振仮名の歴史 (岩波現代文庫 文芸 318)

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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006023188

作品紹介・あらすじ

日本語が漢字と仮名とを使い始めた時に、「振仮名の歴史」が始まった! 表意文字と表音文字という2つの文字種、中国語と日本語という2つの言語、「2つの2」によって振仮名が成り立つ。平安時代から現代まで、脈々と続く振仮名の歴史を辿りながら、日本語の多様性を浮かび上がらせた名著に書き下ろしの補章を加え、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 『振仮名の歴史』 (集英社新書) - HONZ
    https://honz.jp/articles/-/1709

    振仮名の歴史 今野 真二(著) - 集英社 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784087205015

    振仮名の歴史 - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b498669.html

  • 個人的には、明治初期の右振仮名と左振仮名というのが面白くて、僭越ながら、著者には、このテーマに絞ってもう一冊書いて欲しい…と思ったりしています。

  • 漱石の小説が東と西で違うものになっていたというのは面白い。

  • 「ふりがな」と言いましても難しい漢字に
    カナを振るだけのことではないです。

    最近では歌詞などで例えば「瞬間」を「と
    き」と歌うものが多いのはご存知と思いま
    す。

    この本ではサザンオールスターズの歌詞を
    至近な例として頻繁に取り上げています。

    「素敵な夢を叶えましょう」という曲には
    こういう下りがあります。

    「”あるがままに”と歌えし偉人がいて・・」
    の”あるがままに”に「Let it be」と振り仮
    名がつけられているのです。

    これは言葉としては「あるがまま」ですが
    意味はこうですよ。という注釈のような役
    割を持たせています。

    実はこのような役割を持たせた振り仮名は
    古くから存在しているそうです。その振り
    仮名の歴史と使い方を学べる一冊です。

  • 振仮名について「読みの難しい感じに読み仮名を付ける」という役割しか考えたことがなかった。ある意味でこの思い込みは自然だろう(と正当化しておく)。新聞や本では振仮名を滅多に見かけない一方、読者として子どもが想定されるマンガ本の類では頻繁にお目にかかる。けれども振仮名とはそんな単純なものではなかったらしい。「表現としての振仮名」について読んで、確かにそうだなと思う。

    現在は使用する漢字を原則として当用漢字に制限し、誰もがその字を読めることを前提として振仮名を付けない。これが一般的な書き方である(201頁)。この「原則」が振仮名に表現力を持たせられることに、本書を読んで気付いた。

    本書は図版が多いのも読んでいて楽しい。例えば室町時代の辞書『節用集』(74頁)。これを見ると、大昔から日本語は基本的に同じなのだなと少し驚く(確か阿刀田高が何かのエッセイでやはりそんなことを書いていた気がする)。

  • かなりの昔からふりがなというものは存在し、ほぼ全ての漢字にふりがなが振られている画像が存在して掲載されているのはビックリした。

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著者プロフィール

1958年、鎌倉市に生まれる。早稲田大学大学院博士課程後期退学、高知大学助教授を経て、清泉女子大学文学部教授。専攻は日本語学。
著書に、『仮名表記論攷』(清文堂出版、2001年、第三十回金田一京助博士記念賞受賞)、『文献から読み解く日本語の歴史』(笠間書院、2005年)、『消された漱石』(笠間書院、2008年)、『文献日本語学』(港の人、2009年)、『振仮名の歴史』(集英社新書、2009年)、『大山祇神社連歌の国語学的研究』(清文堂出版、2009年)、『日本語学講座』(清文堂出版、全10巻、2010-2015年)、『漢語辞書論攷』(港の人、2011年)、『ボール表紙本と明治の日本語』(港の人、2012年)、『百年前の日本語』(岩波新書、2012年)、『正書法のない日本語[そうだったんだ!日本語]』(岩波書店、2013年)、『漢字からみた日本語の歴史』(ちくまプリマー新書、2013年)、『常識では読めない漢字』(すばる舎、2013年)、『『言海』と明治の日本語』(港の人、2013年)、『辞書からみた日本語の歴史』(ちくまプリマー新書、2014年)、『辞書をよむ』(平凡社新書、2014年)、『かなづかいの歴史』(中公新書、2014年)、『日本語のミッシング・リンク』(新潮選書、2014年)、『日本語の近代』(ちくま新書、2014年)、『日本語の考古学』(岩波新書、2014年)、『「言海」を読む』(角川選書、2014年)、『図説日本語の歴史[ふくろうの本]』(河出書房新社、2015年)、『戦国の日本語』(河出ブックス、2015年)、『超明解!国語辞典』(文春新書、2015年)、『盗作の言語学』(集英社新書、2015年)、『常用漢字の歴史』(中公新書、2015年)、『仮名遣書論攷』(和泉書院、2016年)、『漢和辞典の謎』(光文社新書、2016年)、『リメイクの日本文学史』(平凡社新書、2016年)、『ことばあそびの歴史』(河出ブックス、2016年)、『学校では教えてくれないゆかいな日本語[14歳の世渡り術]』(河出書房新社、2016年)、『北原白秋』(岩波新書、2017年)などがある。

「2017年 『かなづかい研究の軌跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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