- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784034351208
作品紹介・あらすじ
ひとりひとりの物語がちがっても、きもちを重ねあわせれば歌はひとつになって風にのる。そしてきっとだれかにとどく。小学初級から。
感想・レビュー・書評
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「ひとりひとりの物語がちがっても、きもちを重ねあわせれば歌はひとつになって風にのる。そしてきっとだれかにとどく。小学初級から。」
『あなたもブックトーク』京都ブックトークの会にて紹介詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ひとりひとりの物語がちがっても、きもちを重ねあわせれば歌はひとつになって風にのる。そしてきっとだれかにとどく。」
そう思って今日を生きる。 -
涙がにじんだ。スケッチ風のたくさんのチェリストたち。温かな心の集まり。
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いせ ひでこ (著)
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喪失の悲しみを背負って生きる人の心に響きわたる1000人のチェリストが奏でるメロディ、ひとりひとりが祈りをこめて心を重ね合わせれば、歌はひとつになり、天空の1000の風にのって、きっと誰かにとどいてくれる ― みずからチェロを弾く作者が、阪神淡路大震災復興支援チャリティーの「1000人のチェロ・コンサ-ト」に臨んで生まれた、忘れられない風景と忘れてはいけない風景を語った、こころにしみる感動の絵本です。
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1000の風1000のチェロ
2000.11発行。字の大きさは…中。
阪神淡路大震災復興支援チャリティー「1000人のチェロ・コンサート」を題材にした絵本です。
今年で大震災から25年が経ちます。
忘れてはいけないことですが、日々の中で忘れていたことを、いせさんがやさしく思いでしてくれます。
文章を読みながら後半涙が出て来ます(涙)
そして、絵を見ていくと、いせさんの透明な、やわらかい、やさしい、筆遣いが私の心をしっかりと捉えます。
【読後】
いせさんが「1000人のチェロ・コンサート」に参加された体験をもとに描かれた絵本です。
心の中に留めて置かなければと、あらためて思います。
2020.11.27読了 -
阪神淡路淡路大震災の復興のチェロ演奏会にまつわる話。今にも消えてしまいそうな淡い色彩が掴めそうで掴めない被災者の方たちの思いのようでもある。あれから25年、四半世紀たって、東日本大震災等、災害が増えた気がする。改めて復興というのはどういう状態、どのようにするのを指すのかを考えなくてはならないと思った。
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絵も内容も良かった。
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冒頭は少年と少女の出会いである。
少年はチェロを習っている。
教室に新しく女の子が入ってくる。
女の子のチェロはとても上手だ。
けれど、女の子はどこか、怒っているように聞こえる。
タイトルとここまでのお話で、はじめはよそよそしかった2人が、音楽を通して仲良くなっていくお話かな、と思う。
淡い優しい色彩。風をはらむ髪や服の揺れ。動きを捉えた確かな骨格。
絵のうまさにも引き込まれつつ、物語は進む。
2人は徐々に友だちになる。ある日、ある集まりで、2人はおじいさんと知り合う。
おじいさんもまた、チェロを弾く人だ。
3人に共通しているのは、チェロだけではない。
皆、何かを失っている。
失うものを抱えながら、3人はチェロを弾く。
人はときに、大きな不幸に見舞われる。
人はまたときに、深い喪失を抱える。
それでも人は生きていく。
なくしたもの、もう会えない相手、遠いあの日。
二度と手には入らない思い出とともに、生きていく。
著者のいせひでこさんもまた、作中の人たちと同様、チェロを弾く人だ。
いせさんは、チェロを「人間の形をした楽器 人間の声で歌う楽器」という。
冒頭の印象を越え、はるかに深い物語である。
人は、それぞれの喪失を語りながら、それでも1つの希望のうたを歌うことができる。
鎮魂はまた、自分が立ち上がって歩き出す、再生ともなりうるのだ。
物語の最後で、1000人のチェロ弾きたちが奏でる音楽が聞こえる。
1000の風のように、それぞれの思い出を乗せた音楽が、きっと聞こえる。 -
1000のチェロ。1000の想い。どんな音だったんだろう。