極北クレイマー 下 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022645982

感想・レビュー・書評

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  • 上巻より一気に読了。

    行政と医療と司法の覇権争いの着火点として最も弱っている過疎地の医療現場を持ち出しているところに、官僚社会の戦略の巧さが見てとれた。
    気持ちがいいものではないが現実にも考えさせられる部分もあり、何かモヤモヤしたものは残ったが総じて面白い作品だった。

    バチスタシリーズとは違った問題提起がなされる物語。

  • 最初は潰れかけの病院の個性あふれる人たちと、そこに放り込まれた真面目な医師のお話、いわゆるキャラものみたいな感じでコミカルな部分もあったけど、「二十四章 逮捕」から空気が一変した。厚労省の役人たちのやたらと名前の長い会議の裏で、一つの病院と医師が潰された。けどまだ死んではいない。救世主が現れた。ラプソディへ続く。それにしても、電話の向こうの声しか聞こえないのに速水先生の存在感と安心感は凄い。今中先生もかっこよかったぞ。

  • ここで世良先生かぁ~!と鳥肌

  • 白鳥さん、出て来なかったか。
    すごく期待したんだけどな。
    最後にまさかの世良先生とは。
    ブラックペアンからの三部作以来?
    のような気がしてますが、
    登場と会見だけ。
    手腕がみたいですね。
    にしても
    地方出身者ですが、
    もっと地方はこんな感じなんですね。
    ドクターコトーはある意味
    平和な方なんですね。
    今はどのくらい改善されてるか
    少し気になりますが。
    極北はまたこの後、出て来るのかな?
    速水先生も微かに出てましたね。
    次に期待しますかね。

  • 主人公の今中医師が、当初は分不相応な役割を拝命したり(押し付けられたり?)、中央からの調査機関に対応させられたり、そして産婦人科部長の逮捕劇を経ていくうちに、自覚を持った医師に変わっていきます。極北市が財政破綻し、市民病院には新しい院長世良が再建のため赴任してきます。(ああ、世良君こんな所で再会。)続編の極北ラプソディーも楽しみになってきました(が、今手元にありません。冬休み帰国してのお楽しみ^^)。

  • 最後にもう少し詰めて欲しかった。その続きが読みたかったなーという感じ。
    医療現場では実際にある問題なんだろうし、病院が抱える問題もこんな感じなんだろなーと思った。改めて勉強させてもらいながら、楽しく読ませてもらいやした。

    やっぱり海堂さんを読もう。

  • 今回も面白くて4、5日で上下巻を読み終えた。

    他の作品から何となくこの話のストーリーが
    頭の中に入っていたため読みやすかった。

    おなじみの人物、聞いたことのある名前、
    そうか!そうか!
    この人!
    以前はあそこにいたよねー!
    と記憶を手繰りよせながら読めるところが
    海堂さんの作品の特徴であり最高に好きな一面。

    真面目で正直者の主人公、
    貧乏くじを引いてばかりいそうな
    今中非常勤外科医が
    今後どのような人生を送るのか知りたい。

    いろんな作家を読んだ後に海堂さんを読むと
    文章が本当に素晴らしいなぁと実感する。
    医療は詳しくないが、
    知らない世界を覗いた気分になる。

    海堂尊さん、
    まだまだ読んでない作品が多数あるので
    これからもどんどん読みます!!

  • 2014/10/06読み始め
    2014/10/08読了

  • 財政窮状の地方自治体、そしてさらに崩壊しつつある地域医療の現実に、さらに医療クレーム(といっていいのか僕にはわからないが・・)の問題を描いている。極寒の嵐よりも厳しい題材だ。それでも上巻のどこかのんびりした牧歌的な雰囲気、まさに北の大地ののどかさがあり、しかし一転、下巻では怒涛のごとく問題が顕著化して・・・読後感としては、簡単には解がでない問題を山積みにされたような少し重いものが残った。山積み。しかし目の前の問題です。

  • ノンフィクションではないものの、事実に限りなく基づいた話なのだと思うと地方医療には救いようがない。
    現場を知らない上層部が都合の良いように制度を変えてしまい、そのツケを現場が払わされるというのは一般企業においても良くあるが、偉くなるとどうして現場がわからなくなってしまうのか、本当にわからない。
    ほかにやりようがないのか、毎回もやもやする。

著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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