1945年のクリスマス 日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝 (朝日文庫)
- 朝日新聞出版 (2016年6月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022618573
感想・レビュー・書評
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十年くらい前に購入してずっと背表紙を眺めてきたが、やっと読むことができた。もしベアテさんがいなかったら、日本の今はどうなっていただろう。特に女性の人権に関してはイスラム系の国に似たり寄ったりだったのではと思う。
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かなり以前に右派のYoutuberが、日本国憲法は短期間に素人の若い女性なども絡みながら突貫で作った欠陥の多い憲法だ、みたいなことを言っていた記憶があるが、その若い女性であるベアテ・シロタ・ゴートンさんの自伝がこの本である。
そのYoutuberも人伝てで聞いたのであろう。
確かにそういう面はあるのかも知れないがだからなんなのだということである。
シロタさんが関わった部分は男女平等の話であり、そのことについては別に否定すべきところは無く、まあアメリカの憲法にはそっけなくしか書かれていないところに日本国憲法はそのことが書かれているというのだからそれはそれで良いことだと思った。
本はシロタさんの生い立ちから憲法公布までの話は興味を持って読んだが、そのあとのアジアの文化交流などの話は蛇足である。 -
大学の講義にて、参考文献として一部取り上げられたことをきっかけに興味を持ち、講義外で完読。
当時のベアテさんと同い年の私。
GHQの目上の男性たちと肩を並べて、たくましく奮闘する姿にとても感動した。
“女性”という性で日本に生まれ、今を生きる私にとって、「日本国憲法」「人権」「女性」等について学び、社会の一つひとつの問題に対し意思を持てる大人にならなければと気づかせてくれた一冊。 -
トークイベントで松田青子さんが紹介されて知った本。しばらく興味はなかったのだけど、『女性のいない民主主義』などを読んで民主主義、憲法に興味が湧いてきたので注文して購入。
タイトルから戦後の憲法案を作るところだけを取り上げた本なのかと思い込んでいたけど、実際はベアテさんの自伝だった。ベアテさんの長い人生の中で、憲法案作成に関わってのはわずか一週間の出来事だった。当時22歳。
憲法案作成の件も興味深かったけれど、それ以上にアジア・ソサエティでの仕事の件がいきいきとしていてよかった。
パン代を稼ぐためとはいえ、面白くない仕事に時間を費やすのは嫌だ、という一節がこの人のあり方を示しているなあと強く思う。
憲法や民主主義の本しても読めるし、女性のキャリアデザイン、生き方の本としても紹介できる本だと思う。 -
戦後GHQの民政局に日本語通訳として勤務し、日本国憲法のマッカーサー草案の作成に携わったベアテさんの自伝。タイトルはベアテさんが来日した日でした。
当時22歳で現憲法の24条などの原案を作成したベアテさんはお父さんが世界的なピアニスト、ご本人も6か国語を話す才女で、少女時代を東京で過ごすなど単なる「22歳の小娘」ではなかった。
日本で暮らしていたからこそ、日本民族の付和雷同で自分から意見を決して言い出さない引っ込み思案な性格、そのくせ過激なリーダーに魅力を感じる英雄待望的一面があることを把握しており、日本の民主主義、特に女性やこどもの権利の確立に不安を持っていたことがよくわかった。
自分は特に護憲派ではないけれど、戦後の日本が平和で男女平等な民主的国家になるために、また極東軍事裁判で天皇の戦争責任を回避するために…と不眠不休で草案を作ったGHQの実情がわかって、日本国憲法への関心が高まりました。
ベアテさんは日本国憲法では女性も天皇になれると明言していたとのこと。明治憲法にあった天皇は男性という文言があえて日本国憲法では削られており、14条に男女平等がうたわれている。むしろ今の男性にしか皇位継承を認めない皇室典範は違憲であるように思うし、憲法で「世襲」とある皇位を娘がいるのに弟に譲ることも憲法上おかしいのではないかと思いました。 -
日本の憲法には男女平等が明記されている
これは米国の憲法にさえ明記されていない画期的なこと。それを書いたのは、当時GHQと日本政府の通訳を献身的にしていたGHQの外国人女性。
その自伝。
日本政府が男女平等の明記に難色を示したとき、GHQがそれを書いたのはこれまで献身的に通訳をしたこの女性だと紹介したことで、了承された。
戦後とはいえ、当時22歳の憲法素人の女性が憲法作成に携わり、日本の女性を想うからこそ男女平等という画期的なものをのこせた。 -
日本国憲法の草案を、戦後GHQのスタッフが作成し、かつ、人権条項については日本で育った22歳の女性が作成したなんて、驚きの連続だ。
戦後、日本では当然のように男女平等が謳われ、自力で復興したかのように思っていたけれど、GHQの大きな後ろ盾かなければ、今とは違った日本になっていただろう。
土井たか子さんもおっしゃったとおり、草案者であるベアテさんが、憲法学者といった専門家ではなく、生活者であったこと、人が幸せになるために何が必要か本質をズバリと書いてくださったことが良かったと、本当に思う。 -
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22歳のウクライナ系女性が日本に「男女平等」をもたらすまで(内田 舞) | FRaU
https://gendai.ismedia.jp/a...22歳のウクライナ系女性が日本に「男女平等」をもたらすまで(内田 舞) | FRaU
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/956052022/06/26
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