愛しの座敷わらし 下 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022646088

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻まとめての感想。
    新聞連載を欠かさず読んで、本が出た時には速攻で買った。大好きな物語。

    父親の左遷で、東北の片田舎に引っ越してきた高橋一家。いろいろと空回りしてしまうお父さんの晃一、田舎での生活に不満たらたらのお母さん史子、前の学校でイジメに遭い、友達付き合いに臆病になっている中学生の梓美、サッカーをやりたいけど喘息持ちで、お母さんに心配されている小学生の智也、認知症の気配がある祖母の澄代、あとは犬のクッキー。
    そんな一家が、家に棲みつく座敷童子と出会った事で、それぞれが人生を取り戻して、家族仲も修復されていくという‥一言でいえば、とても気持ちの良い物語!

    街中に住みたかった史子が、田舎ならではの濃密な人間関係に悩んでそれでも徐々に馴染んでいくあたりは、同じ主婦として自分ごとのように嬉しかったな。梓美が水泳をきっかけに同級生と打ち解けていく過程や、サッカーを始めてイキイキとしてくる智也は、母親目線で見てしまい、良かった〜〜と胸を撫で下ろしてしまう。
    1人だけ、なかなか座敷童子に出会えない晃一がちょっと不憫だけど、やっっと出会えた後の一家の幸せ感はこちらも幸せな気持ちになる。
    晃一と史子の価値観の変化、梓美と智也の成長は、この物語の大きなポイントだと思う。座敷童子に出会って、その由来を知った子ども達は、きっと人の痛みがわかる優しい大人になるんだろうな。少しぼんやり気味だったおばあちゃんの澄代が、家族の中で居場所を再構築できたのも本当に良かった。座敷童子が呼び起こして、紡いでくれた家族の絆、それぞれの成長。また東京へ戻ることになった時の家族の会話に、凝縮されていた気がする。そしてラストシーンのサプライズには、やった!と声が出てた(^◇^;)

    実は、作者の荻原さんが直木賞を受賞する少し前、近くの図書館で講演を聞く機会があり
    、本にイラスト付きのサインをもらうという幸運が!あと、質問コーナーで指してもらえたので、「ご自分で書かれた物語の登場人物の完結後を考えることはありますか?私は、智也とカッちゃんが結婚してたらいいな、と思ってます!」と、妄想全開の質問をして‥「そこは、読者の皆さんの想像におまかせしています!」と、至極まっとうな答えをいただいた(^^;;

    映画も観に行ったけど‥まあ、橋本愛ちゃんと座敷童子の子が可愛かったな!ということで。

  • 本棚整理中につき再読㊹

  • 上巻読了後は、この先の展開に少し不安になりましたが、素敵なエンディングでホッとしました。
    梓美と智也(特に梓美)の成長ぶりが素敵だった。

  • 座敷わらしカワイイ。以前『噂』を読んだ事があるのですが、同一人物が書いたとは思えない位、こちらはやさしくて癒されるお話でした。実家が岩手なので小さい頃から、座敷わらし伝説はよく耳にしていました。それでも間引きの話は知らずにショックを受けました。あと米子さんの訛りは祖母と同じで懐かしく嬉しい気持ちになりました。梓美のお別れシーンも良かったです。ベタだなぁ…と思いながら泣いてしまいました(笑)ラスト1行も、その先の楽しい事が色々想像できて好きです。

  • もしや、座敷童?

    全員のプロローグ状態の上巻から
    動き始めた日常、という感じです。
    が、すでに上巻で飽きてしまったため
    ほぼパラ読み。
    多分ここからが本番だとは思うのですが…。

    結局、ついてきちゃった、のでしょうか?

  • 上下読みました 荻原さんの作品読みやすい
    あっという間に完読

  • きちんと落としどころを見つけて、話を持って行けている。
    何となく先が読みやすい展開ではある

  • 10年前くらいに読んだけど、内容忘れたので再読!いやー、とっても面白かった。
    最後の終わり方もとてもよかった。
    萩原さんの作品はこれしか読んだことないけど、他の作品も読んでみたいと思いました。

  • いやぁ、面白かった。ほんと、面白かったなぁ。
    荻原浩作品は、いつもキャラクター造形が上手いのだけれど、これはほんとに秀抜。

    最初は、それぞれの悩みを抱えながら、バラバラだった家族が、座敷わらしをきっかけに、変わっていく展開が見事。
    家族それぞれの視点で描かれていく設定も見事。
    誰もがみんな素晴らしいけれど、智也が一番好きかな。

    いつもながらのユーモアも、この作品では非常に冴えまくっていて、読みながら何度も噴き出した。

    そして、座敷わらしの描き方が、これまた可愛いんだよなぁ。
    後半の展開も、ラストの後味も良くて申し分なし。

    水谷豊主演で映画化もされているようなので、ぜひそれも見てみたい。





  • 座敷わらしの存在が、家族に再び絆を取り戻してくれる、素敵なファンタジー。

    座敷わらしのなんとも言えないようなかわいらしさが印象的。
    ほんわかほっこり心温まる物語でした。

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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