海ちゃん、おはよう (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022643292

感想・レビュー・書評

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  • 椎名さんに娘さんが産まれたときの実体験をもとに描かれた私小説。大好きで、お風呂でも何回も読んだのでしわしわになっているけど、私にも娘が産まれたのを機に改めて読み直しました。娘が産まれてあたふたしつつも、自分なりに娘と付き合っていこうとするおとうさんの姿がほほえましくて、ついつい声を出して読んでしまう。いつ読んでもあったかいほかほかの気持ちになる一冊です。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    原田海。3月19日生まれ、3225グラムのおんなの赤ちゃん―若い二人に突然舞い降りた、この愛らしい天使を巡って、悪戦苦闘する毎日。子どもが出来たと知らされて狼狽する夫は、果たしてお父さんになれるのか?筆者の体験を基に描く、シンドクてもあったかい育児物語。

  • 新米夫婦に赤ちゃんができ、育てていく過程をパパ目線で書かれた本。エッセイ?

    パパの優しさが溢れ出てていて、読んでいる方が幸せな気分になれます。

    特に、海ちゃんの名前を考えるくだりがよいです。

  •  椎名誠氏の作品は、エッセイもおもしろいけど小説のほうが好きで、その中でもイマドキめずらしい私小説が魅力的である。「私小説」といっても、彼の場合は微妙にフィクションが混ざっていたりして、そういうあたりに逆に小説を感じてしまうことが多い。

     有名な「岳物語」の姉妹編で、椎名氏の長女誕生の頃の顛末を題材をした「ネオ私小説」である。娘が生まれるときのドタバタや、主人公のダメ親父・ダメ夫ぶりは、もう完全に他人を観るような気がしないのである。まいった。

     それ以上に(まあ子供が生まれるってことに象徴されるわけだけど)、「大人」になるってことへのとまどいのほうが自分の中でリアルであって、それは多分、今の僕自身がそのようなオノノキの中にいるってことも含めて、ひどく印象的な連作短編集であったのである。

     いつまで経っても「子供から大人への過渡期」みたいなテーマに過敏に反応してしまう自分が、ちょっと見苦しくあったりもするのだけれど。

  • 新米パパとママが子育てに奮闘するお話。最初は子供を持つことにも実感のなかったパパ。保育園の行事にも積極的に参加するようになり、海ちゃんを通じて家族が変わっていく様を描いている。

  • ほぼ私小説。椎名誠さんの実際の体験を元に書かれた新米パパな話。面白かった。奥さんとの出会いの話、結婚の話、妊娠を聞かされてうろたえびびりまくる話、誕生に立ち会うどころか、初対面はかなり酒臭いお父ちゃん。預けた先の保育園の話などなど。赤裸々というにはちょっと格好つけてる、でも様になりきらず滑稽。
    椎名さんに娘さんがいたなんて、この本で初めて知った。岳少年の話はよく読んだものだが、初めてのお子さんは女の子だったのか!この、小さな異性との接し方にうろたえたり面映くなったりするお父さんが、情けなくて等身大、という感じがする。
    なみえさんの育児日誌で、お父さんの顔を長い間見ていたため「怖いものをみてしまった」せいで海ちゃんが寝付かない、という記述に、くそうなんとかしかえししたい、などと憤ってるお父さんがかわいい。でもなみえさんには勝てないお父さんでいてほしい(笑)。

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著者プロフィール

1944年生まれ。作家。1988年「犬の系譜」で吉川英治文学新人賞、1990年「アド・バード」で日本SF大賞を受賞。著書に「ごんごんと風にころがる雲をみた。」「新宿遊牧民」「屋上の黄色いテント」「わしらは怪しい雑魚釣り隊」シリーズ、「そらをみてますないてます」「国境越え」など多数。また写真集に「ONCE UPON A TIME」、映画監督作品に「白い馬」などがある。

「2012年 『水の上で火が踊る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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