もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 94
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041026090

作品紹介・あらすじ

『悪名の棺 笹川良一伝』などで知られるノンフィクション作家の日常は怪談だった! 衝撃の文豪怪談実話「三島由紀夫の首」ほか怪談専門誌『幽』連載エッセイをまとめた傑作が待望の文庫化。解説・角田光代

感想・レビュー・書評

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  • 怖さを求めて本書を手に取ると、少しガッカリするかもしれない。霊やお化けが見える人達のリアルは、見えない人が想像するほど恐怖の毎日ではなく、実は淡々としたものなのかもしれない。

    本書で怖かったのは著者の体験談ではなく、著者が人から聞いた話、バリの黒魔術についての「悪魔の木」と、川端康成の奥様から聞いた「三島由紀夫の首」が印象的であった。

  • 作者の子供のころから今にいたるまでの不思議体験を綴った短編集。
    私はおばけなど生まれてこのかた見た覚えがないので、こんな世界が本当にあるとは信じられないのだが、やっぱりノンフィクション作家がいうんだからやっぱりあるのか??などど終始頭を捻りながらも興味津々で読んだ。全編に昭和の時代の香りが漂っていて、そういえば子供の頃の怖い話ってこんな感じだったなぁ、と懐かしさも感じた。
    様々な不思議な話の中でも三島由紀夫の話が特に印象的。これは本当に本当の話なんだろうか?川端康成と三島由紀夫を今度読んでみようと思う。

  • 醤油味の怪談。怖さでは「なぜオバ」よりは怖いが、ホッコリするお話も多く気楽に読めました。

    解説で、角田房代も書いているが、お化け話もいいのだが、工藤さんの人生の方がもっと凄い。自分もそちらに興味を惹かれた。

    確か、自伝的な要素の強い作品もあったと記憶しているので、そちらも読んでみたい。

  • 20240423
    『怖い顔の話』に続いてこちらも面白かった。こっちの方が好きかも。
    作られた怖い話も好きだけど、やっぱり「本当」の見た、感じた話は面白い。確かに、ゾワゾワして背筋が凍るゾッとしたオチはないのかも知れないけど、それがリアルで良い。本当の怖い話って、明確なオチなどない事がほとんどだと私は知っています。

    すぐに工藤さんの他の怪談エッセイも読みたいけど続けて読むのはちょっと怖いので、間をおいてからにしたいと思います。

  • 再読。知人と怪談話で盛り上がった流れで、また実話怪談を読みたいな…と思い本棚から出した。

    タイトル通りノンフィクション作家である著者の霊体験や聞いた話をまとめた実話怪談エッセイ。因果関係の分からない奇妙な体験や、三島由紀夫と川端康成(そして川端夫人)にまつわる怪談話もあり…。実体験系は怖いというよりも奇妙な体験寄りのような。
    怖がらせる為の文章ではなく「こんな事があった」と淡々と書くので、怖い話を読みたい、と思って読むと少し違うと思うかもしれない。

    霊感は無いと言いつつも霊らしき存在は見ているし、色々と感じてるよな…とも思うのだが。しかし己の感覚重視で「見えるんです!」と自信満々それ前提に語り続ける人よりは中立的な立ち位置から見る「なんか変だな…」という印象そのままに語る方が受け入れやすいか(自分も「何だったのかよく分からない謎の体験」がいくつかあり、視点としてはこちらの方が親近感がある)

    連載形式だった故か、体験談の時系列と家族親族関係の説明が飛び飛びで読み手側としては突然増える関係性に混乱するのが残念な所。

  • ことさら怖がらせようとすることなく、フラットに自分の体験を語っているのがいい。

  • 2022 6/6

  • 何とも怪異に溢れた日常を送るにも関わらず、あまりに明確に「見え」「聞こえ」ること、そして当人の恐るべき無頓着さによって、不穏でありつつもどこか軽妙なエッセー……を装ってはいるが、内容は十分に実話怪談集。
    著者の波乱万丈―と一言で言い切ってしまったら失礼かもしれない―な人生もなかなかに壮絶で読み応えある。また、幽明境を異にする存在を何度も目に、耳にしていながら、そのような存在であることに気付かず、後になってからそういう存在だった、状況だったと認識することを繰り返す……そんな並外れた鈍感さ、無頓着さは読み進めていくうちに、おかしさを通り越して薄気味悪さすら覚えてしまう。各話で描かれる怪異や実在しない存在よりも。

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著者プロフィール

工藤美代子(くどう・みよこ)
昭和25(1950)年東京生まれ。ノンフィクション作家。旧チェコスロヴァキア・カレル大学を経て、同48年からカナダに移住し、バンクーバーのコロンビア・カレッジ卒業。『工藤写真館の昭和』で第13回講談社ノンフィクション賞受賞。そのほか『国母の気品 貞明皇后の生涯』『香淳皇后と激動の昭和』『美智子皇后の真実』『美智子さま その勁き声』など著書多数。

「2021年 『女性皇族の結婚とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

工藤美代子の作品

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