- Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
- / ISBN・EAN: 9784037272104
感想・レビュー・書評
-
児童書相談員をしている主人公の元にあつまる不思議な話。長くもなく、シリーズではあるものの毎回主人公の説明があるのでどこからでも読めそう。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大事件が起きるわけじゃないけど、ぞくっとするお話。
-
【感想】
・ルビの付け方なんかを見たら児童書カテゴリの本かなと思うけど、普通に面白い。作者の名前は聞いたことあるような気がするので何か読んでるかもしれないけど記憶はない。
・挿画の絵も不思議な感じで、いい。特殊な描きかたをしてるみたいやけど紹介文を読んだだけでは手法がよくわからない。
【一行目】
すぐに命にかかわるようなことはなく、人にうつることもなく、それでも、一年間くらいは、きつい仕事はだめ、……という、そういう病気にかかっていることがわかったのは、三月だった。
【内容】
・図書館の児童読書相談コーナーにやって来た人たちが不思議な物語を語る短編集。
・水色の表紙の算数の問題集と中高一貫校の中学生の話。
・謎の少女とともに幽霊を撮影しに行った小学生の話。
・軽い登山に行ってアリスのような体験をした女子小学生の話。
・女性教師が同僚の結婚式で見かけた白い女。
▼図書館についての簡単なメモ
【アヤノ】朱里の友人。背が高い。
【児童読書相談コーナー】主人公が働くことになった部署。児童相談コーナーになった?
【春晃学院/しゅんこうがくいん】位置付けとしては星協学園(せいきょうがくえん)の滑り止め。とある中学生が好きな小説の作者の出身校。
【女性教師】読み聞かせ用の本を探しに来て、同僚の結婚式で謎の白い女を見た話をしていった。
【杉下】図書館長。
【すすめる】何かを他者にすすめるときには選択肢があるようにするよりもひとつだけに絞ってすすめた方が反応がよいものなのだとか。
【静観寺/せいかんじ】幽霊が出る?
【鷹背山/たかせさん】ケーブルカーがありハイキング的に登れる山。
【中学生】水色の表紙の算数の問題集を探している中高一貫校の生徒。
【図書館】火曜が休館でアルバイトはもう一日休む決まり。主人公はアルバイトのようだ。
【鳥井卓/とりい・すぐる】中学生。市の絵画コンクールに出した「Sの思い出」という作品で奨励賞を取った。名のみの登場。
【仁科紗香/にしな・さやか】たぶん中学生くらい。
【星協学園】中高一貫校で大学への進学率の高い進学校。
【松島朱里/まつしま・あかり】『不思議の国のアリス』が好きな小学五年生くらいの女の子。
【幽霊】《幽霊の紗香さんとの思い出は、ぼくがひとりじめします。》p.86
【ユズハ】朱里の友人。
【横田圭/よこた・けい】小学生。絵を描くのが好き。
【わたし】主人公。「すぐに命にかかわるようなことはなく、人にうつることもなく、それでも、一年間くらいは、きつい仕事はだめ」な妙に都合のよい病気にかかっていることがわかり「暑くも寒くもない屋内で、すわって、のんびり、一日五時間」くらいの仕事をということで図書館で働くことになった青年。司書の資格は持っている。とりあえず児童読書相談コーナーに配置された。う~ん、図書館の仕事って基本的に肉体労働やと思うけどたいじょうぶなんやろか? -
リアルさが…なんか悲しかったな…
-
表題作の「アリスのうさぎ」より「美術館の少女」が好きでした。
探偵小説のような、恋愛小説のような胸の高鳴りがあって。
森泉岳土さんの挿絵もすばらしい。
森泉さんも日常と非日常が交錯するような作風なので大正解だと思います(編集さんグッジョブ…)。
ちなみに、作中に斉藤洋さんの〈七つの怪談シリーズ〉がちょいちょい登場するのでにやりとしてしまいます。
小学生の頃に『ひとりでいらっしゃい』を読んで、ひとりでトイレに行くことがはばかられるくらい恐ろしかった記憶がありますね、はい。
この先主人公がどうなるのか気になるので、シリーズ通読するしかありません。 -
少しこわい小さな話が四つ。
病気のため「暑くも寒くもない屋内で、すわって、のんびり、一日五時間、そういう仕事」として、図書館の児童読書相談コーナーで雇われた青年。彼のもとには相談ともつかない奇妙な話が集まってくる。
曖昧な立場や、彼の余白みたいな態度が、日常からこぼれる謎を呼びよせるのだろうなという強い説得感がある。どの謎もすっきり解決せず不思議が残るのもいい。 -
とある理由で図書館の児童諸相談コーナーでアルバイトを始めることになったわたしの元にやってくる少し不思議な話。
図書館の児童諸相談コーナーにいるわたしの元にやってくる人が、こんなことがあったんですよと怪談めいた不思議な話をするという4編からなる奇譚集。
図書館が舞台だからと言って本にまつわる話はひとつだけで、他は図書館とは関係のない話が続きます。また話を聞き終えたわたしが語り手に、話に合わせた本を紹介するということもありません。そこにあるのは不思議な話の語り手と聞き手という関係性のみ。
それならば図書館が舞台でなくてもいいのではないか。それどころか聞き手もなく不思議な話を4編並べるだけでもいいのではないか。そんな風にも思ってしまいしましますが、読み終えてみるとこの形がしっくりとくるのですね。
図書館の児童諸相談コーナーだから語り手の口が緩んだという妙な説得力も、そこにはあるのです。はじめの話は図書館にあった本が切っ掛けとなるのですが、そのことにより児童諸相談コーナーに道が通じたかのように不思議な話がやってくるのです。
語り手が語る間、わたしは合いの手を入れることもなく質問をするのでもなく、語り手の言葉が綴られています。それでも語り手と聞き手という関係性が必要なのでしょう。それによって不思議な話は、こちらとあちらの狭間にいることができるのかも知れません。語り手と聞き手の間に現れる空間にのみ、不思議な話は存在し得るのかも知れません。
模擬テストの内容が記される不思議な問題集、絵画コンクールの秘密と少女との出会い、アリスのうさぎに誘われた先、結婚式場に現れた白い着物の女性。不思議な話が語られ、消えていくのです。 -
図書館が舞台の短編集で読みやすい。
ちょっと不思議でちょこっとホラー。 -
よくわからない
おもいがない⇒空想 -
図書館の児童読書相談コーナー担当になった主人公の元に集まる、少し不思議な話の連作集。
心温まる系かと思いきや、意外に背筋が冷えるものも。
続編まで繋がるところもあるようなので、次作も読みたい。
森泉さんのイラストもぴったり。