- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004319917
作品紹介・あらすじ
フレーゲからラッセル、そしてウィトゲンシュタインへ――二十世紀初頭、言葉についての問いと答えが重なりあい、つながりあっていった。天才たちの挑戦は言語哲学の源流を形作っていく。その問いを引き受け、著者も根本に向かって一歩一歩考え続ける。読めばきっとあなたも一緒に考えたくなる。とびきり楽しい言葉の哲学。
感想・レビュー・書評
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フレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインという3人の天才哲学者の考えを、わかりやすい例えを使って記されている。
とにかく面白い。
著者と一緒に3人の哲学者の考えを、体感できたような気になる。きっと隅々までわかったわけではないと思う。
でも哲学が言葉を使ってなされる時に、どうしてもぶつかる様々な事柄を乗り越えていくことを、まるで自分自信でしている錯覚に陥るような気にさせられる。
最後のウィトゲンシュタインの言葉、
「言葉はただ生の流れの中でのみ意味をもつ。」
は、読後の興奮した心に染み入るようだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いわばウィトゲンシュタインのファンブック。
著者はフレーゲやラッセルは批判するのにウィトゲンシュタインは批判しない。
しかし、読者を言語哲学へ誘う役割は十分に果たしていると思う。読んでいてもどかしさが半端ないからだ。巻末には読書案内があるので参考になる。 -
フレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインの議論をもとに、言語哲学について論じている。
新たな意味を持った文を無限に作り出せるのはなぜかの問から、言語で何が指示されているのか等の議論が展開された。
可能性のある事態は無限にあって、それを示す語の組み合わせは無限。でも、そのなかで実現している事実は限られているみたいなことが最後の方で書かれていたような。
ゆっくり議論を進めていてわかりやすかったけど、理解するにはもう何度か読む必要がありそう。 -
言語哲学入門。
ちぃっと時間かけないと難解な話なのでいつか読み切りたい。 -
内容自体が難解なんだろうけど、もう少しわかりやすく説明できたのではないか…と思います。
読者に語りかけながら説明する口語文体なのは読むハードルを下げてるのだろうけど、それを意識にしすぎて全体的に余計な言葉が多いというか…。説明を丁寧にしようとしすぎてかえってまどろっこしいと感じてしまいました。
必ずしも言葉を足すことが丁寧な説明になるとは限らなくて、むしろ短く端的に説明する方が理解しやすい場合もあるということを示す良い例ですね。
書かれていること自体は面白かったです。
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著者は言語哲学の入門として書いておらず、面白かった話を他者にもしたくて書いた、としています。そういう意味で成功していると思う。
私はウィトゲンシュタインの論考と探求の違いに興味があったのでとても良かった。あと、全体論的言語観に興味を持った。言語習得論とのからみも面白そう。 -
人と人が言葉を使って何かを為そうとするときに、お願いしたにもかかわらず、相手の仕事の優先順位に疑問を感じることが多々ありますが、理解してもらえないと嘆く前にまず自分の言葉の働きを深掘りしていくほうが解決しそうです。
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京都府立大学附属図書館OPAC↓
https://opacs.pref.kyoto.lg.jp/opac/volume/1280578?locate=ja&target=l? -
『言語学の教室』が面白かったので、わくわくしながら本を手に取りました。
言語哲学に興味はあるものの、分厚くていかにも難しそうな入門書と戦う勇気はない……でも気になる!という私の好奇心を満たしてくれる1冊でした。
難しいところもありましたが、野矢先生の優しい語り口調のおかげで、ついていきやすかったです。
あとがきで、おすすめの本を挙げてくださっているのもありがたいです。読んでいこうと思います! -
【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/569184