幸福寿命 ホルモンと腸内細菌が導く100年人生 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022737571

作品紹介・あらすじ

「死ぬまでずっと幸せでいたい」-。究極の願いをかなえる方法、お教えします。私たちが生きる目的は「健康でいること」より「幸せになること」。そこに導いてくれる生命のメカニズムを解き明かす。1日20分の運動で「ホルモン」を活性化すれば身も心も健やかに。体内の発電所「ミトコンドリア」を元気に保って老化を防ぐ。おなかが減って「グー」と鳴るのは健康のサイン。長寿のカギを握る「腸内細菌」には食物繊維を与えて若々しく。生き生き笑顔で「100年人生」を満喫するための極意!

感想・レビュー・書評

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  • 伊藤裕さんが日本人の幸福感について言及されています。「幸福寿命」、2018.3発行。西洋建築は「柱」、日本建築は「庇(ひさし)」。部屋の「内」と建物の「外」との「あいだ」に庇の空間をつくり出している。日本人は「あいだ」にある「幸福」を感じるのが得意な民族。<楽しみは朝起き出でて昨日まで無かりし花の咲ける見る時><楽しみは常に見られぬ鳥の来て軒遠からぬ樹に鳴きし時>一輪の花、一羽の鳥、今日の発見に幸せが。幸福は昨日と今日、今日と明日の「あいだ」に存在する。

  • 背ラベル:498.38-イ

  • 幸福は「あいだ」にある。

    生と死のあいだ
    過去と未来のあいだ
    細胞と細胞のあいだ
    人と人とのあいだ

    健康寿命とは異なる「幸福寿命」は高齢化社会でますます重要度を増す概念となるにちがいない

  • ●健康寿命と平均寿命の差が10年程、つまりわれわれは、人の世話になって平均10年間ほどは生きないといけないのです。
    ●私たちが生きる目的は「健康であること」ではなく、それは一つの手段でしかない。あくまで「幸せになること」が目的である。
    ●ホルモンは、我々の臓器で作られてそれが、臓器を養っている血管の中に放出されて、体の他の臓器に運ばれ、そこで効き目を発揮するものです。臓器と臓器の間をつなぐ物質です。

