十二の贄 死相学探偵5 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041036310

作品紹介・あらすじ

死相が視える探偵・俊一郎のもとに、遺産相続殺人と思われる事件の捜査依頼が舞い込む。莫大な遺産の配分を指示する遺言状には、相続人の生死で取り分が増減する異様な条件が記されており――。

感想・レビュー・書評

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  • ※ちょっと辛口(・・;)

    三津田作品は刀城言耶シリーズが断トツでお気に入りです。

    だけど、本作の死相学探偵シリーズも、前者にはないキャラ萌え要素や、ライトに楽しめるエンタメ要素強めな作風が取っ付きやすくて読みやすいので、三津田作品にはハズレがないな〜と思っていたんです。


    が。


    本作は、死相学シリーズのライトな要素がかなり強調されていて、三津田先生の持ち味である「恐怖の描写」がかなり削がれている印象を受けました。

    「十二人の被害者」設定を裏切らず、なかなか派手に被害者を量産しているんですが、いつもの「思わず背後を振り返ってしまいそうな」殺害シーンの恐怖の演出は残念ながら不発。
    例えて言うなら、和製ホラー(見ないけど)の背筋がヒヤッとする怖さを期待してたのに、いざ鑑賞したらハリウッドのスクリームホラー(見ないけど)の驚かせる系だった時のガッカリ感。ホラー映画見ないけど。

    十二というキーワードの解釈が一転した時は、ちょっと盛り上がれそうだったんですが、真顔で呪術とか持ち出されちゃうと…ちょっとコレジャナイ感が出ちゃいますね…。いや、そもそも前提がスーパーナチュラルな能力持ってる主人公なんだから、そこは受容すべきか…?

    シリーズが進んでいくにつれ、ミステリ色が薄れてファンタジーの色を濃くしていってるのも残念。あれだけ被害者をおっそろしいビジュアルで幻惑してて、その方法に説明がないのもなー。うーん。

    おお…三津田作品をこんなに酷評したことないから、すごい違和感…。
    ハードル上げ過ぎてる感はあるな、うん(自業自得


    amazon師匠よりコピペ(^^)φ
    中学生の悠真は、莫大な資産を持つ大面グループの総帥・幸子に引き取られた。7人の異母兄姉と5人の叔父・叔母との同居生活は平和に営まれたが、幸子が死亡し、不可解な遺言状が見つかって状況は一変する。遺産相続人13人の生死によって、遺産の取り分が増減するというのだ。しかも早速、事件は起きた。依頼を受けた俊一郎は死相を手掛かりに解決を目指すが、次々と犠牲者が出てしまい―。大好評シリーズ第5弾!!

  • このオチはどうなんだ?
    悠真目線がたくさん出てきたので犯人とは思わなかった。
    そして、最後にドドッと死亡で驚いた

    このシリーズを追い続けるうちに、呪術に興味出てきて本買っちゃったよ。
    あと、ホーンテッドマンションも観に行っちゃった。

  • 本の面白さって、どこで感じてるんだろう…。自分でもよくわからないけど、このシリーズはとても好き。

  • 相変わらず僕にゃんがいい味出してます(笑)
    冒頭の導入部に較べて、解決部分にページを割いていないのが、残念な気がしました…
    次回作に期待します!

  • 双子座が怖過ぎました。ゆうまが犯人なのは意外でした。びっくりしました。

  • シリーズ物とは知らずに途中から読んでしまった。
    「死相」が見える探偵が、呪術で人を殺す能力を得た犯人を推理するストーリーのようだ。
    普通の刺殺や絞殺ではないため、ハウダニットは難しいだろうが、今回は叙述トリック気味のフーダニットだった。
     前半の中学生が怪異に追われる描写はとても怖かったが、その正体についての解明はなし。
     ミステリー要素はしっかり楽しめた。

  • ナンバリング通して数字にこだわってて、意味があるのか気になる。そのおかげで、事件関係者が増えすぎなうえ、名前が読みづらかったり覚えにくいので、理解するのがちょっと大変な12の贄。

    著者も人物設定が大変だろうけど、設定がすごく強引に感じる。

    三津田信三の作品はすごく好きなのだが、これはつらい。
    シリーズ化しているのだが、毎度毎度、死相学探偵とは何ぞやから入る説明が長い。

    毎回凄惨な事件とすごく対比して、唯一の癒しが僕にゃん。
    カワイイよ、僕にゃん。だがそれでいいのだろうか?

