タックス・ヘイブン――逃げていく税金 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314172

感想・レビュー・書評

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  • タックス・ヘイブンのあまりの酷さに愕然。米国,英国の独り善がりにも驚いた。
    グリードな人々とマネーによって世の中がとんでもない状態にされているが,なんともならないんだ。

  • 一つ思考実験をしてみよう。ある日突然100億円の遺産を相続することとなった。6億円超の税率は55%で控除額を合わせても50%前後は失ってしまう。さて、あなたはどうするか? 当然、弁護士・税理士に相談することだろう。で、財団法人の設立となる。資産家が経営者や政治家であるのには理由がある。相続税の回避だ。株式会社や政治資金団体というトンネルを通して彼らは甘い汁を吸い続ける。
    https://sessendo.blogspot.jp/2016/07/1.html

  • タックス・ヘイブンとは何か。タックス・ヘイブンがどのように利用されているか。タックス・ヘイブンはなぜ害悪か。これらの点を解説してるのだが、専門用語が多く金融に明るくない自分には難しい…。
    グローバル経済の危うさと国民国家の限界について考えさせられる。

  • 富裕層の租税回避で一番負担が重いのは中間層である。
    脱税、租税回避対策が今後重要な施策とすべきなのだろう。でも、選挙の争点にはあまりなっていないようだ。

  •  魑魅魍魎。税を逃れようとする資本家と、多分それでもいいと思っている多数の政治家、官僚。これは、「思想」の問題か? 

     資本主義も民主主義も「公平」なルールに基づいて運用されているという了解のもとにあるから、その結果としてある程度の不平等や自分の思いとは異なる主張や制度も受け入れざるを得ない、というのが現在社会の基本的な「了解」ごとなんだろう。しかし、「公平」なルールに基づいてないとしたら・・。
     情報とヒト・モノ・カネの移動が国境を簡単に越えていくようになった現在、そしてそれはテクノロジーの発達とともに人間の本性としても不可逆的な動きであることはおそらく明らかで、だからすべての仕組み・制度がグローバルに対応することを始めないと、そこに「公平」はなくなってくる。「了解」ができないことになり、紛争の種が撒かれていく。もうすでに、種は発芽し、次第に大きくなっている。そんなことを考えさせられた本であった。

  • マネーが暴走するグローバル経済の中で世界中がシティズンシップ課税を導入し、真面目な納税者が泣きをみることのないような世界を実現したい

  • 2016/5/16

  • 2016年5月10日午前1時読了。
    この日午前3時に世界最大規模のリーク情報と言われている「パナマ文書」の公開日だった。
    タイミングがぴったり合ってビックリ!
    タックスヘイブン&オフショアの仕組みがよく分かる最良の書籍だと感じた。
    著者の経歴・経験もワールドワイドかつ冒険小説が書けるようなもので驚いた。
    まさに「正確な知識と豊富な実体験をもってタックスヘイブンの実像を語れる人間は世界中探してもあなたの他に誰もいない。」と言われるだけはあると思った。
    パナマ文書に興味を持った人はぜひ読むことをおすすめします。
    唯一残念なのは、著者の志賀櫻さんが昨年の12月20日に死去していること。
    現在、日本で世界でタックスヘイブン問題について最も必要とされている人物がいないのはとても残念だ。
    草葉の陰でパナマ文書問題のことをどう思っているのだろうか・・・・

  • 書評に採り上げられていたから読んでみたのだが、残念な一冊だった。国際的に認識されているタックス・ヘイブンが何なのかぐらいは分かるんだけど、肝心のタックス・ヘイブンの仕組みの説明は専門用語で済ます程度で不親切、ある程度金融や歴史に関して知識がないと詳細は理解が出来ない。やたらと「筆者は・・のトップであったが」みたいな余計で嫌みな文章が入り込んできて不愉快極まりない。新書でこんな嫌みな文章は初めて読んだ気がする。さすが、東大法学部卒で大蔵省に入省したエリート。タックス・ヘイブンに関して知りたいから読んでいるのに、単に作者のお偉い経歴や自慢話・武勇伝のような話が満載。知りたいのはタックス・ヘイブンに関してであって、あんたの自慢話ではない!と言いたくなる。タックス・ヘイブンに関しては全体の三分の一ぐらいで、しかも筆者が関わった国際機関とか法制とかの紹介が大半。

  • タックス・ヘイブンについて、数々の国際間の実務経験に基づく内容が、歯切れの良い文章で、分かりやすく説明されている。

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