大学生の学力を診断する (岩波新書 新赤版 756)

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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004307563

作品紹介・あらすじ

学力崩壊の実態とは?三年間にわたる各大学での数学力調査によって、多数の学生が小中学校レベルの問題にさえまともに答えられないことが実証された。「ゆとり教育」の結果、日本の大学生はアジアでも最低レベルになってしまった。そして新学習指導要領で小中学校の授業時間はさらに大幅に減ることになる。教育問題を論じる上で必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • 今まで読んだ教育系の本と言えば、詰め込み教育批判、ゆとり教育批判批判が多かったのでこの本は目新しかった。
    個性的な子どもをつくるために嫌いな科目を勉強しなくていいというのは、なんか凄い落とし穴があるような気がしてきた、、、

    今はゆとり教育じゃないけど、今の大学生の学力はどうなんだろうね。

    慶應 b方式が出来た経緯 その弊害

    留学生との学力差 数学 韓国の経済学部=東大理工

    文系と理系を分けるの日本だけ?

    地方国立理系、中学レベルの問題7分の6正解できるの半分だけ

    アメリカ クリントン 理科で上位10%は日本韓国以上

    教員養成大学もやばい、私立文系科だと高校レベル問題0点が1番多い、教員職員員免許法教科専門科目半分

    立教 数学選択6.5パー、早稲田政経 国立に数学選択取られて入学は1割代

    他の国は国数重視 日本は英語重視しすぎ?

    数学の勉強すれば親の所得関係なくとも所得アップ! 経済学部の人数学受験と未受験者で年収違う

    ゆとり教育がさらに格差を(´;ω;`)

  • 学力低下問題が広く世に知られるきっかけとなった『分数ができない大学生』(東洋経済新報社)の著者二人が、数学のテストを多くの大学生や大学院生におこなった結果が示されています。

    著者たちの問題提起によって一番大きく変わったのは、従来の観念的な「詰め込み教育」批判に代わって、客観的なデータに基づく議論が広くおこなわれるような機運が醸成されたことではなかったかと思います。本書は、具体的な提言にはあまり立ち入っていませんが、学力低下の現状を示す数多くのデータが示されています。

  • 2001年刊行。大学生の学力低下問題(特に、算数・数学)で一世を風靡した本書。データによる大学生の学力低下論のはしりとも言うべき書であり、ゆとり教育批判論を展開してきた。もちろん、本書の提起する問題意識は現在もなお残存しているように思うが、今は、その学力低下が問題というだけでなく、処方箋、ゆとり教育世代と変に揶揄される学生たちの学力低下の如何や、低下がある場合の事後手当て、現在初等教育を受けている小学生への将来の改善策の方が大切である。本著者には同種の丁寧な他著もあるが、概略なら本書でも足りるかと。

  • 「分数の計算ができない大学生」は聞いたことがあったが,ここまで深刻な状況になっているとは思わなかった.15年前の著作だが改善はあったのか.試しに問題に挑戦してみたがほぼできるものばかりだったが,これ位のレベルでつまずくと大学の勉強は無理だと思う.抜本的な対策が必要だ.