  • なんだかとっても尻つぼみな感じです。
    オープニングの悠真深夜の冒険がとてもよかったので一層終盤がやっつけたみたいに感じられて残念。
    犯行手段がはっきりされてないのもどうなのか。探偵と銘打っているならばそこを曖昧にしてはいけないのではないのかな?

  • なんとも言えない。
    弥勒教についても結局なんだったのか釈然とせずもやもや。
    また無駄なシーンも多く感じる。
    正直ライトが売りな死相学探偵シリーズだけれど、おばあちゃんとのやり取りが長すぎ進みが遅すぎてイライラしてしまう。
    これから解決に向かって!というときに冗談が挟まれると今はそれどころではない!と思ってしまい……。
    メリハリをつけてもらいたい。
    曲矢の妹の亜弓もしたたかそうだが引っかき回していくタイプのおキャラクターで苦手。
    ふと思ったけれど曲矢の下の名前って何なのだろうか。
    特に出てなかった気がする。
    妹ちゃんが、亜弓で、「矢」と「弓」になってるのもなんとなく引っかかる。
    ただの言葉遊びなのだろうか。

  • 亡くなった資産家の不可解な遺言状によって起こる遺産相続騒動。
    黄道十二宮に基づく財産分与やら、血の繋がらない13人の相続人やら、故人が生前に凝っていた呪術やら宗教やら設定はてんこ盛りだけどさらっと読み終えた。

    前半の『肝試し』イベントはさすが三津田先生というべき怖さ。
    終盤はページが足りるのか心配になったけどあっさりまとまっちゃった感。
    良くも悪くもライトな感じのシリーズですよね。

  • 奇妙な遺言状を残して亡くなった大面幸子の、血の繋がらない13人の家族

    莫大な遺産を巡る連続殺人事件
    星座の位置によるアスペクト

    僕にゃんはみんなの癒し
    いつの間にやら人見知り克服

  • 今回、辛口。
    三津田さんの作品でライトな持ち味の死相学探偵シリーズの第5弾。
    今回はラノベよりライト過ぎ!!
    あっさりアサリ汁すぎる
    今までの作品の中で一番残念…ε=(>ε<)
    前半、ホラー色満載でいい感じだったのに
    後半が駆け足すぎ!!

    大企業グループの総帥・幸子に引き取られた中学生の悠真。
    ここの家には7人の異母兄姉と5人の叔父・叔母がいて1年後、幸子が死去。
    幸子が遺した遺言状により取り分の多い悠真と他の異母兄姉・叔父・叔母の関係が微妙に。
    そのギクシャクした空気の中、
    悠真が誘拐されるその後で起こる連続殺人。

    結局、弥勒教はなんだったの?

  • 死相学探偵シリーズ。大好きなシリーズなのになかなか読み終わりませんでした。そのわけは、冒頭のアレがあまりに怖すぎたから! いくら巨額の遺産が入るからといっても、あれは嫌だー!!!
    黄道十二宮殺人事件、ミステリとしてはかなり魅力的な要素です。でもやっぱり普通の殺人ではなく、黒術師の絡む呪術。ミステリとしてもホラーとしても文句なし。ちなみに私、天秤座ですが。あの死相は唯一コントみたいで嫌だなあ、と思いました(笑)。
    怖いし犯人の狙いも分からないし、じわじわと嫌な雰囲気がいっぱいの作品なのですが。俊一郎と愛染様の漫才や曲矢兄妹の存在がほどよい笑いと安らぎを与えてくれる印象でした。そしてやっぱり僕にゃんが! ほっこりさせてくれますねえ。

