記者のち医者ときどき患者

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著者 : 九鬼伸夫
  • 朝日新聞社 (1999年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022574268

記者のち医者ときどき患者の感想・レビュー・書評

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  •  医療について執筆した記者の本を読みたいと思い手に取った。
     著者は大学卒業後に一度新聞社に記者として就職して11年目に退社、翌年医学部に再入学したとのこと。内容のほとんどは記者を辞めてからのエピソードであった。
     さすが元記者(?)と思ったのが、「UFO」というエピソードである。医学部受験時の小論文がUFOの存在の肯定派と否定派それぞれに対して反論せよという論題であったそうで、著者の記載した反論どちらにも思わず納得してしまった(本来“どちらにも”納得するのはあり得ないのだが)。
     それとは逆に記者“らしくない”と感じたのが、情景描写の“多彩さ”である。私の中に記者は真実を伝えるべきという偏った考えがあったためだ。しかし、あとがきで、
    “記者のようにはなるたけ書きたくなかった”
    とか
    “自分の感情や感覚に忠実に、言葉にしてみたかった”
    といった記載があるので、私の違和感はまさに著者の意図通りであったということだろう。
    “私にしみこんだ「記者」はそれでもあちこちに顔を出してしまった”
    という思いも含めて。

  • 新聞記者を辞めて医学部に進み、漢方医になった方のエッセイ。書かれたのは、医学部を卒業して5年も経っていない頃。

  • 35歳で新聞記者を辞め、42歳で医者になった九鬼伸夫さんのエッセイ。遠い存在のように感じた医者と言う職業がすごく身近に感じられた。「ブラックジャックによろしく」のように医学界の奥底をえぐっていくようなものではなく、本人も言っているように、あくまで自分の身辺のことを書き綴っている。

    しかし、元記者・今医者という立場そのものが希少であるため、彼の身辺を綴っただけでも十分楽しめる。また元記者だけあって文章が非常にうまく、読む者をぐいぐいと惹きこんでいく。僕は一日で読み終えてしまった。家族に対する、優しい視線も微笑ましい。彼の人柄が十分すぎるほど伝わってくる、爽やかで心温まるエッセイだ。
    (2006年09月22日)

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