夜に啼く鳥は

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.59
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本棚登録 : 293
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041037294

感想・レビュー・書評

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  • 2017.8.25 読了


    よくこんな話 考えつくなぁ。

    太古の昔から ある里。
    けど、地図には載っていない。

    そこに 不老不死の一族がいる。
    そこの長は カラダに蟲がいて、
    その蟲は 傷を癒すチカラがある。

    自分の傷も 癒すが、人の傷も 癒せる。
    そのチカラを「奇跡」と呼び、
    政治家や権力者が秘密裏に 大金を使って
    恩恵を受けに来る。

    そのチカラを利用することによって、
    里も生きながらえてきた。

    その長の 死にたくても死ねない孤独。

    死なないのは 幸せなのか?


    ものすごく 引き込まれた。
    短編集ですが、切ない話もあり。
    これは 面白かったです!

  • 蟲を宿し不死の身を持つ者の妖しく切ない物語。独特の雰囲気の中、御先と四の関係が、だんだんと面白い感じになってきて、雅親も含め彼らのこの先をもうちょっと読んでみたいなって思った。

  • 2017.5.2読了 46冊目

  • 3.5

  • うーん。お耽美。

    想定が美しい。明日美子先生の描く2人の眼力にやられて借。

    八尾比丘尼と蟲のお話。

    悠久を生きる切なさ。
    この世界観はかなり好きでした。
    私は四も結構好きよ。

    でもお話としてはやはりシラが一番好きでした。

  • こういう家に生まれた性。
    哀しく、そして美しい。

  • 蟲を紡ぐ連作短編。
    悲しい記憶を繋いで、色々なものや人を見送る果てのない人生。
    取り残される孤独は余りあって語れないが、最後の書き下ろしで少し救われる。

  • あたしにとって3冊目の千早作品さま。

    声を殺しても声が漏れちゃうくらい泣いて涙をぼろぼろと零しながらラストへ。


    カラダを強張らせながら読むくらい苦しいけれど、少しの救いと光に救われる。

    「“ファンタジー系か”などと手に取った本書をどうか棚に戻さないでぇええ!」
    って言いたい。

    そして、
    「ゆっくり咀嚼するように彼らの記憶が自分の記憶となるように読み進めて物語を堪能してぇえええ!」
    って言いたい。


    嗚呼。
    本当に良い読書が出来た。
    浸ったわー。

  • これ、ダークファンタジーの好きな若い子なら気にいるんじゃないかしら。多分異国からやって来て、体内に飼う蟲のおかげで不老不死になったシラと、その子孫たちのお話。

    不老不死であるどころか性別すらない大体150歳くらいのミサキが、とても可愛くて可哀想でいとおしくなってしまいました。

    死んだ双子の姉の死体をずっと保存し続けたのも、全部姉である美夜子の夫月雅を思ってのことだったんですね。

    不思議で悲しい一族だ。

  • 初めは、今ドキのおとぎ話かと思ったかどうも違う。
    ミサキとヨンがなにやらBL調だなと思ってたら、それは雅親に飛び火した。
    最後の「躑躅」は無い方が好きだったが、頭の中で美しすぎる男(?)をこしらえられるのは悪いもんじゃないね。

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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