいい!と思いました。
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映画の脚本の舞台裏という感じでその点ではたのしく読めます。
利休についてはトマソン物件との対比で語られていて著書独特の視点があり新鮮でたのしく読めます。
もうすこし映画の話があっってもよかったなとは思います。
『千利休―無言の前衛 (岩波新書)』赤瀬川原平 -
子どもの持っていた国語の問題集で取り上げられていた本で、ちらっと読んだら面白そうだったので借りてみた。
著者の赤瀬川さんは昭和12年生まれで、2014年に亡くなっている。戦前(太平洋戦争を基準にすると)生まれの方とは思えない、軽やかで読む者を楽しませてくれる文章だ(マンガ歴史シリーズを何冊も読んだエピソードなどかなりいい)。
茶道というと構えてしまうが、赤瀬川さん自身が素人だったので、その目線でお茶の世界に一緒に連れて行ってくれる。
1989年に出版された本なので、バブルというか日本が絶頂期にあったんだな〜感は、言葉の端々に醸し出されているけれど。2019.2.13 -
Yotsuya