ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書) (岩波新書 新赤版 1225)
- 岩波書店 (2010年1月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004312253
感想・レビュー・書評
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今までの内容は、具体的には理解していないながらも、なんとなく聞いたことのある話ばかりだったが、最後の裁判所の実態については、まったく初耳ばかりで、驚いた。もしかしたら私がカスタマーサービスと電話で話した相手は、囚人だったかもしれないなんて。このままアメリカが変わらないで行くと、金持ちと囚人だけしかいない国になってしまうかも? 暗澹とした気分になりました。
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堤未果著『ルポ貧困大国アメリカⅡ』
Category : 書評
堤未果著『ルポ貧困大国アメリカⅡ』 ともかくアメリカで市民の談話を収集。その情報収集力で公教育、社会保障、医療、刑務所労働を書く。
前の著書が「自然災害、肥満児童、医療難民、住宅ローンに「経済徴兵制をつなぐ『行きすぎた市場原理』というキーワード」と自ら書いている。
今回はオバマ政権後のアメリカの期待と挫折。元大統領の「君の主張は正論で私も同感だ。では、私がそれを実行できるよう君が動いてくれるかねー」。
日本のアメリカ化。日本の先が示されているようにも、読めるのであるが(岩波新書 20010年)。 -
2013.11.2読了。もやもや。自由主義を追求した結果のアメリカ。日本も後を追うようでならない。医療や福祉を企業が担うとこうなるのか。医療が商品となる。利益優先。薬の値上がりが止まらない。保険会社が病院を圧迫する。企業の大統領選挙における献金額がその後の政治を左右する。政治は献金額が大きい業界における規制緩和を進める。テレビ放送などのメディアの力が大きい。オバマ大統領の選挙活動はマーケティング大賞を受賞したことからもわかる。
じゃあ、日本はどうなのか。日本の現状をなにも知らないことに気づいた。日本の社会保障や政策について知る必要があると痛感。アメリカで起こることを他人事にしてはいけない。アメリカにもっと注意を向けたい。 -
前作同様、アメリカの中流階級がどの様に没落していくのか、その仕組みが具体的に描かれていた。TPPがよく取り沙汰されているが、本当にヤバいのはアメリカのむき出しの強欲資本主義が国境を超えて浸透してくる事だと改めて思った。最後の刑務所という名の巨大労働市場はまるでSF映画のような話だが、実際に起きている事だと思うとゾッとする。
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こんなアメリカを作ったのは、それでもアメリカ国民なのだ。
気づいた時には、もう遅い。
日本がこんな世の中にならない保証はない。 -
アメリカは恐ろしいです。
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世界は1%の持てる者と、99%の持たざる者に分かれる。グローバル企業とアメリカ政府の関係をしっかりと認識して、日本も世界も見ていかないといけない。重要な視点。
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この本もよかった、刑務所の話が特に。刑務所の存在は、連邦や州が直面する財政難の解決策に他ならないという。民営も、最近では政府経営の刑務所も、受刑者に対して受刑中の部屋代、食費等様々な経費負担を定めており、このほかにもたとえばカリフォルニア州法では薬物犯罪と窃盗と強盗で逮捕された全被告人に囚人積立金と法定手数料数万円の支払が義務付けられるそうだ。加えて利子と罰金併科。犯罪者が三度目の有罪判決を受けた場合に最後に犯した罪の重さに関係なく自動的に終身刑にするという州法もあるという。刑務所への投資は、”絶対空室の出ない不動産”という利益率が高いビジネスとして注目されているとのこと。。。受刑中にさらに借金漬けにして社会復帰を阻むシステムはどうみてもおかしい。アメリカの総人口は世界の5%だが囚人数は世界の25%を占めるという。なんてことだ。
どこかで市場経済に線を引かないと、こうなるのはいわば至極ありうる帰結なのかもしれない。こんなのいやだよー。 -
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アメリカ人が最低限不自由のない退職生活を二十年送るためには、少なくとも五十万ドル(五千万円)の資金が必要
アメリカ、アメリカ、アメリカ
いるとわからないけど、言われてみればみたいなところもあったり
国という巨大なモンスター
ドキュメンタリーみたいなはらはら感と読みやすや
にほんは、いまどうなっているんだろう
無関心はだめだなぁ
パナハッチェルで読む -
あまりの怖気に衝撃を受けて,続編も読了.これで,今話題の最新刊を読む権利を得た.にしても市場原理が教育や健康,戦争,刑務所にまで及び,経済的利益最優先になる状況に唖然とさせられる…