豊かさのゆくえ: 21世紀の日本 (岩波ジュニア新書 173)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005001736

作品紹介・あらすじ

80年代末、日本は世界一のお金持ちになりました。しかし土地・住宅の高騰などから豊かさの実感はいま一つです。貿易不均衡の是正、外国人労働者の受入れなど解決すべき対外問題目白押し。21世紀に向けて、どのような豊かさを追求していけばよいのか。若い世代に日本の進路と課題を明らかにします。

感想・レビュー・書評

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  • 「豊かさってなんなのさ?」という本。物質的な豊かさが精神的な豊かさに結びつかないことを主張していた記憶…

    以下この本とは関係ない話
    ちなみにある程度以上になれば経済的な報酬の量は幸福度に相関がないという心理学の研究報告があるというのは読んだことがある。宝くじにあたったあとの人たちの幸福度を追跡調査したら、むしろ悪化していたという話も。

  • ○オイル・ショックのころ、かつてのスーパー秀才たちは、働き盛りの三十歳前後の技術者になっていました。彼らスーパー秀才たちが、生来の豊かな知恵をふんだんにしぼってくれたからこそ、日本はオイル・ショックをみごとに乗り切り、「豊か」な経済大国になることができたのです。(44p)

    ○私たち国民の一人一人が、どういう社会が望ましいのか、自分にとっての利害と他人の利害をどう調和させればよいのかについて、はっきりとした見解をもつことが大切なのです。(110p)

    ○いずれにせよ二十一世紀へむけてのメッセージのキーワードとなるのは、「公正」と「共存」の二つではないでしょうか。強者と弱者、富者と貧者、富国と貧国が「共存」できる社会の構築こそが、二十一世紀の主役である君たちに課せられた課題なのです。(180p)

    ★これまでの日本経済の軌跡とこれからの課題がわかりやすくまとめられている。ただし、出版されたのは1990年。「バブル」という言葉もまだ使われていない。しかし日本と近隣アジア諸国の製造業の状況はしっかりと予言されている。この本の現代版が読みたい。

  • 青少年向けの新書だけあって、わかりやすかった。バブル崩壊の1990年に出版。ということは、世間が浮かれていたバブル期の最中に著者は「本当の豊かさ」について考えていたわけで、そう思うと広い知見に頭が下がる思い。
    残念ながら東京一極集中、教育制度、政治のあり方などなど20年経った今も未解決であるということ。
    自分も青少年である時にこうゆう本を読んでおけばよかった。少しは人生が違っていたかもしれない。

  • もう少し簡単な話でもよいのかもしれない。
    豊かさしか味わっていない子供がいる。
    豊かさしか味わっていないこともには、豊かであるという概念は伝わらないかもしれない。
    言葉では、伝えられないし、分からないかもしれない。
    豊かでない人が、直接話しをしないで伝わることの方が怖いかもしれない。

    豊かでない家庭もある。
    豊かでない現実をどのように考えるとよいかの助け舟があるとよいかもしれない。

  • [ 内容 ]
    80年代末、日本は世界一のお金持ちになりました。
    しかし土地・住宅の高騰などから豊かさの実感はいま一つです。
    貿易不均衡の是正、外国人労働者の受入れなど解決すべき対外問題目白押し。
    21世紀に向けて、どのような豊かさを追求していけばよいのか。
    若い世代に日本の進路と課題を明らかにします。

    [ 目次 ]
    1 これまでの豊かさ(「経済大国」日本;金満大国日本;貿易黒字国日本への批判;豊かさの軌跡;マネーの時代;日本の技術力;摩擦の火種となった「文化」)
    2 豊かさのなかの貧困(東京一極集中のもたらす弊害;ひろがる東京国と地方国の格差;資産格差の拡大;自由と民主主義;残された「貧しさ」)
    3 これからの豊かさ(仕事と余暇;「豊かな社会」の教育とは;国際化時代の豊かさ;高齢化社会の到来;「豊かさ」のゆくえ;公正な社会をめざして)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 高校の授業で買った本。分かりやすいし読みやすかった。初版は1990年。

  • 【内容】

    日本がなぜこのような豊かな国になったのか。

    それは高度経済成長によるものであることはもちろんのこと、日本が対米貿易などで黒字の立場にい続けたことによる。

    他にも日本がいかに他の国から不平等に扱われているかや、学園闘争の経緯など、初心者にもわかりやすく説明されている。

    これからの日本を考える上で、この本の事項は必須であると思われる。



    【感想】

    「世界規模で日本を考える」なんてことは今までにしたことはありませんでした。

    以前私の高校に秋山仁さんが講演にいらしたとき「貧しい国に行ってごらん、それから君は変わるから。」と仰っており、精神的に貧しくなっている(?)私たちにとっては日本の立場が世界的にどのようであるかを知ってこれからどうすべきかを考えなくてはいけないと思っているところでした。

    この本は、バブル崩壊直前に執筆されたものなので、ある意味ハッピーエンドで終わっているところが特徴的です。

  • 今の世の中を予言してたのね!

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著者プロフィール

滋賀大学前学長。京都大学名誉教授。専攻は計量経済学、エネルギー・環境経済学。
『経済学とは何だろうか』(岩波書店)、『佐和教授はじめての経済講義』(日本経済新聞社)、『レモンをお金に変える法』(翻訳、河出書房)など、著書多数。

「2020年 『12歳の少女が見つけたお金のしくみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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