花戦さ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 238
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041007860

作品紹介・あらすじ

厚き友情と信頼で結ばれていた、花の名手・池坊専好と茶の名人・千利休。しかし秀吉の怒りを買い利休は非業の死を遂げた。専好の秀吉に対する怒りが増していく。そんな専好に秀吉への復讐の機会が訪れる…。

感想・レビュー・書評

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  • 花道初心者で、「池坊」の名前しか知らない状態で手にとってみた。
    「花道」になるスタート地点を、親しみやすいキャラクターとして描かれた池坊専好さんを通して感じることができた。
    今日会えた人に、明日はもう会えないかもしれないと思いながら過ごす戦国時代。
    一期一会を大事にした千利休との親交を絡ませることで、より深みのある物語になっている。
    刀を持たず、花人には花人のやり方での大戦。
    ゆかりのお寺、六角堂へも訪れてみたくなる。

  • 人の考えの多様性を認めることの大事さと落とし穴について気付かせて頂きました。
    専好さんのあっけらかんとした中に、こだわりのある生き方も魅力的でした。

  • 西国巡礼した折に、お参りしたお寺。
    そうか、そういうバックボーンがあったのか・・・。歴史っておもしろい。

  • 美を追求した2人の男の話。
    秀吉により非業の死を遂げた茶人、千利休
    それにより秀吉に仇討ちを
    仕掛けようとする華人、池坊専好。
    自分が信じる美を誰にも
    邪魔させないという気持ち、、
    とっても感銘うけた。

  • あまり歴史上表に出ない方の小説は新鮮で面白いなと思います

  • 武にも秀で、美にも造詣の深かった信長の背中を憧憬と尊敬の目で追い天下人となった秀吉には、すでに叱ってくれる人もなく、元来持っていたコンプレックスゆえますます頑固に頑なになってゆく。
    京都など商業に関しては、都をおおいに発展させたが一旦火がつくと後戻りできなくなってしまった癇癪は、残忍な刑の執行とともに、人々から心を離れさせようとしていた。

    利休と秀吉の葛藤は「利休にたずねよ」と言う直木賞作品でも有名。利休の他にも花の美の巨人、「池坊家」があった。
    特に利休と活動時期を同じくした池坊専好は華道を大きく発展させた芸術家だ。

    その池坊専好と、利休の親交を描き、芸術家と権力者の戦いを描いたのがこの作品。

    もし手元で読む機会があったのなら、ぜひにおすすめしたい作品です。

    この作家、現代小説「カルテット!」「僕たちのプレイボール」も手がけた。

  • 第3回(テーマフリー)
    チャンプ本

  • 花の力を魅せつけられる
    信念をもって生き抜くことの大切さ
    友情
    初心を忘れず。

  • .

  • 戦国の時代に生きた専好と利休。
    花と茶と異なれど、ふたりの美を求める姿の真っ直ぐで素敵なことといったら!

    花で戦さとは、どういうこと?
    と思っていたけれど、戦さの終結が気持ちいい。

    有から有を見出だす、専好さんの立花を拝見してみたいなぁ。

  • 池坊専好の話。「美」というものを解することによって権力者に対峙する。
    千利休や池坊専好にできることは豊臣秀吉や石田三成には理解できないことなのだ。
    最初は素材や視点のおもしろさを感じたが、途中から飽きてしまった。見ていないが、同じような話を映像化したという点では利休を素材にしたもののほうが美の追求という点では「死」があり、極まっているような気がする。

  • お茶、お花、どちらからも楽しめた。

  • 実に下手くそ。視点が定まらなくて読みにくい。テンポも悪い。良いのは其一の表紙だけ。

  •  華道家元三十一世、池坊専好(初代)を主人公とした歴史小説。
     乱世の京において、尚も、美を愛し、市井の営みを慈しみ、民人と交流する専好。
     千利休との友情と信頼、豊臣秀吉の専横と弾圧、そして利休の刑死。
     己の信念に殉じた親友の仇討ちと、華人としての誇りを懸けて、時の権力者に対峙する、芸術家の気骨が描かれる。
     クライマックスの、花の名手ならではの戦いは、若干あっさりした感があるかも。
     しかし、全編通して簡易平明な文体は読み易く、華道の歴史的背景も丁寧に解説されており、物語世界に入り易い作品となっている。

  • 池坊ってこの時代からお花で名を挙げていんですね。
    元々はお寺の住職ってゆうのも驚き。

    最後の戦、お見事でした。

    2017.6.26

  • 美しい、小説であった。映画も、美しいであろう。

  • 「利休にたずねよ」を以前に読んだ。
    時同じ頃の池坊専好の話。
    歴史物ではあったがとても読みやすく、すらすらと読み終えた。
    秀吉に殺された利休の仇討ちを専好なりのやり方で行う場面は爽快。
    北野大茶湯や前田利家の屋敷に飾られた生け花、専好役の野村萬斎さんなどを、是非とも映像で見てみたい。


  • 久々読みやすい&すぐ読める本読んだ気がする。
    これ、映画になるようで
    専好役を野村萬斎がやるのか。なるほど
    京のはんなり感出すのにはもってこいかも。
    年齢は…触れないでおくけど。
    秀吉vs専好のお花の戦い。
    見事でございます。
    というより情景が浮かぶ感じで、描きかたが上手い
    千利休の切腹には諸説あるけど
    まぁこうであってほしいなーとは思う。
    サクサク読めるしちょっとウルっともするし
    後味爽快!

  • 映画が気になったので予習を。 池坊がこの時代に活躍していたなんて知らなかった。
    時は戦国。主人公は華道の名家・池坊家の当主、専好。若い頃叔父とともに、信長の居城・清洲城で花を生け、褒められた過去を持つ。 そして時代は流れ秀吉が天下人に。盟友であった利休の死、そして専好自身にも秀吉の手が延びる…。
    茶と華の示す道、草木を介して宇宙と語り合う利休と専好、彼等は云います「美に至る経路は遠く一様ではない。到達を夢想する事が本願ではなく、その道を歩く今が尊い」と。負けることを恐れ続け、黄金の眩い茶室に権威を委ねた秀吉が、光と熱の太陽であったとすれば、利休の暗黒は全てを包含する宇宙の黒か。
    面白かった。同じ状況でも、角度を変えるとこんな風に見えるんですね。専好の想いと、周囲の人との絆に、切なくて涙が出ます。

  • 華道と茶道。極める道は違っても専好と利休が追い求めるものは同じ。
    迫りくる秀吉の権力にも屈せず貫く美へのこだわり。

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著者プロフィール

著者・鬼塚 忠(おにつか・ただし)
鹿児島市生まれ。大学在学中から世界放浪の旅を始め、四〇ヵ国を巡りながら世界各地で働く。帰国後、海外著作の版権エージェント会社に勤務したのち、独立する。

著作に『Little DJ』(2007年映画化)、『カルテット!』(2012年映画化・ミュージカル化)、『僕たちのプレイボール』(2010年映画化)、『花戦さ』、『恋文讃歌』、『鬼塚パンチ!』などがある。

「2017年 『風の色』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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