- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784023308985
作品紹介・あらすじ
本棚についての、本棚をめぐる、本棚のあれこれを考える本。背中が語るとっておきの本の話。
感想・レビュー・書評
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本棚をテーマにするのであれば、本棚に並べて写真を載せて、この本はこういういきさつで読めなかったんだよ。とか書いた方がビジュアル的にも良かったのでは。
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吉田浩美さんと吉田篤弘さんご夫妻の本棚です。
読んでいない本も沢山あると書いてあって、そうなるよねと思います。
読まなくてもその本が本棚にあることが重要だという考え方にも同意します。
読もうと思いながら、なかなか読めない本が気になるのも同じです。
私にとっては「ゲーデル・エッシャー・バッハ」がそんな本です。(読み切れない、のでチョット違うかな)
[森の奥の本棚]
年に1回あるかないか、音楽でも聴きながら本を読むしかすることがない森の奥に行くとする。
そこの本棚に何を置くか。BGMのクラシックのCDは何にするか。
こんなことを考えるのは贅沢な時間の使い方だが、今の自分の興味が整理できていいかも。
吉田浩美さんの感想が分かり易い。
「なにこれ?」に続き「最高!」とくれば、完全にツボにハマった本だ。
岸本佐知子さんの「気になる部分」、三浦しをんさんの「しをんのしおり」の感想が「なにこれ、最高」だと知ってなぜか嬉しい。
パラフィン紙のブックカバーが付いたままの本を見つけた。おお懐かしい。随分と昔から自分の本棚にはない。
[いつの日かの本棚]
吉田篤弘さんの本が沢山並んでいる。こんな本も出してたのと思いきや全部実在しない本でした。
「ZZZ」なる同人誌も実在しないのですが、「罪と罰を読まない」に姿を変えて陽の目を見ました。
中が真っ白な本。「一定の時間が経つと可視化する特殊インクで本文が刷られている」ことになっている。
ヨシタケシンスケさんの「あるかしら書店」に行けば買えるかもしれない。
[吉田篤弘の本棚] [クラフト・エヴィング商會の本棚] は本物です。2011年までの著作が並んでいます。吉田音の存在は初めて知りました。
電子書籍には背表紙がない。背表紙ばかりの本棚の本。紙の本だからこその世界。本という「もの」を感じることができる本です。 -
本好きにはたまらなく嬉しい一冊。
本が好き…そして本棚におさめられた本を眺めるのも好き。
並べ方に愛を感じ、人それぞれに決まりがある…っていうのも良い。
たとえ床に乱雑に置かれてあっても好きなのだから。
まだ、読んでない本がたくさんあっても楽しみがあるということで嬉しい。
読みたいと思ったその時の記憶と一緒に並べられた本は、思い出も積もっていそうで愛しい。
ここでは、著者が気持ちを込めた本棚名をつけて本の紹介をしている。
背表紙を眺めながらタイトル、著者、出版社を確認できて、これを読んでみたいと思えるのが最高である。
ある日の本棚から始まり森の奥の本棚、金曜日の夜の本棚、美しく年老いた本棚、と続いていく。
本棚名までもが素敵なのだ。
しみじみとする本棚、うるわしい本棚なんてとても良い。
間に紙質とインクを変えた未刊行本を差し込んでいるのも楽しめた。
満足度の高い一冊。
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エッセイスト、作家、そして“クラフト・エヴィング商會”という名前で装丁家して活躍される吉田篤弘氏セレクトの
ある日の本棚
美しく年老いた本棚
年齢のある本棚
蜂の巣のある本棚
変身する本棚
兄の本棚・弟の本棚
頭を真っ白にするための本棚
いつの日かの本棚
読めない本棚
返しそびれた本棚
失われた本棚
……まだまだある。
それぞれの本棚の本達の背中を見るだけでも楽しい。そこに「書名」「著者名」「出版社名」が添えられている。それぞれの本棚の本たちにまつわる吉田氏のエッセイも興味深い。吉田氏の人生にも本たちの人生にも興味が湧いてくる。本棚には新しい本もあるが、もう手に入らないような表紙が擦り切れた本もある。日本の本もあれば洋書もある。文庫本もあれば、昔の高級本のような函入りのもある。児童書もあれば、難しい哲学の本もある。それぞれの本棚がいい味出してる。
メッチャお勧めの本です。この本自体ももう古本でしか手に入らないかもしれないですが。
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"愛すべきは常に停滞であります"という一文のとおり、本棚には読みたくてもなかなか読み進められない本があったり、読もう!と買ったはいいもののいつまでも読んでいない本があったり、はてこれはなんだっけ?となる本があってもいいのだ、とさらに読書生活がたのしくなる本。終始、吉田篤弘さん節にのらりくらりんとのってゆかいな本。自分の前に果てしなくよい本があるのだ、とみなぎる気持ちになりました。
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本棚の本。主役は背表紙。本棚の写真と一緒にひとつひとつ解説を読んでいると、すっかり吉田篤弘ワールドに引き込まれます。本屋の棚から、面白いはずだと直感頼りで引き抜き手元に揃えた本を、いつかは読むがまだその時期ではない……と本を成熟させようとする、微妙な読書心を肯定してくれます。本に対する姿勢が一番腑に落ちました。
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本が好き。並んでいる本を眺めるが好き。だから、この本が好き。ブクログも、表紙だけじゃなく、「本の背中」いや「本の背骨」も並べて見せるようにしたらいいのに。ランダムに並べたり、横にしたり、本って綺麗に並べるだけじゃないよね。
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『おしてもだめなら』の日本語のくだりがとても好き。面白い。
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「この本を読みたい」と思ったその瞬間こそ、この世でいちばん愉しい(たのしい)ときではなかろうか。(3ページ)
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この本は読んだ本の紹介ではなく(なかには読んだ本も入っていたようですが)、端的に言えば背表紙をならべてうっとりしているときの様子を、エッセイにしたものです。
堂々と「○○は読んだことがない」と言いきりつつ、読んだことがないその本から膨らませてエッセイを書かれているところが、すごいなと思いました。
途中、ショートショートのようなところもあったり、なんだか色んなものを混ぜてこねて平たくして本にした感じの本だなあ…と感じ、1/3くらい読んだところで、そっと本を閉じました。
なるほど、この本こそがわたしにとって、
「『この本を読みたい』と思ったその瞬間こそ、この世でいちばん愉しい(たのしい)ときではなかろうか。(3ページ)」
という本だったみたいです。
というわけで読みきれなかったため、☆1つとさせていただきました。
図書館の返却期限がくるまでは本棚におさめて、背表紙とタイトルを眺めつつ、うっとりさせていただこうと思います。