大物作家が失踪するドタバタ劇と恋がスタートするときめきを掛け合わせたストーリー。なんだか主人公悦子が好きになれなくて、白けたまま読み終えました。
???と思ったところを例を挙げると
・主人公悦子の言葉が汚い。
・「貧乏で、七五三で着せてもらえなかった」と言う藤岡を貧困層と位置づけるところ。
・ファッションにはお金をかけるが家賃が格安の商店街の一角の古くて狭い戸建に住んでいる。1階が元鯛焼き屋だったため、きまぐれに不動産屋の加奈子が鍵を開けて鯛焼きを焼きに来る、ナゾの設定。
・顔とファッションが自分の好みの男をコーヒーショップで見かけ、これは恋だ、と確信し、身を乗り出して「ねえ、あのお客さん、よく来る?」と店員に聞く悦子。しかもその男を自分が働く会社の館内で見つけ、受付嬢から名前を聞き出すアグレッシブさ。その男は覆面作家であるのにもかかわらず、男前だったと仲のいい同僚たちに話すところ。
・大学では合コン三昧の日々だったのに、好きになる男には出会えず、何よりも男の方が「完璧すぎる見ため(服飾的に)に引いて近づいてこなかった」、しかも、えてして男というものは、ちょっとダサくて抜けている女を好むものだ、思っているところ。(バブル時代の林真理子氏のよう?今の時代には会わない内容だと私は思った)
・悦子の研修メモ6で『新書とは細長くて表紙のやわらかい、物理的に薄めなウンチク本』と書かいているところ。
悦子が七五三をできないこと貧困層の基準にするところで、全く共感できなくなった。
服にはお金をかけて住居にはお金をかけないのはある程度分かるけれど、おしゃれな人間としてどうか疑問。
覆面作家の正体を、同僚とは言え、躊躇なく話すところに常識がないと感じた。
私自身文章が下手だし、本なんて書けないし、このレビューも間違いだらけだらけなのにこんな評価をして申し訳ないけれど、校閲のお仕事をテーマをしていることがこの本にとっての救いだと思った。