- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041031612
感想・レビュー・書評
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古めかしいけどこういう本格的な謎解きが好き
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推理小説作家(本格推理というのでしょうか)やミステリ小説マニアの間で良く耳にする作品だったので、読みました。
初版が50年前とかなり古い作品ですが、こちらを読む直前に石坂浩二版の金田一シリーズの映画「悪魔の手毬唄」を見ていて、発表当時は計り知れないほどの衝撃だったのだろうと感じました。
連続殺人事件における「どうしてそのようなことをしたのか」の理屈、ロジックが美しいです。8割ぐらい連続殺人事件の場面が入っていて、途中警察が介入するも尽く見過ごし(警察マヌケ過ぎない…?)、満を持して登場した素人探偵星影龍三が鮮やかに事件を暴きます。人間関係など動機から事件の真相を探る金田一耕助の姿が世間に浸透していた当時、彼の姿は新鮮に映ったのではないでしょうか。
言い回しが少々難しいですが、最後の爽快感がたまりません。スッキリしたい方におすすめ。 -
とにかく人がどんとん殺される。こっちが考える間もないくらいに。
避暑を目的として学生たちが訪れたリラ荘は、もとの所有者がライラックの花を愛し、それを屋敷の周りに沢山植えていたことからついた、今では日本芸術大学が学生のためのレクリエーションの寮だ。
ここを訪れた学生は、男性が4人と女性が3人。個性的でアクが強いメンバーだ。メンバー同士の仲もあまり良くないようで、なぜ同じ時期にわざわざ訪れたのか不思議な気がするけど。
この犯人はそうとは見せないが、非常に頭がよく、機転がきく。この狭い敷地内で、最後まで疑われずに何人もの人間を短期間に殺すのだから。
読みながら何度も笑っちゃったのは、刑事や警部のまったくの役立たずぶりだ。屋敷に泊まり込むものの、そばから次々と殺人が起こり、挙げ句の果てには、最後まで生き残った誰かが犯人だということしか思いつかない。
そこで探偵の登場だ。
探偵はすごい。話を聞いただけで犯人が分かり、おおよその動機を探り当てる。
これらの殺人が成功した影には、色んな仕掛けや秘密があるのだが、読み終えた今となってはただただよく出来ているなとしか思えない。無理矢理な連続殺人事件のわりには、その犯行自体に無理はない。
同級生や周りの人が次々と亡くなっていく割には、みんなあっけらかんとしていて、これだけ人が殺されているのに警察もそれほど焦る様子もない。緊迫感に欠けるほのぼのしたミステリーだなと感じた。
読んでいる最中は、犯人とその動機が気になって、どんどん読み進めたかったのだが、どうも古臭い文章や表現、時々でてくる変な言い回しが引っかかって読みづらかった。
古い話だから仕方ないけど、よくできたミステリーなので、もう少し新しい時代設定で全部書き直したらいいのになぁと思った。 -
サクサク読めたのですが、
描写の古さがどうしても現代と合わず、
なかなか取り入れられづらいところがありました。
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古典本格ミステリーを久々に堪能。
隙のないロジックに、なんなら謎解きのヒントは読者にも平等に提示られているこの作り込み方が本格派だわぁ。
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文体、話し言葉に時代を感じるが、味があって良い。
主要登場人物が、性格最悪・容姿ブサイクだらけ(笑) -
初鮎川作品。
人里離れた別荘×男女の学生、なんて連続殺人の推理小説の王道な感じがする。出版は50年以上前だから、少し古風で、王道な感じ。あまりミステリーに詳しいわけではないけれど。
ちょっとした違和感が最後につながって、推理を聞くと犯人の特定できるのも当然、なぜそれまでの謎を私はそう解釈できなかったんだろうという感じですっきりした。