平成猿蟹合戦図

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 251
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  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022508928

感想・レビュー・書評

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  • おもしろかった!
    さすが!
    いろんな人との繋がりとか力関係とか思惑とか…
    絡み合って 読む手を止めたくなかった!

  • さすが、実力のある作者だけあって、様々な登場人物達の視線から物語が絡み合いながら展開するという構造。で、その話を引っぱる主だった登場人物がなんと8人(美月、朋生、純平、友香、湊、美姫、夕子、サワ、っだったよね?)
    それぞれが色々な思い、出会い、出来事を経ながら不思議と繫がり、終盤にすんごい事をやってしまいます。読んでる方もビックリ。「この話を、まさかそうしちゃうなんて。思ってもみなかったわ!」と強く感じました。

    最終的には読者のヨミ通りに落ち着いて、出来すぎな感はあるのですが、その出来すぎ感から見え隠れするのが、よくある筆者の自己陶酔や読者への媚では無く、この物語で「スカッと」して貰う事のみを狙ってるという気がして、二重三重に上手いなぁと思いました。なるほどね、猿蟹合戦図。

  • 展開も物語もよく練られていて、すごく面白い。

  • ひき逃げ事件をきっかけに、歌舞伎町の元バーテンダーが衆議院選挙に!?
    疲弊した地方と猥雑な都会を背景に、無関係だった人々が選挙を通じて集結してゆき・・・
    やがて大団円に、読後すっきりの傑作!

  • 長崎の五島列島から、東京、秋田へと舞台が広がります。
    主役級の登場人物たちが多く、意識が分散しそうですが、上手く絡んで、ラストを飾ってくれます。

    子連れのホステスが、夫を探すために地元を離れ、東京・歌舞伎町で途方に暮れる場面からのスタートです。
    その段階で、「その夫、どうしようもない奴!」って思うのですが、案外誠実なところもあって…

    そんなスタートからどんどん思いもよらない展開になっていきます。
    最後まで目が離せなくて、一気読みでした。

  • 猿蟹合戦ってどんな話だか思い出せなくて
    全部読み終わってから検索したけど
    なるほど、そういうことね

    水商売とヤクザと政治ていう
    ドロドロの世界を「復讐」を中心に描いているのに
    重くなりすぎていないのは、
    やっぱり出てくる人たちの心根が優しくて
    情に厚かったりするからでしょう
    長崎と秋田の訛りのせりふも
    歌舞伎町のシーンを和ませている

    最初の方の今にもくずれそうなそれぞれの生き方が
    選挙というひとつの方向にだんだん導かれていく

    それぞれに訳ありな人たちどうしの
    シンパシーが鍵だったりして、それにも少しグッときたり

    最後までハラハラさせられましたが、
    「悪人」に続く読み応えに大満足です

  • すっかり内容忘れてての再読。オモシロ‼︎
    結果的にいい人が報われるって事…かな⁈ この場合。悪もきちんと脇役的に描かれてあっていっぱい凹んだ気持ちにもなるんだけど、やっぱ 自分の根に素直に、でもそれだけでは相乗しにくいから いい人がいい方の欲ベクトルを示しあっていけば‼︎ そんなカンジ。歳くってもサワさんみたいにクリアなアタマであってほしいと願うばかり。も1つ。人の魅力で地方が盛り上がるってカッコイイかも!


    2011年11月20日mixiから移植

    オモシれー!
    細かくワクワクってカンジ!

    小さな山がいくつか続いていくカンジで
    小間切れなカンジが
    本のまだこんなとこだけど、
    最後どうなんのよ!?って思いが
    途中とちゅう、結構ありました。

    政治ってリーダーだけが優秀だけでなく
    一般ピーポーが発揮しなきゃ
    ダメなんじゃない!?
    って。
    でも、一般ピーポーを動かす
    人は必要なんだけどね。
    純平みたいな彼と
    夕子さんみたいなヘッドの党なら
    1票かな。

  • 歌舞伎町のバーテンダーが轢き逃げ事件を目撃して脅迫したところから国会議員になるまでのそのまわりにまつわる話。

  • 歌舞伎町のバーテンが国会議員になるまでのシンデレラストーリー。上手くいきすぎだけど、お話なんだからそれでよし。てか、刑務所のオジサンを救ってほしかったんだけど、誰よりも先に。

  • だらしないホストまがいの男があれよあれよと流されていく様が面白い。

    嘘みたいな不幸から、偶然や人の思惑が複雑な歯車になって、さいごにはみんな大成できる、自分なりの最上の幸せを手に入れられているのがいい。こういうハッピーエンドもいいと思う。

著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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