最後の晩ごはん 小説家と冷やし中華 (角川文庫)
- KADOKAWA/角川書店 (2015年1月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041020579
作品紹介・あらすじ
兵庫県芦屋市。この街に、定食屋「ばんめし屋」はある。
夜の営業、メニューは日替わり一種のみ、幽霊すらも常連客……。
この不思議な店で、元イケメン俳優の五十嵐海里は、ただいま料理修行中。
芸能人としての挫折を乗り越え、常連客で小説家の淡海とも仲良くなり、順風満帆、と思いきや、後輩の若手俳優・里中李英が店を訪れたことで、再び嵐に巻き込まれ……。
人の優しさと美味しいごはんに癒される、泣けるお料理青春小説。
感想・レビュー・書評
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1冊目から続けて読んでしまった。さくっと読めて、ほのぼので、でも胸アツなシーンもあって。
キャラクターが個性豊かで楽しい。
さくっと読書したいときに、これ以上なく最適な本です。
今作では海里の過去との決別、作家淡海さんの兄弟の絆に心打たれました。果たして夏神さんの過去とは…。気になるので次巻も楽しみです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ化されている第二を手にしたみたい。優しい内容でした。引き続き楽しませて頂きます。
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今回ますます面白くなっている。
海里の後輩俳優が店を訪れたことから、マスコミが嗅ぎ付け、大変な騒ぎになってしまう。
しかし夏神の温かく力強い言葉により、海里はしっかりと過去に向き合い、一歩を踏み出す。
後半は、前作少し登場した小説家の淡海先生の話し。
そしてまた幽霊。
幽霊と言っても怖い話しではなく、温かく優しさに溢れた話し。
夏神の過去にもちょこっと触れるが、詳細はまだ。
面白いのはロイドで、より存在感を増し、弾けてきた。
続きが楽しみ。 -
夜だけ営業する<ばんめし屋>を舞台に、訳あり店主の夏神と元顔だけ俳優の店員海里と眼鏡の付喪神ロイドが、様々な客や幽霊たちを相手に頑張るシリーズ第二作。
これまで貸出中で借りられなかった第二作をようやく借りられた。
第二作なので海里の芸能界追放騒動の直後。海里の後輩・俳優の李英が<ばんめし屋>を訪ねてきたことからマスコミに嗅ぎつけられ、あっという間に店が囲まれてしまう。
このままでは店の営業にも支障が出てしまうと海里はこっそりと店から出ていこうとするが、師匠である夏神にズバッと言われてマスコミと正々堂々向き合うことにする。
個人的にはこの辺り、もう少しキチッと書いて欲しかったなと物足りなさがある。
海里はかつて自分が料理タレントとして楽な道に逃げている間、後輩の李英が地道に俳優として努力し実力を積み上げていることに気後れを感じていて余計に李英に対して先輩らしい去勢を張ってしまう。
心のどこかで芸能界への未練を感じつつも俳優としての実力の違いを李英に突きつけられて苦しく、マスコミに再び追い回されることによってその未練をきっぱり断ち切ろうとしている。
せっかくそういう海里の葛藤や心の中でのモヤモヤをキッチリ描いているのに、そこに向き合う一つの段階としての芸能界との離別は拍子抜けなくらいアッサリ描かれていた。
またそれでもしつこく付きまとう雑誌記者に対しても、常連客の作家・淡海の「魔法」によってアッサリと解決してしまう。
結局はこの後も海里は心の奥底で俳優としての自分に対する未練を抱えているわけで、第6作まで読んだ後に第2作を読んでみると、ここでキッチリ芸能界復帰への道を断ち切らないのは作家さんの意図しているところなのかなとも思う。
後半は作家・淡海の13年前に亡くなった妹の幽霊を巡る物語。
ここでようやくサブタイトルの意味が分かってくる。
そして付喪神ロイドの新たな能力もここで明らかになる。
更には夏神の過去の「訳」の影も見えてくる。
しかし現代は難しい世の中だ。名前をネットで検索しただけで、その人が見られたくない心の傷まで曝け出す。
物事を知りたいときに手軽に知るには便利だけど、抉り出してはいけないものまで知るのは複雑だ。 -
一貫の物足りなさを補ってきた!
シリーズものは回を追うごとにキャラが深まるからいいですね。
個人的にはロイドと海里のやりとりが好きです。
海里のゴタゴタはひと段落ついて、作家先生が存在感出してきて、幽霊もちゃんと最後出てきて、シリーズの型が見えてきました
2023.8.28
141 -
『最後の晩ごはん』続編。というか次も出てるのでシリーズ第2弾。
前作でチラッと出てきた淡海先生の過去にまつわるお話。今回も店に現れた幽霊の願いを叶えるために、海里と夏神(+ロイド)が腕をふるう。
最初チャラいだけに見えた海里が、過去の事件と真正面から向き合い、成長していく姿がすがすがしい。夏神さんの無骨な優しさもいいし。ロイドはだんだん何でもありな感じになってきたけど。
何より地元出身者としては、ローカルな話題が楽しい。まさか芦屋のルナ・ホールまで登場するとは。それだけで2割増ぐらいの楽しさがあるかも。
結局夏神さんの過去は持ち越しの形。次作では語られるかな。 -
今作もほっこり.そしてつくづく思う,故 香月日輪さんの作風にそっくり.これからも長く読み続けることになりそうだ.楽しみ.
以下あらすじ(裏表紙より)
兵庫県芦屋市。この街に、定食屋「ばんめし屋」はある。夜のみ営業、メニューは日替わり一種のみ、幽霊すらも常連客…。この不思議な店で、元イケメン俳優の五十嵐海里は、ただいま料理修業中。芸能人としての挫折を乗り越え、常連客で小説家の淡海とも仲良くなり、順風満帆、と思いきや、後輩の若手俳優・里中李英が店を訪れたことで、再び嵐に巻き込まれ…。人の優しさと美味しいごはんに癒される、泣けるお料理青春小説。 -
淡海先生、すきだな。
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今回も読みやすくて良かった。
夏神さんの過去が気になるー。