街道をゆく 17 島原・天草の諸道 (朝日文庫 し 1-73)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022644633

感想・レビュー・書評

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  • 天草島原の乱は切支丹による乱というよりも困窮した農民の一揆だったそうだが、島原の農民たちから搾りに搾ったという松倉氏には実に腹が立った。
    本書の前半で島原、後半で天草が主に扱われており、暗くて内向きな島原と、明るくて外向きな天草という対比が面白い。
    ある女戦士の最期に関係のある梅の樹について、そんな逸話は「メンコの絵柄めいている」と一蹴した筆者に対し、須田画伯はその梅に非常な執着を見せる。その対照も良かった。

  • 彼はわずか5日間しか島原&天草に取材旅行に来ていないそうだ。
     なのになぜ18年も島原に住んでいたワシより島原半島+天草に詳しいのだ!!
     島原半島出身者+天草出身者は読むと懐かしい地名が次々とでてきて驚くことしきりだろう。なんと私の母校島原高校まで実名で載っていた。
     取材旅行は1980年らしく普賢岳噴火(平成3年)には触れられていない。
     島原半島に限っても、島原城・武家屋敷・沖田畷・眉山・南目・白土湖・深江・有家・堂崎・北有馬・原城・神代(国見)・加津佐、そして口之津から鬼池港のある天草に渡って、天草のこともふんだんに取り上げられている。
     同じ風景を18年も眺めていた私よりも、わずか5日(しかも海を渡った天草含めての5日だもんね)しか視ていずとも、膨大な博識さえあれば景色を歴史を堪能できるということだな。
     司馬遼太郎は全国の街道をめぐっていたようなので、自分の故郷や今住んでいる近所の街道を司馬遼太郎が幸いにも巡っている人は、当該地域の<街道をゆく>を読んで、思いをはせてみることをぜひお勧めする。

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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