- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004313076
感想・レビュー・書評
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ネットの利用状況ではなく、ネットによって政治がどのように変わってくる可能性があるかということを書いたものである。長春で共産党軍の封鎖で何十万人もの餓死者が出たという話は日本ではほとんどされてこなかったと思う。
中国の政治とネットの関係を描いたわかりやすい本である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
非常にわかりやすかった。中国通でありながら、ネットに詳しい方というのは、珍しい存在ではなかろうか。
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【読みやすい新書】
中国語で「谷歌」はGoogle、「博客」はブログ、「網民」はネットユーザーのことを意味する。ネット市民は4.5億人にまで達し、若者がその6割を占めている。中国でのネット言論と民主化の関係がよく分かる。 -
ネット空間は官と民のネットパワーの攻防戦の様相を呈している。中国の憲法では言論の自由がうたわれている。
しかし現実的にはそれは政府を礼賛し共産党を讃える自由である。
グーグルが中国から撤退したことは大きな痛手となった。
携帯電話からインターネットにアクセスするのは3.3億人で全体の62%。
中国大陸のネット空間はGFW、Great Fire Wallと呼ばれている。
ソ連崩壊から中国が学んだのは社会主義国家体制を維持するためには経済強国にならなければならない、ということ。でももう中国は世界2位の経済大国になった。 -
中国の事情がとてもよくわかった。北アフリカ、中東などの独裁国家ではないということ。ですから、網民が炎上してもそのまま革命にはいたらないこと。中国をもっと正確に理解しなければならないなと強く感じました。
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著者ご自身の幼少期の中国体験、それもかなり過酷な体験があるにもかかわらず、新中国成立時の期待と興奮をも体感しているためなのか、客観的な中にも暖かく中国の行く末を見守ろうという態度が見て取れます。そこに時々甘さを感じたりもしますが、現実問題としては著者の見立てのように中国が進んでくれないと、日本も隣国として大きな影響を被りそうです。