傷だらけの拳 道場 (2) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
4.00
  • (1)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 21
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041016046

作品紹介・あらすじ

潰れかけの空手道場師範でお人好しな藤堂のもとには、いつもトラブルが舞い込む。図々しいおやじサラリーマンや生意気だが腕は確かな後輩に振り回されるなか、新たな入門希望者にも一癖ありそうで……。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 空手をすることでの人間形成など、とても魅力ある話だった

  • 『されど愚か者は行く 道場Ⅰ』の続編の連作短編小説。長らく文庫化されたかった作品で、角川文庫から文庫化されたのは本当に嬉しかった。純粋な格闘小説というより、神野聖司から闘心館空手道場を任された藤堂忠之の苦悩や挫折、成長を描いた小説である。

    本作では、主人公の藤堂よりも道場の最高顧問を勝手に名乗る入門10ヶ月の白帯・富永栄助と道場の指導員・山本健三の方が活躍する短編が多いようだ。富永が巻き起こすドタバタに藤堂が巻き込まれるが、時として藤堂が富永に助けられる事もあり、山本は常に安定の強さの空手家として藤堂よりもカッコよく描かれている。

    『初恋』『告白』『黒船』『ひがちゃん』『遺書』の5編を収録。

  • 面白かった。第1弾とは違う面白さ。登場人物がいずれも魅力的。とくにトミーが効いている。

  • 前作での、緻密だけどスピード感ある格闘アクション描写に魅せられ、続編の本作を探しまわったけど、書店でまったく見つけることができなかった絶望感を払拭してくれる文庫化に狂喜乱舞。

    そして、その内容も期待を裏切らない出来。

    本作では健三や富永、悠子のキャラを深堀するような話が多かった印象。それに絡めて主人公藤堂の、不器用で要領の悪い様子が前作以上にデフォルメして描写されており、好意的にとればキャラがより立ってきたという感があります。

    脇役の存在感が強まった反面、押しの弱い主人公の存在感が薄くなってしまった感は否めませんが、ここは続編(あるのか?)で払拭してくれることを期待ですかね。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

永瀬隼介

1960年鹿児島県生まれ。國學院大學卒。週刊誌記者を経てフリージャーナリストとなり、祝康成名義で『真相はこれだ! 「昭和」8大事件を撃つ』を刊行するなど事件ノンフィクションを中心に活躍。2000年『サイレントボーダー』で小説デビュー。事件現場で培った取材力を活かし、現代の深部を抉る骨太のサスペンスや犯罪小説を発表している。近著に『帝の毒薬』『カミカゼ』『三日間の相棒』『白い疵 英雄の死』『12月の向日葵』など。ノンフィクションに『19歳 一家四人惨殺犯の告白』などがある。

「2022年 『殺し屋の息子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

永瀬隼介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×