- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784036526109
作品紹介・あらすじ
べつの世界…ものいうおうむがいて、屋台ではたらくたぬきがいて、木の精の洋服屋がいて、死んだはずのだれかも…そこでは、時間のながれかたまでちがうとか。ふだんはいつもの風景にとけこんでいて気がつかないけれど、なにかのひょうしにとつぜん、パタン!とびらがひらかれるのです。このあとの七つのふしぎな物語を読めば、もしかするととびらの見つけかたが、わかるかもしれません。安房直子第二短編集『白いおうむの森』完全収録。小学上級から。
感想・レビュー・書評
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蜂飼耳さんの解説が、素敵だったので抜粋します。
遠くの人を思うこと
これら7つのそれぞれの物語には、共通することがあります。それは、どの物語も、離れた場所にある相手、簡単には会うことができない相手を思う、かなしみとよろこびをたっぷりとふくんでいるということです。
この童話集を読むと、作者はどうしてこんなふうに、会えない距離というものにこだわって書きつづったのだろうか、と思います。会えないことは、くるしく、さびしい気持ちばかりを、波のように送りつづけます。とくに、死にへだてられた別れの場合、受け入れることのほか、どうしようもありません。 けれど、こんなふうにもいえるのではないでしょうか。 人間には、死をも超える想像力がそなわっているのだ、と。物理的にはなにもできなくても、心の奥でしずかに相手を思い描くことならできます。ニ度と目の前にあらわれることがないとわかっている相手のことも、いくらでも思い描けます。胸のなかで慈しみ大切にすることならできます。
そして、そういう心の動きが、今度は生きている人間どうしのあいだでお互いに思いやるという心の動きを生んでいくのです。これらの童話を通して、作者が考えたこと、いいたかったことは、じつは、別れのかなしみや会えないくるしみではなく、それでも生きていく前向きな気持ちや想像する力の強さなのではないかと思います。かなしみやせつなさを描いた物語が読者の心へ運んでくるのは、生の芯をゆさぶる根源的な力です。
読者の心の底にねむっている感情を、掘り起こすような、鋭さにも満ちています。安房直子が心をこめて描いた物語は、いまなお読まれるたびに、新しくよみがえります。
7つの物語
雪窓
白いおうむの森
鶴の家
野ばらの帽子
てまり
ながい灰色のスカート
野の音
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◆安房直子単行本未収録作品集1~7 発行のお知らせ - 安房直子記念〜ライラック通りの会
https://lilac-dori.haten...◆安房直子単行本未収録作品集1~7 発行のお知らせ - 安房直子記念〜ライラック通りの会
https://lilac-dori.hatenablog.com/entry/2022/11/27/113054
会員になろうかな(なれるのか???)
2022/12/14 -
安房直子さん、お名前は存じてましたが、未読でした!これを機会に読んでみたいと思います(*^^*)
猫丸さんにブクログ本棚で紹介してい...安房直子さん、お名前は存じてましたが、未読でした!これを機会に読んでみたいと思います(*^^*)
猫丸さんにブクログ本棚で紹介していただき、新たな読書の世界が拓けた気がします…!2022/12/14 -
workmaさん
猫は知らないのですが、安房直子の作品は教科書にも載ったりしているそうです。
甘口ではないファンタジー。でも優しい気持ち...workmaさん
猫は知らないのですが、安房直子の作品は教科書にも載ったりしているそうです。
甘口ではないファンタジー。でも優しい気持ちになれると思います。。。2022/12/14
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切なくて物悲しいストーリーと安房直子さんの優しい語りが混じり合いふわふわと不思議な世界へと連れてってくれた。
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これは復刻版なので、私が読んだのとは表紙が違うんですよね…。この「白いおうむの森」はそのイメージが脳内に凄く強く残っていて…。沢山の白いオウムの正体に気づいた時のあの総毛立つような感覚が忘れられません。
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雪窓は、たぬきの存在が温かい。野ばらの帽子、怖いわ~。野の音、社会派ね。
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子供の頃 大好きだった安房さんの作品が懐かしく、Kindleて購入しました。
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安房直子の童話集。
異界とこちら側の境目でうろうろするようなお話。
やっぱり物悲しい。
うさぎ屋http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4265928366のサフランの物語あたりはエンデっぽかったけど、こちらはもっと日本風。
昔風の文章にあまんきみこを連想した。教科書繋がりか。
白いオウムの森は谷山浩子の電報配達人がやってくるを思い出した。 -
購入日:2010/06/18
読了日:2010/06/19
2冊合わせて、どの話も極端に悲しいわけではないけど、楽しかったり、面白かったり、わくわくする話ではない。
ちょっと怖いような話や、しんみりする話が多いように感じた。
好きだったのは、「てまり」。
最後にお姫さまが、てまりをくれた女の子がもう子どもとして遊ぶのを止めたこと気付いたところ。
ちょっと違うけど、キキララの白鳥座のお姫さまがダダをこねて遊びに来ていた話と重なった。
「蜂飼耳さんの解説が、素敵だったので」
ホント、上手く表現されてますよね。
『北風のわすれたハンカチ』もそうですが、思...
「蜂飼耳さんの解説が、素敵だったので」
ホント、上手く表現されてますよね。
『北風のわすれたハンカチ』もそうですが、思う力があれば淋しさを乗り越えられるよ。と仰言ってくださってるみたいで、、、
でも『白いおうむの森』はチョッピリ怖いですよね。。。
白いおうむの森 天国?への道案内に、亡くなった、大勢の人々が、みずえとミーを、とりかこんで、「どうぞ、そのねこをください。...
白いおうむの森 天国?への道案内に、亡くなった、大勢の人々が、みずえとミーを、とりかこんで、「どうぞ、そのねこをください。」「道案内に、ください。」「ください。」「ください。」と、呼びかけるところ、 …………こわーい!、、、ホントに怖いシーンでした!
思わず耳塞いじゃうヨ、、、
思わず耳塞いじゃうヨ、、、