  • 「分数ができない大学生」という本が話題になった。そりゃあ、使わなければ忘れるしなあ、別に必要ないものは忘れてしまってもいいじゃない、他に覚えることいっぱいあるし、なんて考えていた。でもそれはちょっと誤解だったかも知れない。その真相を知りたくて本書を手にした。どんな問題が学生に課されたのか。どのレベルの大学の、どのような学生を対象にしたのか、などなど詳しく説明されている。それらを読むにつけ、これは確かにちょっとやばいのじゃないかと思えてきた。2次方程式の解の公式を忘れてしまったというのは仕方ない。でもルート49が7と言えないのでは、なんぼなんでも中学高校でどうやって数学の授業を受けてきたのかと思ってしまう。中高一貫の附属校だったのかも知れない。大学受験に数学がいらないとなった瞬間に、数学のすべてを放棄してしまったのかも知れない。個々にいろんな理由があるのだろう。しかし、子どもたちの学習環境が変わってきたことが原因の1つであることは間違いない。教科書が薄くなった(つまり内容が減ってきた)。授業時間数も減少している。ゆとり教育の名のもと、少ない内容を短い時間で教えようとしてきた。2002年、それはさらに進行する。子どもにもっと高度な教育をと考えれば、公立学校以外で教育するよりほかない。塾へ行かす経済的余裕があればよい。親が子供の教育を真剣に考えるなら良い。そして、私立受験校に行けば、指導要領と関係なくことが運んでいく。文科省もまたそれを良しと考えているようだ。一部のエリートはそうやってつくられていく。しかし、経済的余裕のない家庭に育った子どもはどうなるか。親が教育に興味がないならどうか。それで子どもの将来が決められてしまって良いのか。公教育はその責任を放棄するのか。子どもに機会は均等に与えられていない。そんなふうに思えてくる。でも一方でふとこんな考えも浮かんでくる。エリートっていったい何?高級官僚になろうと、会社役員になろうと、とんでもない非常識なことをしている連中がいる。それって、人間としてはどうなの?あまりにも計算ができないなんていうのは商売するにしたって、職人になったって、農業だって困るかも知れない。でもそれぞれの職に就く中で、それぞれに必要なことを身につけて行くはず。だいたい学校で教わったことが社会に出て役立ったなんてことはあまりきかない。バイトをして、1人旅をして、そして社会的な勉強をしてきたということの方が多いように思う。そう考えれば、総合的な学習の時間は有効に使えば役に立つ。指導する人間の力量にかかっていることがやばい、のかなあ?

  • [ 内容 ]
    学力崩壊の実態とは?
    三年間にわたる各大学での数学力調査によって、多数の学生が小中学校レベルの問題にさえまともに答えられないことが実証された。
    「ゆとり教育」の結果、日本の大学生はアジアでも最低レベルになってしまった。
    そして新学習指導要領で小中学校の授業時間はさらに大幅に減ることになる。
    教育問題を論じる上で必読の書。

    [ 目次 ]
    第1章 私立文科系学生の数学力―一九九八年の調査から
    第2章 国立大学の文科系は大丈夫か
    第3章 国公立大学文科系と私立大学文科系―一九九九年の調査から
    第4章 理工系学部での数学力調査―二〇〇〇年の調査から
    第5章 数学力の国際比較―三年間の調査から
    第6章 大学院生の数学力
    第7章 教員養成系学部の学力調査
    第8章 学部全体で学力調査を実施した大学
    第9章 何が学力低下をもたらしたか

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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • トップレベルの国立大学の学生でも、小学生レベルの計算ができない人がいるというのに驚きました。
    習った内容が身に付かないまま卒業してしまうのは問題だなと思いました。

  • 図書館で借りた。

    大学生の数学の力を測った結果を分析している。

    数学だけで学力と言っていることに違和感を覚えた。
    ただ、本当に中国や韓国の留学生と比べても
    できが悪かったのだと改めて思った。

    数学を使いそうな経済学部でも数学を受験しないで
    入れることに驚いた。

  • よりによって私の苦手な数学を軸にした調査結果なので、かなりグサっときました。
    でも確かに中国や韓国の留学生の試験結果と日本人の試験結果のグラフを見ても、日本人の学力が落ちているのは明らかですね。
    文系だからって中学・高校レベルの数学もできないのはマズいですな。

  • 070702b

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著者プロフィール

慶應義塾大学経済学部教授
1959年 富山県生まれ。
1983年 東京大学理学部卒業。
1985年 東京大学大学院理学研究科数学専攻修士修了、同大学院より理学博士を取得。
1993年より慶應義塾大学経済学部助教授。
1998年より現職
日本数学会理事(2004~)、日本私立大学連盟教育研究委員会分科会委員(2002~)
主な著書
『分数ができない大学生』(東洋経済新報社、1999年)
『大学生の学力を診断する』(岩波新書、2001年)
共訳『デリバティブの数学入門』(共立出版、2002年)

「2004年 『アメリカの教育改革』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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