  • 幸福になりたかったらただ待つのではなく、自ら幸福に向かって歩む事が大事。

    世の中の寿命が延びるほどに、健康寿命との格差が注目されています。

    寿命を全うするにはやはり健康は大事ですね。

    「あいだ」や「仕切り」の話はとても興味深かったです。

  • 空腹でお腹がなるのはいいこと。

  • 目次―― 【はじめに】 100年人生時代と幸福寿命
    【第一章】 「幸福」のトップダウン方式
    幸福至上主義/青い鳥はどこにいるのか?/生きとし生けるものの宿命と幸福/〝いい幸福〟? 〝悪い幸福〟?/「超高齢社会」での幸福/Happy people live longer(幸せな人は長生き)に秘められた暗号(コード)
    【第二章】 「幸福」は「あいだ」にある
    「幸福」は結局、「自分」のため?/一人では幸福になれない――「不二(ふに)」と「あいだ」/「人間」と「人」との違い/「生きている」ことと「仕切り」/日本建築と西洋建築の違い/「あいだ」を大切にする日本人│距離感の取り方/AI(人工知能)で「幸福」を測る?/「親身(sym-me)」ということ│いい医師になるための秘訣/人生のスケールと「幸福」/「出たとこ勝負」と「幸福」/「モモ」の三兄弟/AI(人工知能)は「幸福」を感じるのか?
    <Column> 「メタボリックドミノ」と時空医療
    【第三章】 「あいだ」をうめるホルモン力
    私たちの人生はすべてホルモンが決める/ホルモンはワクワク感をつくる/心と体の「あいだ」をつなぐホルモン/ホルモンはコミュニケーションのツール/ホルモンの誕生と「生き方」革命/ワンピース世代の「助け合い」とホルモン/ホルモンの使命/「おもてなし」とホルモン
    【第四章】 「幸福」をつくるホルモンたち
    ●1.「元気」をくれるホルモンたち
    ミトコンドリア――生きる源/代謝反応と人間社会/「鶴は千年、亀は万年」/ミトコンドリア健康長寿法/至福(腹?)の空腹感/肥満(メタボ)とやせ(フレイル)――超高齢社会の今昔物語/「幸福」のグー/「健康になるために運動する」vs.「運動するために健康になる」/運動ホルモン
    ●2.「足る」を知らせるホルモンたち
    「無事」であれば幸せなのか/「満喫する」ということ/生きるための二つのホルモン流派/幸せホルモン/「ストレス食い」の真実/幻のやせぐすり/「幸福」は手術で得られるか?/「グルメ」の人は太らない/「美しさ」と「幸福」/美しい「記憶」と「幸福」
    ●3.「絆」をつくるホルモンたち
    「秩序」と「幸福」――サルとゴリラの社会/「人目を気にする」ことは良いことか、悪いことか/鏡(ミラー)と「幸福」/一人の視線と二人の視線/二人の「あいだ」をつなぐホルモン/二人の「ホルモン」物語/信頼とオキシトシン――信じる人は救われる/「皇帝ペンギンの子育て」とホルモン/ダイヤモンドとヒスイ(翡翠)――男と女/一攫千金と玉の輿/薬指と若禿/「亭主元気で留守がいい」
    【第五章】 「幸福」のための腸! いい話
    腸内細菌――気づかれなかった愛しき隣人/腸をめぐる「鬼は外、福は内」/腸内細菌はペット?/発酵と腐食の「あいだ」/なぜ、腸内細菌は我々の心身に影響を及ぼすのか?/遺伝子の共有と「幸福」――エコな世界/善玉vs.悪玉のうそ:多様性――「世界に一つだけの花」/贈与と「幸福」――不等価交換の意義/なぜ節分に豆を撒くのか?――「鬼は内、福は内」!
    <Column> 百寿者の腸内細菌
    【第六章】 「幸福」は時間の流れである――スウィートメモリー
    「幸福」と「希望」――希望は「記憶」がつくるもの/「過去」は「未来」を変える――年輪と法隆寺の連子格子/体質は変えられる――エピゲノムの世界/「幸福」のトレーニング効果――「幸福」メモリー/塩分メモリー――「臓器の記憶」/治療の記憶――高血圧をメモリーで治す/健康増進のための「カメさん方式」と「うさぎさん方式」/「絶食メモリー」/糖質制限ダイエットの真実――ケトン体の魅力/100年人生――「幸福の遺伝」5割の壁
    【第七章】 幸福人生へのナビゲーション
    未病と「畏(おそ)れ」/先制医療――〝ポジティブ医療〟/AIは個人を「幸福」に導けるか?/「これからの病院に行こう」
    【おわりに】 奇跡のリンゴ:「腐る」と「枯れる」のちがい

  • 「不死」(絶対に死なない)は不可能であっても「無死」(なかなか死なない)が現実になり、平均寿命と健康寿命の間に10年以上の乖離が出てきている現代。
    「幸福寿命」という書名、「幸せは気の持ちよう」というのは軽すぎる言葉だ。「幸福」そのものを取りに行くことにチャレンジすることが「幸福」になる正攻法である。条件を積み上げて幸せになるのではない、逆である。という書き出しに興味を持ったが、

    その幸福になるには、空腹をしっかり感じ腹八分目で体をしっかり動かして人との間を大事にしてホルモンを出す・・・後半は自作の結婚式のスピーチを披露し、詩歌を引用し・・うーん、羊頭狗肉か・・

  • 仕切られた他との「あいだ」をうまく埋められれば幸福になれる。体の中では、ホルモン、ミトコンドリア、腸などが、あいだを埋めている。医療の目的は、疾病治療からポジティブ医療に変わってきている。

    タイトルの「幸福」「寿命」に関しては、何がどう書かれているのか、読み取ることができませんでした。

  • 幸福という心のもちようの問題であるようなことも、ホルモンや腸内細菌が係わっているため、幸福も気合いというよりは生化学的なアプローチも必要というか、幸福の解明とか幸福になるには生化学的なアプローチも含みこまないと明らかにすることはできない。

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著者プロフィール

慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科教授、医学博士。1957年、京都市生まれ。京都大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。ハーバード大学およびスタンフォード大学医学部博士研究員、京都大学大学院医学研究科助教授などを経て現職。国際高血圧学会副理事長、日本肥満学会理事も務める。専門は内分泌学、高血圧、糖尿病、抗加齢医学。世界ではじめて「メタボリックドミノ」を提唱した。高峰譲吉賞、井村臨床研究賞など受賞多数。著書に『臓器の時間』『「超・長寿」の秘密』など。

「2022年 『いい肥満、悪い肥満』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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