- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041018590
感想・レビュー・書評
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2020.8.31スタート
2020.9.2読了
2020年の⑯
角川ホラー文庫枠だが怖くない。ホラーなのに出てくる人が良い人ばかり。そして駄菓子屋さんが舞台ということで美味しそうなお菓子をいつも食べている。触発された私は鯛焼きを買いに走ってしまったではないか!シリーズ物の第一作目ということで、まだそれほど多くはない主要人物の今の推しは猫目ジローさん。ちゃきちゃきの江戸っ子らしく千葉の印旛沼あたり出身の主人公を田舎者呼ばわりし過ぎなところもイイですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
妖怪もので駄菓子屋ってのに惹かれて。
さらっと読めてホラー要素はほぼなし、ほっこり系。
駄菓子屋懐かしくなった。 -
Read: Summer 2018
Initially purchased at a local bookstore while looking for a horror(?) genre book to read during the Summer. There was little to no "scare-factor", but rather a more heartwarming story which was a pleasant surprise! Seems like there's a manga adaptation/novel series to this, but I wasn't fully hooked onto the entire book. -
ホッコリする怪異ミステリ。彷徨える幽霊たちの思い残しを解決していく。軽い読み物としてはGOOD
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★迷うなら行動しなさい。(p.74)
【内容】格安な住まいを紹介されて行ったらそこは浮世と常世の狭間にありあやかしたちが暮らす昭和時代っぽい雰囲気の町だった。地底アパートと同じようなシチュエーションで、こちらはギャグではなく少ししっとりしており形式的にはミステリ。
▼簡単なメモ
【一行目】真っ黒な子供が佇んでいた。
【秋山】東原刑事の部下。
【アパート】彼方が入居することになった二階建てで全六室ある古びたアパート。
【遺念火/いねんび】幽霊の火の玉バージョン。腐ったおにぎりの臭いがする。基本的に二つで一つ。
【印旛沼】千葉県に実在する。彼方くんの祖父はむかし龍が住んでいたと語る。水脈もかつてその辺にいたことがあるらしい。タブーを破った龍は三つに分けられ頭は浮世と常世の境に飛ばされた。
【お手玉】小豆洗いが良い豆を選んで入れてくれたのでずっしりと重い。
【彼方/かなた】御城彼方。大学に入学するために千葉から東京に来た。おじいちゃん子だった。あやかしたちにわりとあっさり順応した。
【ケガレ】ほっておくと災いの種となる。
【誤解】水脈いわく《人の目に見えるものは極一部です。だからこそ、誤解が生じてしまう。しかし、おそれることはありません。誤解ならば、あとから正していけばいいのですから。》p.104
【白尾/しらお】龍頭神社の管理や神事をとりしきっている狐のあやかし。
【ジロー】不動産屋。のフリをして彼方を常世に引っ張り混んだたぶん化け猫。水脈に心酔している。
【神事】幽落町では現在常世のものだけで神事をおこなっているが本来は浮世のものがおこなうもので限界がある。
【豆腐小僧】豆腐を薦めるので食べると身体じゅうカビだらけになる。ただ生計を立てねばならないのでふだんはちゃんと美味しい豆腐を売っている。何もつけなくても完食できる。一丁五十円。彼方はジローに豆腐小僧の豆腐を食べさせられたせいで生きながら常世の住人になってしまった。
【ナナ】女の子の悪霊。
【猫目ジロー】→ジロー
【八百/はっぴゃく】狸。
【東原/ひがしはら】横柄な刑事。
【迷い】彼方の祖父いわく《迷うなら行動しなさい。逃げれば君が知るはずだった真実を一つ、喪うことになる。》p.74
【水脈/みお】水無月堂主人。やさしげで美しい男性。品揃えには自信があり欲しいものが見つからなかったらプライドにかけて探しだしてくる。ケガレを祓う能力を持つが限界があるようだ。むかし印旛沼あたりに住んでいたらしい。
【御城彼方/みじょう・かなた】→彼方
【御城彼方の祖父】彼方にいろいろ教えてくれた人。失明していた。
【水無月堂/みなづきどう】駄菓子屋。
【幽落町/ゆうらくちょう】東京都狭間区にある黄昏と境界の町。あやかしたちが暮らしている。ケガレが雲のようにたまりいつも曇っており月に一度の縁日で祓う。東京都内だったら何処とでも通じているので好きな場所に出られる。
【龍頭神社/りゅうずじんじゃ】幽落町にある神社。龍を祀っている。 -
ミステリーとしては弱いけど、物語としては楽しめた
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もうちょっと怖い話かと思ってたら、妖怪とか死人が出て来るちょっといい話だった。
最初の方のぼんやりした黒い子供はちょっと怖い。
有楽町と幽落町を勘違いして、更に常世の物を食べてしまって期間限定で常世の住人になってしまう男子大学生、彼方。
ほぼ、騙された形で浮世と常世の間の幽落町で、人助け(おばけ助け)をする。
店主の水脈さんの推理?推測?が、簡単に真相にたどり着くので、謎解きというほどでもないような。
いい人ばかりで、さらっと楽しめる。
レビュー投稿は8月16日だけれど、読んだのは15日。 -
調べたら作者はこの本がデビュー一冊目なのかな?通りで文章がまだ若い、というか、表現や設定に抵抗を感じる部分は所々あった。
けれど飽きることなく最後まで読み通せたし、全体的に善意の気持ち漂う文章で、キャラクターの個性もしっかり付けられていたので、機会があれば続編もまた読んでみたい。