蜘蛛の糸・地獄変 (角川文庫 あ 2-7)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041033142

感想・レビュー・書評

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  • 地獄変と邪宗門がよかった。続きがあって種を見破り鼻を明かして欲しかった。全部身振り手振りする語り手がいて、それを聞いているみたいな落語みたいなそんな気持ちになった。そういうテンポ感があったからか。

  • 「毛利先生」
    教室内の多くの生徒と先生1人の構図ってやっぱり数の力というか一方的な力関係があるよなぁ...自分の学生時代にいた毛利先生のような人を思い出して心が痛くなった
    「芋粥」と共通する。

  • 短編の持つ力
    きゅっとその物語の世界に
    入り込んでしまう

    「邪宗門」が未完なのが悲しい

    一二三館書店にて購入

  • 地獄変は、芸術至上主義への問題提起か。

  •  地獄変は教科書で学んだ宇治拾遺物語の「絵仏師良秀」の続きのお話。
    燃え盛る家の中で女房子供が燃えているのを見て、不動明王の背中の火を描いたというサイコ良秀は、今回も健在。
     地獄の様子を屏風にしろと言われ「私は見たものしか書けん!」と、自分の娘が牛車で燃やされても、絵を描いていた。
     良秀が芸術のためなら家族の命だって厭わないという狂信的な芸術至上主義なのはわかったけど、それだけじゃ「宇治拾遺物語」と同じ。
     ここからが芥川。語り手のうさんくささ(事実を言っていない可能性)と、大殿の実際の行動から、良秀も大概だけど、大殿もかなり性格が悪そう。
     そんな大殿が良秀を嗜めようと、見たこともないはずの地獄の様子を屏風に書けと命じたから、今回「も」悲劇が起こる。

     ただ、そのままだと、娘が浮かばれなさすぎるので、「猿」という救いの手を差し伸べたのは、芥川の優しさだったのかな。正直「猿」必要かなぁって思いながら読みました。

  • 未完の『邪宗門』を初めて読んだ。序盤から芥川らしい世界観に浸り面白かったが、終盤、摩利信乃法師と僧都の法力合戦になったあたりで未完のまま放置したのもわかるような気がした。あのあたりで詰んだ感じがした。最後まで長編をものにできなかった芥川に足りなかったものは何だったのだろうかと思う。

  •  「袈裟と盛遠」「奉教人の死」「枯野抄」「邪宗門」「毛利先生」「犬と笛」などの短編が表題作の他に掲載されている。芥川が創作意欲が盛んな頃に書かれた作品なだけに、童話から明治物、江戸期物、王朝物などの様々なジャンルを様々な手法で描いている。芥川というと「羅生門」のイメージが強いが作品によって様々な文体を使い分けているので、どの作品にも新たな発見を読み手に与えてくれる。
     古典的名作だが今読んでも楽しめる。

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著者プロフィール

1892年(明治25)3月1日東京生れ。日本の小説家。東京帝大大学中から創作を始める。作品の多くは短編小説である。『芋粥』『藪の中』『地獄変』など古典から題材を取ったものが多い。また、『蜘蛛の糸』『杜子春』など児童向け作品も書いている。1927年(昭和2)7月24日没。

「2021年 『芥川龍之介大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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