  • 死相学探偵シリーズ第5弾
    知らぬ間に出てたので購入。

    いや〜読みやすいですね。

    元々、作者の作品は(個人的にはですが)どれもスラスラ読めるのですが、このシリーズは読みやすさが特に顕著のように思います。

    まあ、それだけ薄口ということでもあるのですが…たまにはこういうのも良いんじゃないでしょうか。

    で中身なんですが、個人的にはいつも通り楽しめました。
    シリーズで一番面白かったんじゃないかな…いや、他の作品の内容は忘れてるしな…

    何にしろ、いつもの死相学探偵シリーズなら脱力してしまうのが最後のミステリとしてのネタの部分なんですが、そこが今回はある程度工夫されてて、(どこかで見たことがあるネタではありますが)良かったと思います。

    にしても、主人公が飼っている猫の名前、いつか叙述トリックで利用されるんじゃないかと思ってるんですが…なかなか来ませんね〜

  • え……そ、それでいいの?
    と、思わず目が点。
    わかってます、ミステリじゃないんだもんね。
    でも、でもね、このシリーズ期待してたから……。
    こういう方向性でいくことにしたのかなあ……だとしたら、ちょっとがっかり。
    三津田さんのホラーシーンが好きなので、読み続けるとは思うけどね。

  • 今回も黒術師の不気味な存在が垣間見えます。
    ホラーとミステリの融合は、相変わらず見事です。
    呪いや魔術的なことも、それなりに筋は通っているので、最後の謎解きにも納得です。
    ホラー前提のミステリ作品で、本格ものの味わいもあります。
    次回作も楽しみです。

  • 死相が見える探偵を主人公にしたホラーミステリ第五段。資産家の遺言のため特殊な状況に置かれた十三人の相続人が過ごす屋敷で事件は起こる。
    序盤は重たいホラー感がよい。遺言状のため中学生が一族の墓地を訪れ、地下の暗闇を歩く描写は臨場感あってよかった。自分もお寺でこの手の体験したことあるけど本当に真っ暗なんですよね。周りに人がいなかったらかなり怖いと思う。
    主人公登場からはかなり軽めのテイストとなり、和む描写や各キャラの漫才じみた絡みも増えて面白い。特にシリーズのマスコットとなった猫の僕にゃんの可愛さは秀逸。
    事件解明は二転三転する推理が面白いのですが、不可思議な遺言、山の墓所、弥勒教、魔術書、謎の影、といったたくさんの魅力的な要素が盛り込まれたことに比して、解決はあっさりに感じられて少し残念。もっとじっくり長くしてくれてもよかった。といっても依頼者たちの死というタイムリミットがある中でスピード解決するのが死相学探偵の役目とも言えるので、しかたないかのかもしれませんね。
    いろいろと関係性が変化してきたキャラクターたちの今後が楽しみです。

  • まさかの腐サービス??を受けとめた

  • 死相学探偵シリーズ最新作。
    主人公が登場するまでの冒頭〜序盤はホラーっぽいが、中盤以降はミステリ色が強くなり、前半と後半ではっきり雰囲気が別れている。キャラクター性は変わらず強め。
    登場人物が多いので最初は少しややこしい。

  • 僕にゃんマジ天使!!! …それはさておき(笑)毎度呪術的な仕掛けで事件が起こるこのシリーズ。今回は十二なのでコレですかーなるほどー。(詳細については読むべし読むべし)
    タイトルの通り、十二人の生贄候補が出てくるため、登場人物が多くてどうなることかと思いましたが、思いの外スッキリまとめてきたのは流石。(最初はちょっと混乱したけどね)
    今回、どっちかというとミステリー寄りでホラー的な要素少な目。遺産相続にまつわる歪な一族の設定とか、事件の原因となる呪術の仕掛けとか、影の存在とか、散りばめられたネタ諸々、かなり魅力的だったんだけど、なんだか所々駆け足な感じが否めなかったのは残念w(真面目に話を膨らませると大変なボリュームになりえる感じはするので、しょうがないっちゃしょうがないかー)
    サクッと読み終っちゃったので面白かったんだけどね、ちょっと物足りない。次に期待。

    ところで、あの妹さんと俊一郎の組み合わせで行くのかと思いきや、作者があの曲矢刑事と俊一郎の組み合わせをぶっ込んでくるとは……侮れぬ……。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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