空へつづく神話

著者 :
  • 偕成社
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037270803

感想・レビュー・書評

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  • ヒゲさんの記憶を取り戻すため、理子(さとこ)が、がんばります。ヒゲさんの正体が、わかって心がすっきりしました。

  • 微妙な年ごろの描写が巧み。
    ついつい思い通りにいかないことを人のせいにしたり、
    何事にも気合が入らなかったり。

    そんな理子がひょんなことからであったのは
    記憶を失ってしまった神様でした。

    それがきっかけで理子は
    自分の住む津雲市に関して調べるようになるのです。
    そして、ある意味ありげな歴史を
    知ることとなります…

    謎解き要素もあるし、考えさせられることも
    たくさんあります。
    人は、便利になるといろいろなことを忘れてしまいます。
    だけれども、もし、すこしでもそれを
    思い出してくれる人がいたならば…

    もしかしたら、あの神様が
    そばにいるかも?

  • 理子が学校の図書室で見付けた古い本、それは街の歴史が書かれた本だった。その本を手にした時に現れた不思議な真っ白ななひげのおじさんは、記憶をなくした神様だった。
    地神をテーマにしたファンタジー。町の移り変わりや町の名前の由来などに、神様のなくした記憶を絡ませて物語は展開されます。神様と理子のやり取りも面白く、謎による引きつけも強く楽しく読めます。それがラストの爽快感に繋がるのです。
    元々町と神様は結びつきが強いもの。神様の記憶を探る中でそのことに気付かされる様子が素敵です。またここにはさり気なく物事の調べ方も提示されているのですね。そこがまた素敵です。
    町の名前が変わることよりも、それによって町の歴史や謂れが忘れられることの方を問題視する。名前が変わっても歴史がなくなる訳ではない。過去を大切にすることは過去に固執することではない。そこからまた新たな歴史が作られていく。それは未来を築く子どもたちへ託されたメッセージなのでしょう。

  • とても面白かった。

    記憶を無くし、自分の名前も思い出せない神様と一緒に、町におこる(かもしれない)災いを防ごうと郷土資料や史跡を調べることになった理子。
    今住んでいる町の当たり前の姿も50年、100年前は全然違う姿だったわけで…… 調べていくうちに理子は、皆が忘れてしまった町の歴史や昔の人が未来に託した願いを知る。

    こういう歴史はどこの町にもありそうで、この本を読んで、自分の住む町の歴史や謎に興味を持つ子がいるかも知れない。
    学校の図書室の郷土資料をもっと充実させよう。

  • 小学生には富安陽子と岡田淳はお勧めして、間違いはないですよね。
    安定している富安さんなので安心して読めますが、謎解きにもう少しはらはら感があった方がよかったかなあ。

  • 神様なんてえこひいきであてにならない、そう思う理子(さとこ)の前に、名前を忘れたヒゲもじゃの神様が現れた。そして正体を探る手伝いをすることになった理子。その時持っていた本〈津雲の史蹟〉という理子の住む土地の歴史の本に何か関係する神様じゃないかと調査をはじめた。

    全部読み終わると、ファンタジーでも設定がしっかりしてて面白かったと思えましたが、序盤は土地の難しい話やな~と少し取っ付きにくさを感じました。

  • 大好きな富安作品です。

    いつものどおり
    蛇やら神やらと神話の世界が広がっております。
    すてき!

著者プロフィール

1959年生まれ。1991年『クヌギ林のザワザワ荘』(あかね書房)で第24回日本児童文学者協会賞新人賞、第40回小学館文学賞を受賞、1997年「小さなスズナ姫」シリーズ(偕成社)で第15回新美南吉児童文学賞を受賞、2001年『空へつづく神話』(偕成社)で第48回産経児童出版文化賞を受賞、『盆まねき』(偕成社)により2011年第49回野間児童文芸賞、2012年第59回産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞、2021年『さくらの谷』(絵・松成真理子 偕成社)で第52回講談社絵本賞を受賞。絵本に「やまんばのむすめ まゆのおはなし」シリーズ(絵・降矢なな 福音館書店)、「オニのサラリーマン」シリーズ(絵・大島妙子 福音館書店)などがある。

「2023年 『そらうみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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