- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022619013
作品紹介・あらすじ
2019年10月22日 元国連難民弁務官緒方貞子逝去
63歳で日本人初の国連難民高等弁務官として、冷戦終結後の10年間、世界の難民支援を指揮した緒方貞子氏。彼女が当時綴った日記やエッセイ、対談などを通じ、深刻化する難民問題解決の糸口を探る。
感想・レビュー・書評
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中満泉さんの著書「危機の現場に立つ」を読む中で、国連難民高等弁務官として中満泉さんに多大な影響を与え、また強烈なリーダーシップを発揮して猛烈に活動される緒方氏が登場していたので、ご本人の目線から見た世界が気になり読了。
彼女の事は、犬養毅を曾祖父に持つという事すら知らなかった。ただ、国際的にいうと彼女が国連難民高等弁務官に就任した時には実質無名で、中満さんの同僚は「こんな無名の人が高等弁務官なんて、もう終わりね」とまで言ってのけたらしい。
彼女が就任したのは91年なので、私は生まれて大した年月経っていなく、当時の情勢は肌感としては分からない。
就任してすぐに取り掛かられたのはクルド難民危機であったと言う。
冷戦後の世の中で、国対国であった武力紛争が国内紛争に変容していった頃だ。
変化に対応するため、現場に大きな裁量を渡し、いくつもの大きな判断と決断をされていった。その中で、常に判断の拠り所となったのは、「救わなければならない」という基本原則(プリンシパル)。これを守るために、行動規範
(ルール)を変えることにしたという。
残念ながら、この本に書かれている1991年〜2001年ほどの際に激変して世界的な問題となった難民問題は、それから20年経った今も決定的な解決の糸口は見つかっていないように思う。
それでも、わたしたちは、考え続けなくちゃならないし、関わり続けなくてはいけない。
「いくら島国だって日本だけカンフォタブルではいられないから」。
その通りだ。 -
信念に生きた強い人。このような人に国を率いて欲しいと思う反面、自分も決断の場面で少しでも緒方さんのように振る舞えるようになりたい。講演などで直接話を聞いてみたかった。
以下、覚えておきたいフレーズの備忘録。
「ものを決める時は迷う。しかし、悩み続けるハムレットではだめで、決断する時は一瞬の度胸だ。」
「体系的に理解するというのは、答えを持っているということではなく、何が問題なのか質問ができる、ということではないでしょうか。」
「言葉や約束だけではなく、行動こそがアフガニスタンの運命を決定するのです。」
「人間は仕事を通して成長していかなければなりません。その鍵となるのは好奇心です。常に問題を求め、積極的に疑問を出していく心と頭が必要なのです。」
「日本人は答えはきっちりと出すが、問題を出してこないという欠点があるように思われます。」
「私は、国の内外を問わず、自分で歩いてみることを、若い世代にすすめます。」 -
元国連難民弁務官緒方貞子さん逝去
日本人初の国連難民高等弁務官として10年間職務を全うされました。ご冥福をお祈り申し上げます。 -
緒方さんファンのための資料の寄せ集め的な感じになっている。学者出の難民高等弁務官だからこそ見える視点や、現在の世界でどれだけ難民問題が深刻であるのか、それに対してどのようなアプローチを国連が行なっているのかについて浅く知るにはいい。ただ、専門用語や特に情報味のない記述が多く、前提条件として世界における難民問題や国連機関の機能を知った上で読むべきだったと持っている。
緒方さん自身の真剣な思いを読み取ることはでき、そういった意味で希望の枠ものではある。 -
私にとっては読みにくい部分もあったし、時間が経っているので、かなり状況も変わっていて、記憶を遡りながら…という感じだった。
緒方貞子さんの激務や努力が理解できた一方で、日本のNGOはもっと大きく、活動すべきと理想論が掲げられていて、非営利団体で働いている私としては、努力で何ともならない部分があるなと少し思ってしまった -
日本人初の国連難民高等弁務官を務め、その手腕が国際的に高く評価されている緒方貞子。彼女は難民問題にどう取り組んできたのか。当時の日記、インタビュー、スピーチなどをまとめた生の活動記録。【「TRC MARC」の商品解説】
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https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40296362 -
どれだけ苦労して10年過ごしてきたのかがすごくわかった。
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2023/06/22 更新