- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004312772
作品紹介・あらすじ
恐怖でがんじがらめの自由、負の連鎖にからめとられる公正、他人の心身までも規定してゆく多様性、空洞化してゆく民主主義…。建国の理念を生き抜こうとするアメリカ社会の足下で、さまざまな皮肉な"転倒状況"が起きている。この希有な社会で丹念にフィールドワークを重ねてきた著者が、その実像と向かう先を余すところなく検分する。
感想・レビュー・書評
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悪くはないが散漫。
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2016年のアメリカ大統領選挙に向けた運動が激しさを増しています。
本書はアメリカ研究者として著名な筆者が2009年のオバマ大統領就任後に執筆したもので、
現代アメリカが抱える様々な社会問題を大統領選挙や当時の政策との関わりから解き明かしています。
2010年秋に刊行された図書のため、若干古さを感じる部分もあるかもしれませんが、
オバマ政権を振り返るとともに、これからのアメリカを展望する意味でもおすすめの一冊です。
(ラーニング・アドバイザー/図情 KOMINAMI)
▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1384696 -
今日のアメリカの病巣の根深さ。ゲーテッド・コミュニティ、メガチャーチ。自己責任を強調する新自由主義。貧富の差の拡大。確かに、最下層に移民が続々と入ってきて、しかも独自の言語・文化を保持してアメリカに溶け込まず、社会の治安を脅かすとしたら。これらの人々を社会保障の下で手厚く救済すべきなのか、と考えると、小さな政府の下で自警する道を選びたくなる気持ちも分からなくはないなぁ。勝ち組の論理ではあるけれど。
後半でアメリカのもつ善なる部分の魅力、自浄作用についても語られているが、それでアメリカの抱える深い闇が振り払えるとはとても思えないなぁ。 -
つまらん。学者の書く文章。
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わたしにとっては非常に難しい本でしたが、諦めずに最後まで読んでよかったです。
オバマの話を軸にしつつ、現在のアメリカ社会のいい面も悪い面もしっかり描かれていてとても勉強になりました。 -
アメリカの政治背景の一端がわかりやすく説明されていました。
読みやすく面白かったです。 -
全体の印象として、(いい意味で)岩波新書っぽい本を読んだなぁと感じました。アメリカ社会の断面を、奥行きと歴史観を持った切り口で分析します。そして、それでも変化しながら前に進むところに、消えることのない小さな希望を見出していく。
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アメリカの二大政党制について。どちらもマジョリティの支持を得ようとするとき、大まかな主張は似通ってくる(どちらも、政策は中道化する)。しかし、選挙というイベントを勝ち抜くためには、対立点が明確な「文化的差異」が前面に出てくることになる。些末な「文化的差異」が、政権与党を決めるキャスティングボードを握るというこの不条理。日本の二大政党制も、ホント、些末な点に拘泥したし、そう、あの大正デモクラシーの末期も同じだったのかも・・・その混乱の中で、最終解決を与えられるのは軍部だけだとなる。ナポレオン登場と同じ構図が繰り返された、と。理念先行のデモクラシーが陥る構図なのかもしれない。軍部のような絶対的な力がない、現代の日本では、どうすればよいのか?絶対的な、「空気」を作ったものの勝ちか?
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アメリカのデモクラシーというのが民主主義を阻害するという・・・
何とも皮肉・・・だけどこの国は自己批判を通じて改革できる能力がある。 -
父親から渡された本。
整然としていて読みやすい。良書。
あとがきに懐かしいひとの名前あり。