- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784023314672
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学評論随筆その他】馬堀海岸の能面師。久里浜のアルコール依存症病棟にいる男。義理と人情と最後の沖仲仕。木更津、證誠寺の「悪人」。築地のヒール。東京湾、最後の漁師。昨年の新潮ドキュメント賞候補の山田清機が、湾岸に生きる男の生き様を描ききる。
感想・レビュー・書評
-
築地の仲買人はお客様だけでなく、漁師の収入を考えることでまぐろ市場を賑わせる。
海は母なるものと思っていたが、男の社会で成り立っているか、母が必要なのだと気づきました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
色々な人間がいて、それぞれの人生を過ごしている。当たり前だけど。日向があれば日陰もある。楽しいこともあれば、辛いこともある。この本は無数の無名な人たちを、同じ目線に立って、ときには少し俯瞰して、描いている。十人十色と言えばいいのだろうか。それぞれ違った人生がある。それが生々しくわかる。
-
特に、築地の仲卸と顧客の関係は面白かった。顧客の経営を維持するための価格調整機能。
仕入れより安く出すこともある。
1年単位で収支を考える。
ならば、ふらっと立ち寄る一見さんとの扱いが違うのも納得。 -
極右藤木幸夫がヤクザの組長の息子。
-
編集子のS君を入れると7人(内1人は著者)の伝記。ノンフィクションの体裁をとりながら、物語が浸食するユニークスタイル。第四話は自らのこと。土地勘がないものとしては、地図が一枚ほしいところです。
-
通勤途上で聞いているPodcast(http://www.tbsradio.jp/ss954/2015/12/20151222session.html)で昨年末に紹介されて、ちょっと気になったので手にとってみました。
東京湾に面する土地で暮らす6人の人々を取り上げたライト・ノンフィクション?です。紹介されているそれぞれの主人公はひと捻りある方々でとても魅力的なのですが、みなさんの生きた軌跡を表すには、文章よりも粗い粒子の“モノクロ写真”の方がより相応しいような気がします。 -
東京湾岸に棲む、6人の男たちの物語。
仲卸業者、沖仲仕、能面師、漁師等々。
今の時代、明治から戦争を経て、高度経済成長の時代。
その時代の中で、首都東京を支える港湾地帯として機能してきた、東京湾岸地帯。
その歴史を負う人たちから直接話を伺える最期の機会になるかもしれないこのギリギリの時に、練達のノンフィクションライターが動いた。
激動の時代、東京湾岸を支えたレジェンド達の、最期の記録になるかもしれない。