- Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
- / ISBN・EAN: 9784035174301
感想・レビュー・書評
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今まで読んだ中で、子どもにとってはトラウマLevelの怖い作品だと思います。
帰るべき我が家・頼りにする両親という、子どもにとっては生きる根源とも言うべきものを根底から覆しています。
そういえば私も母親の正体を疑ったことがあったっけσ(^_^;)
自分が物心つく前のことは聞いたことを信じる他ないですもんね。
新装版で出して欲しいと思いましたが、今の世の中の事件を鑑みると、内容的にはアウトかな。
子どもにすすめたいような、でも読ませたくないような、そんな迷いの1冊。
個人的には★5つです!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「おとうさんがいっぱい」が市場に出回ってるんだからこれも余裕であるだろ
と思ったらバッチリ絶版でしたコンチクショウ・・・ -
家に帰るのがきっと怖くなる本。最初長編かと思って読んで次の章かと思いきや、いきなり違う話。えっ? これで終わりなので終わってしまうところがまた怖い。
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トラウマ作家、三田村信行の作品。既に絶版のため、図書館で借りた。
お気にいりの古書サイトさんがある作家の言葉を引用して「怪談は筋が通らないところが怖い」と書いてあり、大きく頷いたことがある。その伝で行くならば、三田村氏の短編は本当に人を怖がらせるのが巧みだ。
彼の描く「不思議なこと」にはまったくカラクリがない。そして必ず唐突に起こる。主人公は何の「しかるべき」背景をもたず、いきなり強引にトラブルに巻き込まれる。だからこそとても怖い。もしや明日には自分の身に起こるのではないかと思わせる。どんなに真面目に日々を送っていても、どんなに普通の生活を送っていようと関係はない。何故ならそんなことは恐怖に巻き込まれる上で何の保証にならない。この短編集の主人公達もそうだ。彼らはただいつものように自宅の扉を開けただけだ。ただ、それだけなのに。
それにしても「おとうさんがいっぱい」でもそうだが、主人公の少年達がトラブルに巻き込まれるのはその殆どが自宅(もしくは自宅への帰路上)だ。一番安心できる筈の場所を舞台にされては、彼の作品がトラウマを残すと言われても仕方ないだろう。子供の頃に読まなくてよかったと心から思う。