今夜もカネで解決だ

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023315785

作品紹介・あらすじ

リンパドレナージュ/ヒノキ酵素風呂/ヨモギ蒸し/ダイエット鍼/岩盤浴/カイロプラクティック/ドイツ式フットケア/生姜温熱療法/ヘッドスパ/ハワイアンロミロミ…セレブサロンの美魔女に超絶技巧の姑娘。誰かに触れてもらうことで癒される体と心がここにある。いざ行かん、地上の楽園へ!疲れた体と凹んだ心を抱え、今日も街を彷徨う。ジェーン・スーの読むマッサージ!

感想・レビュー・書評

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  • 同じテーマでも読み飽きないのは、文体が性にあっているんだと思う
    社交性の高い方が飛び回るのを見るのは楽しい

  • 臨場感があって、整体やマッサージに興味がない自分にも
    面白く引き込まれる語り口だった。惜しみなくお金を使って贅沢した気分。知らない世界を満喫できた。

  • 金で解決したい疲れはたくさんあるが、一般人はなかなかこの著者のように解決する為のお金が続かず、自分でマッサージしたり、お風呂で我慢したりするんだよなと思いました。金額と施術内容を見ると見合った金額の施術がされるものなんだなと思い、一度、私もお金で解決しにいこうと思いました。

  •  AERAに週刊連載されていたコラム。多種多様なマッサージに毎週?必要にかられて通う作者。エステは少なめ。以下印象に残ったものをメモ。

    ・アジアンリゾートをイメージした某高級スパでの違和感。セクシーなサービスは皆無。しかし他店に比べ男性客が多いことが気になっていた。居心地の悪さは、例えば担当の女性セラピストたちの丁寧すぎる対応。客がセラピストを下に扱っているような後ろめたさが募る印象を持っていた。結論から言うと、このスパで感じた違和感は、都会の男たちのオアシスとしての存在だったこと。しかも社会と同じように自分を敬ってほしい時に行くところだったのだ。作者が考えるホスピタリティとは「労い」。客もセラピストもお互い立ち位置に上下がなく疲れを癒しているところ。

    ・岩盤浴。メモ「体が冷えていると不必要なまでにネガティブになることがある。」
    ・ストレッチ。「護身術のような最小限の動きで普段自分では流されないところがのびる、可動域が一気に広がる感じ」らしい。行ってみたい。
    ・元プロ野球選手のセカンドキャリア。(別の?)ストレッチ店の店主はパ・リーグ某球団の元投手だった。2回で行かなくなったが、勧誘の電話やDMなどが送られてきた。しかしその後店の前を通ると別の店に変わっていた。なんだか世知辛い気持ちになった文章。

    ・2時間1万3000円、ラグジュアリーなヘッドスパ専門店。場所は赤坂の住宅街、古民家をモダン和風にリノベーションした店。個室でお茶とお茶菓子がつくらしい。
    ・小顔になるドライヤー。1台15600円。今時(2017年)の高機能ドライヤーは、顔を小さくするらしい。育成光線とマイナス電子がどうのこうのらしい。そして作者はそれを買ったのだった。

    《感想》読んでいて、私もなんとなくリラックスしていた。気持ちよさそう。途中から、半分ガイドブックを読んでるつもりになった。それにしても作者は、週刊連載で、ひたすらマッサージだけについて書けるだけあって、週一はマッサージに行ってる。最終的には超高級マッサージチェアも買ってしまった。いつものジェーンスー節もばっちりで、社会の世知辛さや、ビジネスのずる賢さ、女性セラピストに対する扱いなど、社会で感じるもやもやを言語化するのが上手いなーと思う。
     東京?都会?にはいろんな種類のマッサージがあるということがわかる。高級スパにしても、隠れ家スパ、高級ホテルのスパなど、知らない世界がいっぱいあった。

  • 読みやすく、爽快。最新情報に更新したエステ内容で新作を読みたい。

  • マッサージ店巡りエッセイ。後半に進むにつれてお高い店になっていきます。筆者は若いときに六本木や広尾とかで遊んでたのをなんとなく仄めかしてくるのですがマッサージ店もそのあたり。もっと場末っぽい地域のレポお願いします!

