地域再生の条件 (岩波新書 新赤版 1059)

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  • / ISBN・EAN: 9784004310594

感想・レビュー・書評

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  • 2011.4.29 なぜ、地域が疲弊しているのか。地域活性化の成功例や地域再生の処方箋について書かれている。個人的には強く印象には残らなかった。 

  • 地域間格差は広がる一方で地域は再生できるのか。「地域を再生させるために第一に掲げるべき目標は、そこに住み、暮らす、すべての人々の人権が保障された地域をつくること」というのでは、あまりに岩波新書的。確かに国や自治体の政策の失敗もあるだろう。あるべき地域を目指して取り組み続けることも必要だ。
    でも、東京や大阪が崩壊して人々が地域に移ってこない限り地域の再生はないような気がする。

  • 地域再生の事例集みたいなもの。
    結構読みやすく、地域政策を学びやすい。

  • 正直この本を読むまで小泉内閣の三位一体改革をはじめとする近年の政府による地域政策が地域をこんなにも痛めつけているとは思ってませんでした。
    経済発展の段階で自然環境が破壊されまくってきたことは想像してましたけど。
    この本ではその中でも頑張って自立に向けて頑張ってる地域や、自然再生に取り組んだ地域などを例に地域再生の条件を論じている本です。
    経済・政治の地方化を考えたい私にとっては面白い本だったし、例としてあげられてる地域に足をはこんでみたいなぁと思いました。
    何か途上国の開発については勉強してきたけど、結局日本だろうとアフリカだろうと同じなんだなーと思いました。

  • 本書の中で筆者は「何のために地域再生をするのか?」と問いかけているけれど、本書の内容に対してもその言葉を投げかけたくなった。

    大型店が進出し商店街が衰退し、地域全体が衰退しきった後には大型店もいなくなってよりいっそう暮らしにくい町になる-
    田舎の川や、道路など自然がコンクリート漬けにされている-
    このように昔の活気ある都市や美しい自然がなくなるのは悲しいことだ-

    でも、それが地域再生の理由にはならない。
    2番目のことについて(は、地域住民からすればありがたいことじゃないなかと思いました。(農業後継者もいなくて使わなくなった用水路を整備することで、清掃管理なんかをする必要がなくなるから)

    それから住民主体が求められているけれど、今問題なのは「住民の主体性をどう育成するか、現在関心がない住民をどう巻き込んでいくか、また外部からも呼び込んでくるか」てことではないかと思いました。
    住民に主体性・積極性があることを前提としてはならない。

  • 本書は都市政策や国土・地域政策の専門家であり長く研究活動を行ってきた著者が自ら行った豊富な事例研究を基に「地域再生」について考察している一冊。

    著者が本書の課題として挙げるのは、タイトルにも表れているように地域再生の条件を探ることであるが、その前提としてまず、そもそも地域が衰退・荒廃するに至ったのは何故かという問題について、過去の地域政策や地域自らが実施してきた政策を反省しそこから教訓を得なければならないとする。

    この前提部分に関して筆者が強調的に述べるのが従来の国の地域政策の失敗であり、それは第一に国土計画の失敗であり、第二に第一次産業政策の失敗である。

    「国土の均衡ある発展」の名の下に地域の特性を無視した画一的な政策を取ってきたことが地域衰退の最大の原因であり、地域が自ら課題解決する姿勢を失った原因であるとする。

    この前提に立った上で、今後地域が再生していくために必要な原理・原則として筆者は4つを掲げる。それは
    ①全ての人々の人権が保障された地域であること、
    ②人々がその地域の仕事で生活しうることを再構築すること、
    ③自然と共生しうる地域を再生すること、
    ④国に主導されて地域を作り直すのではなく、そこに住む人々により再生を図ること、
    である。

    筆者はこの原理原則のうちで④が一番重要であり、住民の意識向上が地域再生最大の鍵であるとしている点は他の多くの議論と同様である。

    ただ、地域再生のための原理原則は全てを達成しなければ地域再生が成らないのではなく、地域の実情に合わせてプライオリティをつけることが肝要としている点はある程度現実的な感じを受けた。


    本書の後半に多く分量が割かれている事例紹介も上述の原理原則に従って章分けされているので、各人の関心によって読みやすいものとなっており、自身の問題関心を確認するのにはとても良かった。

  • 地域の活性化、そこにある資源を最大限生かし、かつそれが持続することだよね。これは地域経営ゼミでも言われたし、他のどの地域活性化の本を読んでも書いてあること。


    本書では、人権・地場産業・自然・脱横並び・住民主体…など様々な角度から、『地域再生』を試みた事例を紹介している。一般論→具体論って流れだからイメージがわきやすいかなぁ??


    特に『人権』という切り口から街を考えているところが、本書の特徴というか他ではあまり取り上げられていなかったから、興味深かったなぁ。
    医者のない地域に人は住めない。交通網が発達しなければ満足に医者にかかれないしね。


    そして地域再生っていうと、都市部の人間は他人事のように感じるかもしれない。…けどそうはいかないんだなー!都市部も問題なんだな。

    整理されていない路地裏は災害が起きたら非常に危険。
    東池袋が取り上げられていたけど、墨田区の北部もまさにそうだよね。

    ただ路地裏も地域コミュニティ形成には大きな役割を果たしたから、路地を壊せばいい、とは一概に言えないのだよね。

    地域活性化は何か考え出すと止まらない…

  •  以前に紹介した「地域の力」よりも、やや硬く書かれているけれど、この本も、論点は「地域再生」「地域活性化」など「地域をどうしていくか?」についいて、各地の事例を紹介しながら書かれている本。

     本書の題名になっている「地域再生」、正直、自分はあまりこの言葉が好きではない。トップダウンのようなニュアンス・響きを感じるから。どの地域だって、少なからず今よりも良くしようって取り組んでいるわけですから。

     自治体の事例として、一番の鍵だと思います。となると、本書で出てくるユニバーサルデザイン、地域資源、地場産業、地域のブランド化といった取組が紹介されている。ただ、本書の視点はどちらかというと、行政サイドの視点から見た新たな取組みであったり、既成概念にとらわれない取組みが主眼でかかれている。

     そういう取組を見ていて思うのは、 今の「地域再生」で行われている「地域から色々なメニューを出して下さい、補助金や新たな地域債を出しますから」というスタンスよりも、「地域自治体が頭や知恵を絞っているけれど、やろうと思っていることが実は国の制度的・法的な縛りがあってなかなか実行できないから、変えてください」といって、下から上に対する申し立てに対して、上が認めていく・緩和していく方が、よっぽどうまくいくんじゃないかと思う。

     本書で出ている事例を見ていると、「既成概念にとらわれない地域からのアイディア勝負」がこれからの自治体に問われていることのような気がしました。

  • 地域をいかに価値のあるものにするか。

    資源としての観光名所。
    資源としての名店・老舗。
    資源としての著名人。
    資源としての市民。

    県や市主導ではなく、
    商工会議所や商店街、組合などの地域市民主導で行うべき。

    行政に問題はたくさんあるし、改善すべき点が多いけれど、
    一番の急務は、地域としての教育。
    地域が好きになるような、
    自分自身が地域に魅力を感じれるような、
    そんな教育の必要性を感じた。

    本文では成功例や失敗例、時系列での行政の功績・負の遺産等・・・

    どうやって直せばいいか分からないものをこれ以上壊すのはやめましょう。

    共同体の再構築がこれから始まる。

  • つまんなかった。。(;´Д`)

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