なぞとき紙芝居 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 188
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041023266

感想・レビュー・書評

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  • 小さな村に住む高校生と謎の紙芝居屋さんのお話。幽霊怖い。
    2022/4/15

  • 夜見師が面白かったのでその流れで読了。

  • 本作のメインキャラは、高校生の木崎奏(きざき かなで)。
    そして偶然出会った?バッドエンドな結末ばかり描く
    紙芝居屋の御劔耕助(みつるぎ こうすけ)
    太宰治と中原中也と海藻を足して三で割った感じ・・・らしい。
    「バッドエンドの男」「沼神」「通り道」「君のための紙芝居」
    の4作を収録。
    これはホラーというより昭和ヲタクな男と
    世話好きの高校生のビビりながらもホッコリするお話しです。
    沼神がお気に入りです。耕助の優しさと目の付け所がステキ。

  • 夜見師で知った中村さんの二作目。
    夜見師よりも軽めのストーリーのようでいてまだ何かがあるのは確からしいので今後の展開が楽しみ。ストレスなく読めて楽しい。

  • 高校2年生の木崎奏が出会ったのは、常に和服で丸眼鏡、紙芝居屋を自称するどこか浮世離れした御劔耕助という男。
    彼は喫茶店〈ひがな〉の地下室で昭和レトロな品々と亀の「ばっけ」と暮らす謎多き人物だ。
    観客のニーズを無視したバッドエンドの紙芝居ばかりつくる御劔に気に入られ、奏も何かと頼りなさ気で頼りになる御劔と不思議な夏休みを過ごすことにー
    紙芝居が秘められた過去をひもとく、心ほっこりレトロ・ミステリ。

    第1話 バッドエンドの男
    町内会の夏祭りのメインイベントに用意した紙芝居屋が来られなくなり、代理に呼ばれたのは…御劔と奏の出会いと、奏の友人兄弟の心霊スポット探訪の顛末。

    この紙芝居が作中で1番怖かった-
    これ見てから真夜中に廃墟へ遊びで行くとか…無いわ-

    第2話 沼神
    奏の祖父の認知症疑惑、亡き祖母の形見分けで祖母の生家へ行く話。

    病気で隔離って状況でなければ、屋根裏部屋的でちょっとワクワクするかも。
    当人の本心は謎だけど、弔ってくれる人も晩年まで忘れずにいた人も居たってことが救いなのかな。
    お祖父さんもしゃっきりして良かった-

    第3話 通り道
    御劔の店子・沙弥子の娘留美と同級生・健太の幽霊捕獲作戦!

    複雑な関係の御劔と沙弥子・留美親子。
    留美の口達者で本人には厳しいけど教えは守って呪いキャンセルに付き合う姿がかわいい-
    見える人って本当に怖いだろうな…
    そして作中でも言われてるけど味海苔の空きケースに幽霊入れようとする発想が…もう!凄すぎる-

    第4話 君のための紙芝居
    産休代理で奏の高校に来た大野百合先生。彼女の住むことになったアパートの隣部屋は幽霊が出て住人が定まらないという噂が。噂を払拭する為に御劔がひと月住まうことになるが…

    秘めた力のある百合はともかく、見えるのはぼんやりだけど存在ははっきり分かる奏は相当ゾワる体験だと思う?隙間から覗いてるなんてありがちだけど読んでるこっちも背筋ゾワるよ…
    想像でよくその物語を正解に導いて昇天させたな-感心。
    そしてバッドエンドじゃないよ-
    幽霊を間に挟んで紙芝居に涙する祖父孫コンビにもなんか和む-


    御劔の紙芝居、意外と夏の怪談としての需要がありそうだな-と。
    ほっこり、というより、夏の終わりに感じる終わっちゃうのが惜しくてでもどこか充実感あって少し淋しい…そんな気持ちになりました-
    これ一冊で、ひと夏過ごしてキリよく終わってる。ようで御劔の過去や百合の正体とか、もや?っとした謎は残ってたり。気になる。

  • あらすじにもあるように、ホラーというより、ほっこりテイストなお話。飄々とした紙芝居屋の耕助に、素直でいい子な高校生の奏、二人のキャラもよかった。耕助には、まだ謎なことがあるので、続きも読みたい。

  • バッドエンドしか描けないという紙芝居屋・御劔と体育会系高校生男子・奏が、ちょっとホラーでファンタジーな謎を解いていく。

    最近よくある感じの話で、良くも悪くもラノベ感満載。読みやすいし、とにかくキャラが立ってる。常に着流しで、天パの海藻男と、合気道を嗜み真面目で素直な男子高校生の組み合わせが面白い。

    心霊現象の起きる廃墟とか幽霊とか、ホラーなんだけど、登場人物がほのぼのしてるのでそんなに恐くはない。
    まだまだ御劔の謎めいた言葉の意味も分かってないし、これはシリーズ化するのかな。

  • なぞとき紙芝居シリーズ、1作目。

    角川ホラー文庫からの出版だから、というわけではないだろうが、キャラも文章もいたってラノベ風。あと、謎解きと言いつつ、やはりホラー風味。それなりに怪奇じみてて怖いところもあるけれど、キャラがほのぼのとしているし、文章も優しく描かれているので、楽しく安心して読めた。惜しむらくは、表紙絵の奏が綺麗すぎるというか、筋肉バカには見えないところ。今時の綺麗な絵だとは思うけど、内容とかけ離れてまで美化するのはどうかと思う。続編も出ているようなので、もう少し耕助という人物が掘り下げられるかな。楽しみです。

  • 「裏閻魔」が好きで、その後もチェックしている作者だが、残念ながら、あの作品を超えるものはまだない。

    本書も紙芝居屋の耕助と高校生の奏との掛け合いは微笑ましいし、それぞれの短編も悪くはないのだが、何か全体的に物足りなさが残る。
    耕助が誰を待っていたのか、謎は解明されないままということはシリーズ化されるだろうか?

著者プロフィール

秋田県生まれ。『裏閻魔』で第1回ゴールデン・エレファント賞を受賞し、デビュー。他の著作に『陰陽師と無慈悲なあやかし』『なぞとき紙芝居』「夜見師」シリーズなど。秋田県在住。

「2022年 『異邦の使者 南天の神々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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