銀の匙 (角川文庫クラシックス な 2-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041028070

感想・レビュー・書評

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  • 装丁と帯の言葉に惹かれて。
    「生きもののうちでは人間がいちばんきらいだった」。そんなことが帯に書かれていると、どんなド直球ネガティヴなお話かと思ってしまう。しかしあまりにもさらっとこの言葉は出てくる。感情描写というより風景描写。描写がすばらしい。つまっている。一度読んだだけでは全部味わえない。

  • 表紙のかわいさに惹かれて購入。
    1度目より2度目、2度目より3度目と読めば読むほどおもしろい作品でした。
    あらすじがついていたのもそのためだったのかな。
    主人公と周りとの関わりでみえてくる心の成長だとか、人それぞれの性格や考え方が見えてくる感じが、とてもよかった。
    そしてその行動も、表現に使われている言葉も、美しい。また読みたい。

  • んー。私の趣味ではないなー。

  • 言葉が美しい。それが素人でもよくわかるし、ゆっくりじっくり読みたくなる。読んでいると心が洗われ、落ち着いてくるような気がする。周りの風景が鮮明に目に飛び込んでくるようになる。それをネガティブにとらえないような心の持ち方を自然とできるような気がする。
    劇的な出来事が起こる訳でもないが、静かな心地よい感動を味わえる。こういう物語を読んで、何かを感じ取れるような子になって欲しい。

  • 生きもののうちでは人間がいちばんきらいだった

    そんな帯の言葉に引かれて購入。
    ネガティブな言葉に暗い内容なのかと思えば、少年時代の日常を描いた作品だった。
    だが、ただ描かれているのではない。言葉、表現はハッとするほどうつくしい。解説にも書かれているが、擬音・擬態語の表現がうまい。大正時代に書かれたものなので、知らない言葉や文化もあるが、その表現の巧みさに引き込まれていく。
    また読み返したいなと思える文学。表紙もすばらしい。

  • 海堂尊の反動で、綺麗な日本語を取り込みたくて衝動買い。
    のんびりまったり読んでる間に甥が産まれ、主人公に感情移入して読み始めたのに、後編は伯母さんの気持ちになってしまった。

    洗練された美しい文章とは違うけども、朴訥として、素朴で、温かみのある文体。
    全体に流れる空気感が懐かしくてとろりとしたかんじ。
    大切にしまっておきたい話。

  • 再読。

    とにかく日本語が美しい。初めて読んだときはなんとなく難しくてうまく理解できなかったけど、今回もやっぱりちゃんとわかってないかも……。

    前編の、今では味わえない子供時代の話が特に好き。

  • 独自の擬音や細かい描写で 美しい光景がありありと浮かんでくる。
    自伝的小説。
    夏目漱石も賞賛した珠玉の名作。

  • 2011年夏から始まった、角川文庫×手ぬぐいメーカー、かまわぬによる表紙。どれもレトロでかわいらしいテキスタイルだが、個人的にはこの本の透明感のある色味が一番きれいで好き。

  • 国語の教材として話題になっていた本だったので、読んでみたくて。

    いまとなってはもう味わえない懐かしい風景が、その頃のままの色合いで描かれている。
    美文ではないと思う。なんのてらいもない、一息の長すぎる文章は少し読みにくい。
    でも確かに心にその風景を、手触りや匂いや温度まで伝えるこまやかな文章。
    日本は、うつくしい国だったんだな。
    “美(うま)し国”という言葉を思い出した。


    失われつつある彼の時代へのタイムトラベルを。

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著者プロフィール

1885年、東京に生まれる。小説家、詩人。東京大学国文学科卒業。夏目漱石に師事。漱石の推薦で『銀の匙』を『東京朝日新聞』に連載。主な著作に小説『提婆達多』『犬』、詩集に『琅玕』『飛鳥』などがある。

「2019年 『銀の匙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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