  • 著者さんが訪れたさまざまなマッサージ店のレビューエッセイ。

    女性にとっての風俗店はマッサージなんじゃないかっていう著者の考えにハッとさせられた。普段ひとりでいたって友達もいるし、なんならSNSでは他人のプライベートを過剰に摂取してしまうし、寂しいわけじゃない。ただ、物理的に誰かに触れられて癒される時間は確かにないことに気づかされた。

    今年はボディメンテナンスしたいなと思ってたこともあり、このエッセイに触発されてさっそくマッサージを予約。結果はイマイチ。格安だったので無理もない。
    日本人以外の方が施術担当の店はなんとなく避けたいと思ってたけど、その偏見は取り払われた。
    ジェーン・スーさんのようにカネで解決できるようになれたらいいな。

  • 疲れたココロとカラダを癒すために通うマッサージ店を巡る話。ブラックユーモアが効いています。
    老いを感じながらも前向きに生きる感じ、素敵です。長生きも良いもんだと思える気がします。

  • 著者は人間観察眼、人間との交流を通した自分観察眼が優れているので岩盤浴などより人力のサービスについて書かれたものが面白い。自分のようなマッサージの類にはほとんど行かない人間にもそうそう!と思える本質を抽出する力に優れていて本当に上手。

    P17 両腕を頭の上に持っていくのさえ、わたしは面倒くさく感じます。【中略】今朝は頭を洗い忘れました。正確に言えば疲れがたたって洗えなかった。誰にでもそういう朝はあるでしょう。

    P32 女には、一日で痩せなければならない日というものが、ある。正確に言えば「一日で痩せたように見えなければならぬ日」

    P69 木の棒、大人になってからぶんぶん振り回したことありますか?楽しいですよ~

    P85 男女ともに肌の触れ合いをベースにしたコミュニケーションへの欲求が存在し、相手は赤の他人でも構わない場合があること。アカの他人だからこそさらけ出せる「素」があること。金銭の授受を介在させてまで「素」の自分を受け入れられたいという願いに、男女の差はないこと。【中略】他者の肉体による「受容」が通底しているのではないか。

    P92 仕事:デスワーク

    P147 奇跡は起こせなくとも、日常に刺激が欲しい。実際に使用して「あ、変わった」と思うことができれば、ディールは成立です。【中略】売り手と共犯関係にあることをどこかで認識しながらであれば、プチプラ疑似科学は楽しめるものだと思います。エンターテインメントの一環として。【中略】まじめな人ばかりが損する社会はイヤなもの。しかし、社会には必ず悪が必ず存在します。それを自分にとっての悪とするか否かは、自分の付き合い方にかかっている。

    P154 クレーム対応には線引きが必要ですが、単なる注文の多い客ならば、そのリクエストにどれだけ真摯に素早くこたえられたかでこちらの評価が決まります。客は自分が大切に扱われたと認識してまた来店する。注文の多い客は「注文にこたえてくれる店」を探しているのですから。

    P164 自分で稼いだ金で支払うからこそ、このご褒美は耽美だと40代のわたしは知っています。

    P167 労いのホスピタリティとかしずきのホスピタリティ。これは似て非なるもの。前者は双方の立ち位置に上下はなく、後者には明確にそれがある。

    P172 なんでもかんでも改善されればよいというわけではありません。【中略】「これは酷いですね」と口に出し同意を求めないでください。あ、これは私の好みかもしれません。私は「酷いですね」と言われると、うるせぇよと思ってしまうタチなのです。

  • マッサージは月1回まで!と自分を戒める

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著者プロフィール

1973年、東京都出身。作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティー。『ジェーン・スー生活は踊る』(毎週月~木曜午前11時TBSラジオ)に出演中。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)で講談社エッセイ賞を受賞。著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)、『生きるとか死ぬとか父親とか』(新潮社)、『これでもいいのだ』(中央公論新社)、『ひとまず上出来』(文藝春秋)、『きれいになりたい気がしてきた』(光文社)など。

「2022年 『OVER THE SUN 公式互助会本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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