ヨーレのクマー

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 365
感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041040614

作品紹介・あらすじ

クマーは透明なかいじゅうです。悪い怪獣からヨーレの街を守っていました。ある日大切な角が折れてしまい…!? 物語の女王・宮部みゆき×ファンタジー界の重鎮・佐竹美保の二人が織りなす圧倒的スケール感の絵本!

感想・レビュー・書評

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  • ヨーレの町を守っていたクマー。
    せつない物語だった。
    こういう事って社会にもあるよね。
    逆に自分が気付いてない側の事もあるかも。

  • 宮部みゆきにとって2作目の絵本。

    小説「悲嘆の門」の作中作品が、佐竹美保の美しい絵で、素晴らしい作品となった。

    「悲嘆の門」では、主人公の大学生のアルバイト先、ネットパトロール会社の社名の由来になっている。ネットという見えない世界をパトロールする見えない怪獣。パトロールの対象だけでなく、パトロールする自分自身もある意味では怪獣なのだと。

    絵本の主人公は、美しいフィヨルドを見渡す山に住んでいる怪獣、クマー。
    美しい自然と豊かな四季に恵まれている。

    クマーは不思議なツノの力で、姿が見えない。

    わるい怪獣と戦って、ヨーレの街を守っているクマー。

    しかし、怪獣との戦いで、そのツノが折れてしまう。

    わぁ、たいへんだ!

    街の人々の前に、はじめて姿を現したクマー。
    水面に映る自分の姿を、はじめて目にしたクマー。

    大切なものが目に見えた時、その本当の姿が見えているのだろうか。

    宮部みゆきが語りかける、美しくて、深くて、眠れなくなる物語。

  • 宮部さんの新刊。絵本だったか!w

    そして、読む・・・素晴らしい絵、あまりにも哀しいお話・・・ショックで、しばし呆然とする。。。

    あまりにも救いのない物語・・・。

    でも、この物語を読んで救われる人もいるのかな・・・?
    と考える。

    ああ、「悲嘆の門」の主人公のアルバイト先のネットパトロール会社の社名の由来になった絵本なのか~~!!!
    (ほぼ忘れてる・・・ちょっと思い出した)

    クマーは人々のために戦ったのに、人々はそれを知らないばかりか、クマーをまるで反対のものとして認識してしまう。

    誤解は、永遠に解けることが無いように思える。

    「ネットの番人もまた怪獣になりうるけれども、だからこそ番人として守りえるのだ」

    クマーは姿は怪獣だったけど、心は怪獣じゃなかったのに・・・あまりにも切なくて胸が締め付けれられる。

  • 切な…

  • 無駄を削ぎ落とした、淡々とした文書に悲しさが伝わってくる。胸をジンと打つ話。何を伝えたかったんだろう…見かけだけで判断する愚かさ、水面にうつった自分の姿に驚かされること(自分の姿ほどわかりにくいものはない?)??
    透明感ある綺麗な絵が寂しさを、静寂を増す。

  • 湖に映った姿を見て気づく哀しさ,なんとも言えない気持ちになる.
    絵も素晴らしい.

  • 息子7歳12か月
    息子が喜びそうな本を図書館から借りてきて読み聞かせ…最近は息子が一人で読むようになってきて、母はサミシイ。

    〈親〉
    絵が好き ◯
    内容が好き ◯

    〈子〉
    何度も読む(お気に入り)
    ちょうど良いボリューム◯
    その他

    「本当のことは、誰にも知られないままです」

    このような切ない作品を、息子はあまり好まない様子。
    読みはするのですが、何回も手を伸ばすことはない。

    水面にうつる風景がとてもきれいです。

  • 宮部みゆきさんの絵本

  • 美しい絵と考察しようと思えばまあまあ深そうな話。
    フィヨルドとか鐘楼とか少し難しい言葉はあるけれど、読み聞かせむき。

  • 宮部みゆきさんの絵本。
    ヨーレの町を守っていたはずなのに、大切なツノが折れたせいで悪い怪獣と間違えられてしまう。
    切ない物語です。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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