- Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004303190
作品紹介・あらすじ
欧米の都市と東京を比較し、その特質を日本人の生活習慣や美学的な観点から描く。ニューヨークやパリが都市全体を考えて計画されているのに対し、東京は部分を積みかさねた都市である。一見混沌としているその中に隠れた秩序があることに着目しつつ、同時に東京の街並みに欠けている美の必要性を説き、都市計画の欠点を明らかにしてゆく。
感想・レビュー・書評
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目次:
ま え が き
第一章 日本人の空間意識
(一)日本人はなぜ靴をぬぐのか
(二)日本だけの都市風景
(三)部分発想と全体発想
(四)平等主義かアイデンティティーか
第二章 東京の光と影
(一)街 の 観 察
(二)東京の土地問題と交通渋滞
(三)パリ、ニューヨーク、ワシントン、ラスベガスから東京を見る
第三章 東京の処方箋
(一)公共空間の象徴性
(二)住まいの充実
(三)都市のアメニティー ―逃避的・中間的・積極的―
(四)二十一世紀に向かっての東京
終章 ポスト・モダン都市――東京
(一)二一世紀に向けて
(二)変わりゆく東京
あ と が き -
1993年に書かれた本。著者の芦原さんは1918年生まれの建築家、東大教授、ほか。
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[ 内容 ]
欧米の都市と東京を比較し、その特質を日本人の生活習慣や美学的な観点から描く。
ニューヨークやパリが都市全体を考えて計画されているのに対し、東京は部分を積みかさねた都市である。
一見混沌としているその中に隠れた秩序があることに着目しつつ、同時に東京の街並みに欠けている美の必要性を説き、都市計画の欠点を明らかにしてゆく。
[ 目次 ]
第1章 日本人の空間意識(日本人はなぜ靴をぬぐのか;日本だけの都市風景;部分発想と全体発想;平等主義かアイデンティティーか)
第2章 東京の光と影(街の観察;東京の土地問題と交通渋滞;パリ、ニューヨーク、ワシントン、ラスベガスから東京を見る)
第3章 東京の処方箋(公共空間の象徴性;住まいの充実;都市のアメニティー―逃避的・中間的・積極的;二十一世紀に向かっての東京)
終章 ポスト・モダン都市―東京(二十一世紀に向けて;変わりゆく東京)
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出版社/著者からの内容紹介
欧米の都市と東京を比較し,その特質を日本人の生活習慣や美学的な観点から描く.ニューヨークやパリが都市全体を考えて計画されているのに対し,東京は部分を積みかさねた都市である.一見混沌としているその中に隠れた秩序があることに着目しつつ,同時に東京の街並みに欠けている美の必要性を説き,都市計画の欠点を明らかにしてゆく.
目次
第1章 日本人の空間意識
(日本人はなぜ靴をぬぐのか
日本だけの都市風景
部分発想と全体発想
平等主義かアイデンティティーか)
第2章 東京の光と影
(街の観察
東京の土地問題と交通渋滞
パリ、ニューヨーク、ワシントン、ラスベガスから東京を見る)
第3章 東京の処方箋(公共空間の象徴性
住まいの充実
都市のアメニティー―逃避的・中間的・積極的
二十一世紀に向かっての東京)
終章 ポスト・モダン都市―東京
(二十一世紀に向けて
変わりゆく東京) -
これまた学生時代、多読。
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メモです
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芦原義信の本は何となく敬遠してきてしまっていて、なんとなく古本屋で目に付いたこの本がはじめて。
知らなかったけれど、戦争を実体験した巨匠世代の建築家だったのね。1918年生まれだった。
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(略歴:wikipediaより転載)
東京都生まれ。府立一中(現・東京都立日比谷高等学校)、旧制成城高校を経て、1942年東京帝国大学工学部建築学科卒業、海軍に入る。
1945年、坂倉準三のアトリエ系建築設計事務所に入所。1953年、ハーバード大学大学院で修士号(M.Arch.)取得後、マルセル・ブロイヤーの事務所に入所。
1956年、芦原建築設計研究所を開設。1961年、工学博士(東京大学)。1979年、アメリカ建築家協会名誉会員。1987年、王立オーストリア建築家協会名誉会員。2003年、東京大学名誉教授。
その他武蔵野美術大学名誉教授。日本芸術院会員。日本建築美術協会会長。法政大学、武蔵野美術大学、東京大学で教鞭を取り、武蔵野美術大学建築学科の創設に関わった。
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吉阪隆正(1917年生まれ)と一歳ちがいというのは、全然イメージしていた芦原像とことなる。
イメージされる芦原像とは言うまでもなく、日本の街並みなどから都市計画を語る一連の著作からなる葦原像である。ちなみに作品はまったく知らない。調べたかぎり、昭和モダニストという言葉が似合いそうな建築を作っているが、そんなに歴史的に重要なものではなさそう。
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主要著作:
1975年 『街並みの美学』
1979年 『続・街並みの美学』
1986年 『隠れた秩序』
これらはつまるところ、西欧の都市がもっているような可視的な秩序(グリッドとかおなじ素材で建設されているとか)ではない、なにか不可視の次元による秩序づけがなされた都市として、日本の街並みを抽出するもの。本書も、内容的にはこれと一致している。
本書を読むかぎり、芦原は最終的な論拠は和辻哲郎の『風土』による日本風土の定義にもっていっているものと推測できる。和辻のその本が推論を重ねたものでしかないことを考えると、芦原の「床の建築」論が危うい論であることは否定のしようがない。魅力的な論であるとは思うけれど。
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東京の美しさを混沌と秩序の関係から考える本。
フラクタルという幾何学の概念を用いて、
複雑に見える東京の景観について新たな視点を見出しています。
新宿副都心とマンハッタンの比較の中で、
街区の縦横比の関係が、
景観や美学に対して
かなり決定的な影響をあたえている
という分析は、「なるほどっ」とうなずける部分があります。
アジア都市の臨海部開発が
複雑で無秩序な景観を生み出しながら
どこか共通点がありそうなのは
そんな分析から見えてくるのかもしれませんね。
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ぐじゃぐじゃとした東京の美学ってのは、確かにあると思う。それを、ちゃんと論理的に説明してくれている。