正しさをゴリ押しする人 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040821191

作品紹介・あらすじ

一見、正しいことを主張しているようありながら、強烈な攻撃性を感じさせる人。「正義の人」と「危ない人」の境目はどこにあるのだろうか。「歪んだ正義感」を振りかざしてしまう人たちの特徴と心理を考える。

序章 「正義の人」か「危ない人」か?
第1章 「正しさ」をめぐる攻防がややこしいのはなぜか?
第2章 なぜそこまで「自分の正しさ」を信じ込めるのか?
第3章 「正しさ」をゴリ押しする行動の背景にある心理とは?
第4章 正義感をあざ笑う時代の空気
第5章 「正しさ」をゴリ押しする「危ない人」にみられる特徴
第6章 「正義の人」が「危ない人」に変わる瞬間

感想・レビュー・書評

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  • #読了 「身近にいるいるー」と思いつつ、我が身を振り返って痛いところを突かれギクリとする。そんな本。
    この本によればだけど、多分どんな人でも正しさをゴリ押しする人の面があるんだろうなって思う。それをうまく周囲に迷惑をかけずにセーブできる人と、自分の正義に振り回されてしまう人にわけられるんだろう。
    今後の自分は、信じる正義だけを振りかざす人にはなりたくないな。

  •  4年前の自分にこれを読め、と勧めてあげたい。前職のパワハラ社長に当てはまり過ぎていて、彼の考え方や行動原理を知りたかったのだが、本書にすべて書かれていた。確かに「俺は正義のヒーロー」ってよく言ってたな。認知的複雑性が乏しかったのか。
     とはいえ、私自身も日頃些細なことでイライラしてしまったり、欲求不満を子どもに強く当たることで発散してしまっていたりと、当てはまることもあったので気をつけよう。絶対的に正しいことなんてこの世にはない、という考えを持ち続けること。

  • 言わんとしていることはまさしくその通りだと思ったが、雑誌の特集記事でも書ける内容を、本一冊分膨らませているような印象を受けた。

  • 自分は正義の味方のつもりでも、周りから見るとオカシイ人の事が書いてありました。認知的複雑性の乏しい人。物事を多面的に見れない人。十人十色でみをなそれぞれの考えがあるっていうのがからない人。

  • 某評論家や某論客に対しての意見かな?と邪推してしまう。とは言え、自分にも当てはまる事もあり、これは気をつけねばと感じた。白か黒か、右か左かで物事を考えると行き着く先は「間違いは許されない」となり得る。
    本によれば正しさをゴリ押しする人とは、欲求不満でストレスが多く、自己肯定感の低い人。且つ、承認欲求が満たされない人。

  • 正義とか公平とか平等とか、盲信してはいけない。
    臨機応変さやゆとりが大事だなー。

    自らの態度を振り返り気をつける良い機会となりました。

  • 2017/12/29読了。

  • 平等には2つの考え方がある。古代ギリシャ時代から。
    プラトン=「不等なるものにそれぞれその本性に応じて与えられる平等」こそが正義だが、内紛を避け大衆の不満を和らげるため、無差別の平等を用いなければならないこともある。」

    ネット空間がもたらす幻想的万能感が正義感を煽る。

    人間の隠れた甘えを察知しない西洋文化。
    共感性が乏しい。
    熟慮しないからこそ自信満々になれる=ヒューリスティック思考。労力節約のために安易な判断に頼る。

    認知的複雑性が乏しい=多面的に見ることができない。補遺人と悪い人、味方と敵、に二分する傾向。

    欲求不満攻撃仮説
    社会的欲求不満から。
    日本的甘えからくる欲求不満から。

    ひがむ、ふてくされる、ひねくれる、は同じ根。

    肉体労働、頭脳労働、のほかに感情労働がある。

    劣等コンプレックスの変種としてメサイアコンプレックス。正義ぶるのは、劣等コンプレックスの一種。

    シャーデンフロイデ=人の不幸は蜜の味=妬みが原因。

    正しくやる、よりうまくやる、ことを重きをおく社会。
    グローバル化が倫理感を壊した。
    「菊と刀」=偽りなく利潤追求しても社会には認められない、とは違う世界観が支配し始めた。

    正しさを主張する人の足を引っ張る。
    自分の価値観を押し付ける=認知的複雑性が低い=セルフモニタリングが上手くできない=自己愛パーソナリティが強い

  • 自分は正しさをゴリ押しする傾向にあると思い、客観的に省みるために購入。
    第一章では「正しさ」をめぐるいくつかの攻防について書かれている。特定のトピックに関して複数の立場からの「正しさ」を挙げており、わかりやすい。恥ずかしながら今まで持っていなかった視点に気づくこともでき、有用だった。具体的には、「子供を預けて仕事ができる環境が欲しい」と考える人に対して、「自分の活躍しか眼中にない、自己中な人」と捉える視点だ。
    第二章では、「正しさをゴリ押しする人」がなぜ自分の正しさを信じ込めるのかについて考察している。その一つとして挙げられているのが「熟慮しないから」。議論が白熱するにつれ、ヒューリスティックに考えて問答してしまいがちなので、しっかり自制したい。
    また、認知的複雑性の低い人を説得するときには、メリットのみに絞って説明した方が効果的という話も興味深かった。
    第3章では、「正しさをゴリ押しする行動の背後にある心理」について考察している。ここで挙げられていた「日本的甘えによる欲求不満がもたらす攻撃性」が自分にあてはまっていると感じた。

  • どんな人が危ないかとか、ストレスやネット社会が原因と分析されているが、それ以上の考察や対策に関しての言及が無くやや残念だった。

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著者プロフィール

榎本 博明(えのもと・ひろあき):1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒業。東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。心理学博士。川村短期大学講師、 カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在MP人間科学研究所代表。産業能率大学兼任講師。著書に『〈自分らしさ〉って何だろう?』『「対人不安」って何だろう?』『「さみしさ」の力』(ちくまプリマ―新書)など。

「2023年 『勉強ができる子は何が違うのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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