スポーツ科学の教科書――強くなる・うまくなる近道 (岩波ジュニア新書)
- 岩波書店 (2011年12月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005007028
作品紹介・あらすじ
スポーツ競技で、より強く・うまくなるためにはどうしたら良いのでしょうか?運動生理学、機能解剖学、スポーツバイオメカニクス、トレーニング科学、スポーツ栄養学、健康科学の観点から、スポーツの現場で生じる疑問に一問一答式で答え、わかりやすく解説します。
感想・レビュー・書評
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運動には様々なメリットがあることを再確認できた
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この間読んだ「呼吸の科学」の時も感じたが、「科学」を学ぶことで読者が求めるものと、実際に「科学」が利益をもたらしてくれることの間にギャップがあると思う。
例えば太極拳をやるときに、科学的にはこんな風に動くとよい、ということを読んだとしても、直ちに太極拳のパフォーマンスが上がるわけではない。まず、「読んだ」と「理解する」に大きな差がある。「読んだ」だけで応用できるほど理解できると思うのは大きな間違いだと思う。
「理解する」に当たって、自分の経験、主観に頼ってしまいがちだということもある。自分が今まで思ってきたことの後ろ盾として「科学」を自分の都合の良いように解釈してしまうこともあると思う。
さて、この「スポーツ科学の教科書」は、そういった意味で、すぐに太極拳に応用ができる内容はあまり見つからなかった。あまり多くを求めず、運動を行っていくうえで知っておいた方がいい知識を手に入れる、ぐらいの軽い気持ちで読むには読みやすい本だと思う。
自分が太極拳に応用してみたいと思ったのは、「ボールは足で投げるってホント?:腰の回転を腕の振りに伝える『うねり動作』」という項目。うねり動作を取り入れようとは思わなかったけど、この説明の中に、ボールを投げる動作の中に、「踏み込み脚のブレーキ」という動きの説明があった。
目の前の相手を「按」で押すときに、踏み込み脚が弱いと、前につんのめってしまうこともあると思う。前に出ている足でブレーキがかかるぐらいしっかりと踏み込むことで、上半身および肩から先はさらにスピードを増して前に押し出せるのではないかと感じた。
師匠にも、力は脚からうまれる、ということを前から何度も言われている。この辺りにヒントがあるのではないかと思った。
色々な本を読むことで、ふと向上のためのヒントを得られることはある。ただ、ヒントを探して、それを求めての読書は、期待を裏切られた感だけが残ることもあると思う。まさに「欲」を捨てる必要があるのではないだろうか。 -
学生時代も大人になってからも体育の授業以外はほぼ全くスポーツをしてこなかった30代女性が、医師のすすめで体力づくりの羽目にランニングと筋トレを始める羽目になりました。
トレーニングをより効率的に進めるために手に取ったのがこの本です。
この本、名前は「ジュニア新書」ですが、大人が読んでもとても役に立ちます。むしろ大人にも少し難しいぐらいの記述もあります。
マラソン、野球、陸上、格闘技など様々な競技のアスリート向けに書かれているようで、本書の内容を隅まで一字一句理解しようとするのはスポーツ初心者には厳しいです。筋肉の部位名称のほか、力学(テコの原理など)や生物(ATPの再合成など)などの知識も必要となります。
しかし、この本は一問一答式で書かれているため、自分に必要な部分だけ飛ばし読みすることが容易になっています。
わたしのようなランニング・筋トレ初心者におすすめの章・節をブログにまとめました。→https://yulinyuletide.hatenablog.jp/entry/2019/07/18/sport-science-textbook
特に1章6.はランニング(ジョギング)、4章1.は筋トレの方法の基本が書かれてあり必読と言えます。
この本のおかげで、体調のすぐれない時期もジョギングだけは続けてみるなど、少しは効率的にトレーニングができているように思います。
初心者の皆さん、この本を読んでトレーニングをして一緒に健康になりましょう! -
入門書としては面白いが、ちと薄いかな。
ゴルフが上手くなりたいオッサンですが、少しは上達のヒントになるかと思い読んでみました。
筋トレや持久力やブロテインの話は面白かった。
あと早いボールを投げるには、肩のスイングより捻りが大事ってあたりは参考になりました。
日本のゴルフって、本や雑誌やビデオやら沢山出てるワリに科学的アプローチの本がないんだよな〜。
この本はスポーツ科学のとっかかりとしてはイイと思いますが、大人の読む本としてはもう少し突っ込んだ話が欲しかった。
結構面白いので、このジャンルをもう少し探してみようかな。
タイトルにピンときたは人は読んで見る価値あるかも。
まぁまぁです。 -
トレーニングや健康のための調整などの方法がなぜ良いのかを理解するための一歩につながる
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S780.19-ジユ-702 300361649
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・遅筋→赤筋→マグロ
・速筋→白筋→カレイ
・筋肉の質は生まれながらほぼ決まっている。
・安静時→糖質と脂肪の燃焼の割合→半々くらい
・軽く息が上がるくらいから、糖質の利用率があがる。
・高強度→ほぼ100%糖質利用
・つまり、おしゃべりできるくらいのジョギングが理想
・運動時間は長いほうが、脂質の利用率があがる。
・高強度運動は、運動後の脂質利用が増す。
・つまり、最後ダッシュ→歩くは理にかなっている❔
・立ちくらみ→ふくらはぎマッサージ。足をあげる。
・お酒の席で立てなくなるのも同様の方法で対処する。
・バネの強化→連続ジャンプで前に進むホッピング、
バウンディング(走る動きでジャンプ)
・足を速くするには→股関節周辺の筋肉が重要。
・トレーニングは→股関節スクワット、脚上げ腹筋レッグレイズ。
・スタートダッシュ強化→つま先立ちカーフレイズ。 -
780.19 タ 登録番号8760
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これは面白い一冊!「火事場の馬鹿力って本当にあるの?」「走り幅跳びの時、空中で手をくるくるまわすのはなぜ?」「インナーマッスルって何?」など、スポーツに関する様々な疑問点を手がかりに、人間の身体の仕組みを説明していく本。「あ、これ良く聞くけど理由がわかってなかったな」と思うトピックがたくさんあるし、中には自分が勝手に信じてた迷信(「サウナ―スーツを着て汗をかくと痩せる」など)が実は間違っていた!というのもあり、いずれにも明確な理由が述べられていて、そのトピックへの興味がわいてくる。とにかく、個々のトピックが興味深い。この本の良さは、なによりもまずそれだと思う。
「運動生理学」「機能解剖学」「トレーニング科学」「スポーツ栄養学」など、全部で6つの観点から整理されていて、一つのトピックにつき2ページから長くても6ページくらいなので、どこからでも読むことができるのもいいところ。いい意味で「入門書らしい入門書」。特にスポーツや運動部をやっている中高生にとっては、ためになる内容ばかり。理論面から自分の運動や生活をチェックするのに興味がある生徒にはお薦めの一冊だ。